『クジラアタマの王様』1

<『クジラアタマの王様』1>
図書館に予約していた『クジラアタマの王様』という本を待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、挿し絵が漫画風のイラスト(モノクロ画像)として全編に溢れているわけで・・・
面白い趣向というか、いわゆる見て楽しいビジュアル本でんがな♪



【クジラアタマの王様】


伊坂幸太郎著、NHK出版、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥。打ち勝つべき現実とは、いったい何か。巧みな仕掛けと、エンターテインメントの王道を貫いたストーリーによって、伊坂幸太郎の小説が新たな魅力を放つ。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、挿し絵が漫画風のイラスト(モノクロ画像)として全編に溢れているわけで・・・
面白い趣向というか、いわゆる見て楽しいビジュアル本でんがな♪

<図書館予約:(7/31予約、2/02受取)>

rakutenクジラアタマの王様

挿し絵

冒頭の語り口を、見てみましょう。
p8~9
<第1章 マシュマロとハリネズミ>
 テレビに映る鳥に視線が引き寄せられた。漫画から現れたかのような、頭でっかちの外見で、嘴(くちばし)がやけに大きい。横を向き、じっとしている。動物園で撮影された映像らしく、リポーターらしき女性が、「ハシビロコウはほとんど動きません」と話している。「英語名は、shoebileで、靴のような嘴という意味です」

 確かに革靴みたいな口だ。しかも、でかい。頭の大半が嘴じゃないか。
「不思議な顔をしているよね」ソファーに座った妻が、腹を撫でながら言う。来月には自分たちの子供が誕生してくるだなんて、頭では理解していても実感がない。

「笑ってるみたいだ」画面に映るハシビロコウの大きな唇は、横から見ると口角が上がっているようで、常に、うっすらと笑みを浮かべ余裕の表情、といった趣すらあった。「大物の感じが」
 裏のボスのような。

「今度、新商品で出してみたら?」妻がテレビを指差した。
「新商品?これの?」
「ハシビロコウスナック、とか。嘴の部分がチョコなの」
「ハシビロコウを食べるなんて可哀想、と怒る人がいそうで怖い」
「コアラはいいのに?」
「そのあたりの判断はみんな、意外に論理的じゃないから」
「実感こもってる」妻が笑った。「広報部って、苦情受付も担当しているんだっけ」
「お客様サポートは宣伝広報局の中にるし、僕も去年まではそこの一員として、貴重なご意見を受けて、日々、勉強させてもらいましたから」

 ニュースや話題になるのは、物事の実際の重要性や危険性よりも、多くの人たちの感情が優先される。不快なものは不快、理屈を飛び越える。その気持ちは僕も分からないでもない。あの動物は狩って食べてもいいが、この動物を狩るなんて残酷! といったことはよくあるし、有名人の不倫でも、大目に見られる人もいれば、世の秩序を乱す大悪党さながらに糾弾される人もいる。

 重要な外交問題そっちのけで、変わった飛び方をするムササビがテレビで話題になる。情報操作や誘導にかかわらず多くの人は、感情に正直なだけなのだ。


この作品を読み進めると、新型インフルエンザ騒動が出て来るのに驚いたが・・・時代を読み解く作家の感度が素晴らしいのか!?

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