『藤田嗣治 手紙の森へ』1

<『藤田嗣治 手紙の森へ』1>
図書館で、『藤田嗣治 手紙の森へ』という本を手にしたのです。
ぱらぱらとめくると、自筆絵画のカラー画像、挿し絵、書簡など多彩でビジュアルである・・・新書で1200円と高価であるが、コスパは悪くないでぇ♪


【藤田嗣治 手紙の森へ】


林洋子著、集英社、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
藤田嗣治は1920年代のパリを拠点に、油彩画の本場ヨーロッパで勝負し、相応の成果を果たした最初の日本人美術家として知られます。画家の没後半世紀。彼が残した作品だけでなく、遺族の手元以外から、手紙の存在情報が明らかとなり、多くの書きもの=日記や手紙の存在が確認され、整理公開、復刻が進んでいます。彼から手紙をあてられた人が、もしくはその遺族や関係者が守っていたのです。本書は生前の画家が書いた手紙をテーマとします。インクでぎっしり書かれた文字群には相手への思いのこもったイラストレーションも添えられることがしばしばで、こうした紙の上の「手しごと」を知ることが藤田の多面性の理解につながるのです。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくると、自筆絵画のカラー画像、挿し絵、書簡など多彩でビジュアルである・・・新書で1200円と高価であるが、コスパは悪くないでぇ♪

rakuten藤田嗣治 手紙の森へ


「はじめに」の冒頭を、見てみましょう。
p2~7
はじめに
 画家・藤田嗣治の戦後の、もしくは生涯かけての代表作に、≪カフェ≫がある。
 1949(昭和24)年の作。窓外の街並みからパリと思われるカフェで、黒いドレスの女性が肘をついて物思いにふける姿を描いたものである。

 テーブルの上には黒いハンドバックと、赤ワインが注がれたグラス、そしてインク・ボトルとペン。いちばん手元には封筒、裏向けられた便箋、そしてインクの吸い取り用の紙がある。

 ブルーブラックのインクのにじみはかなり手紙が書きすすめられた印象も与えるが、とはいえ封をしておらず、書き終えてもいない。この絵には藤田手彫りの木製の額がつけられており、ワイングラスやカップ、ソーサーの素朴なレリーフについ目がいってしまうが、テーマは「カフェ」ではなく、やはりこの女性に仮託して、長年、カフェで藤田がやりつけていたこと・・・「手紙を書くこと」と察するべきだろう。余談ながら、彼は酒を受け付けない体質だった。

 この作品は本人が後年、フランス国立近代美術館に寄贈したもので、とりわけ愛着があった一点である。
(中略)

 藤田といえば、生まれ育った日本、そして人生の半分以上を暮らしたフランス、パリと結びつけがちだが、意外なことに、その代表作はニューヨークで着想、描かれたことになる。1949年とは、藤田が同年3月10日に母国と永別して、約10ヶ月をニューヨークに過して時期にあたる。最終的には、戦前約20年を暮らした第二の故郷ともいうべきパリに戻ることを願いつつ、日本にも思いを残す日々を重ねた。ここでの手紙はいったい誰に、どこに向けて書かれたのだろう。

 2018年は、この画家が逝って50年にあたる。彼は1920年代のパリで、油彩画の本場ヨーロッパで初めて本格的に勝負し、相応の成果をあげ、作品を現地で売ることで生活できた最初の日本人美術家、パイオニアとなった。むしろ、はじめてのアジア系美術家といってもいいだろう。

 一方で、太平洋戦争下の「作戦記録画」への前のめりな取り組みや振る舞い、そしてその後の離日、国籍変更、カトリックへの改宗など、前半生の功績をかき消すほどの「ノイズ」が多い作家でもある。こうした毀誉褒貶のはげしい、生々しい存在が、死後、時間が経過し、次第に歴史的存在へと、身体感覚が希薄になるなかで、彼が残した作品だけでなく、「書きもの」=日記や手紙の存在が確認され、整理公開、復刻が進んでいる。

 本書は生前の画家が書いた手紙をテーマとする。これまで、この集英社新書で『藤田嗣治 手しごとの家』と『藤田嗣治 本のしごと』の二冊を刊行する機会に恵まれたが、プロの画家として生きぬいた藤田の背景に広がる私的な世界に触れてきたつもりだ。


以前に読んだ『藤田嗣治 手しごとの家』をつけておきます。

【藤田嗣治手しごとの家】
藤田

林洋子著、集英社、2009年刊

<「BOOK」データベース>より
日本人の美術家として初めて国際的な美術界と市場で成功を収めた藤田嗣治。彼はまた、当時の男性には珍しく、身のまわりのものをことごとく手づくりし、暮らしを彩った、生活の芸術家でもありました。裁縫、大工仕事、ドールハウス、写真、旅先で収集したエキゾティックな品々…。本書では絵画作品にも描かれた、藤田がこよなく愛したものたちに焦点を絞り、そのプライベートな非売品の創作世界を解きあかします。本邦初公開の藤田撮影の写真、スクラップブックなど、貴重な図版多数をカラーで掲載。ここに現代美術の先駆者としての藤田嗣治が、蘇ります。

<読む前の大使寸評>
インテリア、裁縫、絵付け、木工、収集、装丁、写真など手仕事に対する藤田の職人気質が見えるわけです。
それから・・・
新書ヴィジュアル版と銘打っているとおり、カラー画像満載で嬉しい本でおま♪

rakuten藤田嗣治手しごとの家

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント