『4%の宇宙』1

<『4%の宇宙』1>
図書館で『4%の宇宙』という本を、手にしたのです。
おお 96%の宇宙はダーク・エネルギーに満ちているってことか・・・
このところ宇宙関連のネット記事、書籍が個人的ミニブームになっています。



【4%の宇宙】


リチャード・パネク著、SBクリエイティブ、2011年刊

<商品の説明>より
「この宇宙は加速膨張している! 」
 2011年のノーベル物理学賞をそろって受賞した米ローレンス・バークレー国立研究所のソウル・パールムッター教授、オーストラリア国立大学のブライアン・シュミット特別教授、米ジョンズ・ホプキンス大学のアダム・リース教授らは、独自の超新星探査プロジェクトの観測結果から、誰も予想しなかった上記の結論をほぼ同時期に得ることになる。
本書は、この天文学者と物理学者を巻き込み、世界中の天体望遠鏡+宇宙望遠鏡を駆使して、数十億光年彼方で瞬く超新星のドップラー効果を測定し、ハッブルが発見した宇宙の膨張速度が加速されているか、減速されているかを見極めた3人の科学者の物語である。

 この得られた結論からなにが導けるのか?
 1つは、この宇宙の未来の姿だ。そしてもう1つ。この宇宙膨張を加速するものこそ、まだ正体もつかめていないダーク・エネルギーであるということだ。

<読む前の大使寸評>
おお 96%の宇宙はダーク・エネルギーに満ちているってことか・・・
このところ宇宙関連のネット記事、書籍が個人的ミニブームになっています。

amazon4%の宇宙


「第10章 呪縛を解き放て」でダークマター探査あたりを、見てみましょう。
p269~272
 別の大学院生が通りすがりに聞く。
「なにをしているんだい?」
 事情を説明すると、彼も見物人に加わった。

 ステッピング・モーターは最初、調子が悪そうにガタガタと音を立てていた。そして10分後、なんとまた逆回転しだした。

 三人の大学院生は、あわてて掘立小屋の中に入っていった。残りのメンバーは、効きすぎるエアコンのために寒そうに身体を丸めていた。三人が入ると、もう小屋は満杯になる。なにしろ、八名しか入れないほど狭い小屋なのだ。

 最初に椿事を目撃した大学院生が、リーダーの一人であるレス・ローゼンバーグに事の次第を報告した。彼はもじゃもじゃのあごひげとスキンヘッドがトレードマークの好人物だ。話を聞き終えると、即座に「それはありえないよ」と言った。

「ソフトウェアの問題じゃないか?」
 別のメンバーが、パソコンに向かったまま言った。
 ローゼンバーグは自分の目で確かめるしかないと思った。結局、四人の物理学者がポケットに手を突っ込んだまま、ステッピング・モーターをながめることになった。
チック、チック、チック、チック、チック、チック、チック。

 2007年の夏の日の午後のことだ。ベイ・エリアから約60キロメートル内陸に入ったカリフォルニア砂漠には、ブリキ屋根の小屋が建てられていた。小屋とはいえ、暗黒物質を探査する目的で建てられた施設だ。正式には、ローレンス・リバーモア国立研究所の436番ビルという名前がある。だが、通称は“小屋”だ。

 実験そのものは世界の最先端をいっていたが、施設は作業台が一つある程度のものだ。大学院生らは装置の計画書を見ながら、めいめいコンクリートの床に座って作業していた。彼らが使う道具は、ワイヤーカッター、レンチ、ドリル、ハンマー、弓鋸といった、大工仕事で使うようなものばかりだ。机の上や金属製の棚の上は、水滴やらへこみ、金属片、引っかき傷などで汚れていた。

 やるべきことはホワイトボードの上にTO-DOリストとしてまとめられていた。リストには八つの項目が書き並べられてあったが、八番目の項目は意味がなさそうだ。

“8 仕事は無限にある”
 昼食後、計算機担当の人がトラブルを直した。
「これで、仕事の数は“無限大マイナス1”になったな」

 このプロジェクトはもう20年も続いているものなのだ。いまつくっている装置は、実は2台目になる。暗黒物質を検出する観測装置をつくるのは、簡単なことではない。そのため、なにをやるにしても十年はすぐかかってしまう。しかし、やり遂げなくてはいけない。

 暗黒物質の候補は二つある。世界中の素粒子物理学者が正しい答えを求めてしのぎを削っていた。

 1970年代に、ヴェラ・ルービンが銀河の回転運動を調べ、“見えない質量”の証拠を得た。ところが、その話が出るたびに、宇宙論の研究者はいつも疑問を投げかけた。
「その正体はなんだというのか?」

 一方、同じころに素粒子物理学者は一つの答えを見つけつつあった。
「それは私たちの知っている物質ではない」
 つまり、陽子や中性子ではないということだ。

 陽子や中性子はまとめて「バリオン」と呼ばれる。これらバリオンは、宇宙誕生のときにビッグバンでつくられる。そしてその後、熱核融合や超新星爆発のときに原子核は中性子を捕獲して再合成され、さまざまな元素をつくってきたのだ。

 ところが、ビッグバンはバリオン以外のものもこの宇宙に残した。質量はあるが、あまり活躍しないものだ。そのため、生成されたり再生成されたりという表現は当らない。そもそも、それら自体がほとんど相互作用をしないからだ。もちろん原子ともだ。

 1970年代、素粒子の理論家たちは、そんな不可思議な性質をもつ仮説的な粒子があってもよいことに気がついた。当時、素粒子の標準モデルと呼ばれるものがあったが、それではうまくいかないことが明らかになりつつあったからだ。

 そのため、新たな理論モデルが必要になっていたのだ。そして調べてみると、質量はあるが電磁波を放射しない粒子が、二種類あることがわかった。電磁波を放射しないということは、見えないということである。その意味では、暗黒物質のよい候補であることは明らかだ。

 一つは「アキシオン」と呼ばれるものだ。もしこれが存在するとなれば、1ccあたり1兆個もあることになる。この瞬間もあなたの身体を数百兆個のアキシオンが通過していることだろう。物理学者は、このように固体を通過する粒子があることに驚きはしない。ニュートリノがそうだからだ。ニュートリノは光速で運動し、どんなものともほとんど相互作用することなく進むことができる。
 
 もう一つの候補は「ニュートラリーノ」と呼ばれる素粒子である。これはニュートリノとは無関係の、別種の素粒子である。


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント