『空想読解なるほど、村上春樹』9

<『空想読解なるほど、村上春樹』9>
図書館で『空想読解なるほど、村上春樹』という本を、手にしたのです。
このところ村上春樹関連の本を集中的に読んでいるいるのだが・・・
ツボが疼くとでもいいましょうか♪



【空想読解なるほど、村上春樹】


小山鉄郎著、共同通信社、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
青いティッシュペーパーはなぜ嫌いか?青豆はなぜ生き延びたのか?あの青いあざとは何か?『ノルウェイの森』刊行時唯一のインタビュアーであり、『アンダーグラウンド』刊行を特報した著者が、ハルキの謎にせまる、愛に満ちたブックガイド。

<読む前の大使寸評>
このところ村上春樹関連の本を集中的に読んでいるいるのだが・・・
ツボが疼くとでもいいましょうか♪

rakuten空想読解なるほど、村上春樹

イージー・ライダー

「あとがき」に映画や効率社会などが語られているので、見てみましょう。
p273~276
<あとがきにかえて>
 『1Q84』BOOK2の最後の方に、女主人公の青豆が「1Q84」年の世界から脱出するため、スーツを着てハイヒールを履き、鏡の前に立つと、『華麗なる賭け』のフェイ・ダナウェイみたいに見えないだろうかと自分で思う場面があります。
『華麗なる賭け』はフェイ・ダナウェイと、いまは亡きスティーブ・マックィーンが主演した映画ですが、これは村上春樹が学生時代に公開された作品です。私も村上春樹と同年生れですので、とてもなつかしい思いがしましたし、なるほで、青豆のイメージはフェイ・ダナウェイなのかと納得しました。

 村上春樹は大学の卒論で『イージー・ライダー』を論じたぐらいの人ですから、小説の中にたくさん映画のことが出てきます。本書でもジャン=リュック・ゴダールの映画と村上作品の関係を論じました。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』には「『イージー・ライダー』なんて三回も観た」とも書かれています。

 それに続いて「しかしそれでも私は舵の曲がったボートみたいに必ず同じ場所に戻って、いつも私が戻ってくるのを待っているのだ」と村上春樹は記しています。

 私はこのような村上春樹独特の思考方法に惹かれて彼の小説を読んできました。あらゆる問題がぐるっと回って、自分の問題として考えられるのです。これを「村上春樹のブーメラン的思考」と呼んで、この本の中でも紹介しています。
(中略)

 あらゆる問題を、対象に対する問題として捉えるだけでなく、その問題を自分の問題として捉え直して、常に二重に考えを進めていくこと。そういうブーメラン的思考を深く抱いて登場してきたのが、村上春樹という作家です。私はそう考えています。
 
 そんな村上作品の特徴と魅力を紹介する、この『空想読解なるほど、村上春樹』は、全国の新聞社と共同通信のニュースサイト「47NEWS」に連載した「村上春樹を読む」を基に、加筆し、再編集したものです。

 連載のきっかけとなったのは、私と同年で共同通信の文化部時代に二人で文芸担当をしたこともある小松美知雄君から、インターネット配信のコラムを書かないかと声をかけてもらったことです。

 それは東日本大震災が起きた直後で、私は過去に起きた大災害から日本人がどのように立ち直ってきたのかについて、文学を通して考えてみたいと思い、東日本大震災の被災地はもちろん、日本各地を取材しながら「大変を生きる―災害と文学」という週一回の連載を始めたばかりで、非常に多忙な時期でした。

 村上春樹については、かつて「風の歌 村上春樹の物語世界」という新聞連載を1年間続けたこともありますし、『村上春樹を読みつくす』という本まで書いていましたが、しばらくすると、まだ自分の中に村上春樹の作品について書いてみたい点がたくさん残っていることに気づいたのです。そしてネットでの連載を書き始めたら、次々に村上作品への思いがあふれ出てきて、自分でも驚いております。

 村上春樹が闘っているのは「効率社会」です。それを中心テーマの一つにして、前著『村上春樹を読みつくす』を書きました。そして本書の連載を始めた直後に、カタルーニャ国際賞を受けた村上春樹が受賞スピーチで、日本の「効率社会」の問題に触れて話しました。私の記したことが村上春樹の考えからそれほど離れたものではなかったことを知り、このことも連載を続けていく力となりました。


『空想読解なるほど、村上春樹』8:白川静の漢字学(続き)
『空想読解なるほど、村上春樹』7:白川静の漢字学
『空想読解なるほど、村上春樹』6:『1Q84』と『大菩薩峠』の関係
『空想読解なるほど、村上春樹』5:『国境の南、太陽の西』
『空想読解なるほど、村上春樹』4:佐々木マキさんのマンガ
『空想読解なるほど、村上春樹』3:ブーメラン的思考
『空想読解なるほど、村上春樹』2:ジョージ・オーウェルの「カタロニア賛歌」
『空想読解なるほど、村上春樹』1:惑星直列…まえがきにかえて

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