『世界の都市(ナショナルジオグラフィック2019年4月号)』2

<『世界の都市(ナショナルジオグラフィック2019年4月号)』2>
図書館で『世界の都市(ナショナルジオグラフィック2019年4月号)』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると、特集でトーキョーが取り上げられているのが、借りる決め手になりました。



【世界の都市(ナショナルジオグラフィック2019年4月号)】


雑誌、日経ナショナルジオグラフィック社、2019年刊

<商品の説明>より
まるごと一冊大特集 世界の都市
未来都市のマスタープラン
トーキョーを歩く
片道4時間かけて仕事へ
都市の未来の主役
拡大する都市の形
難民の都市、現る
働いているのに家がない
都会のネズミたち

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、特集でトーキョーが取り上げられているのが、借りる決め手になりました。

amazon世界の都市(ナショナルジオグラフィック2019年4月号)


「都市の未来の主役」で、アメリカと中国のスプロール化を、見てみましょう。
p72~74
都市プランナーが直面している大きな課題、スプロール化で断たれた多くの地域社会を再びつなぎ合わせること:ロバート・クンジグ
上海

 ジョージア州サバンナで開かれたニューアーバニズム会議の2018年年次総会で基調演説を行ったのは、デンマークのコペンハーゲンを拠点とする都市デザイナー、ヤン・ゲールだった。80歳を超えるゲールは「人間のための都市」の提唱者として知られ、この言葉をタイトルにした彼の著書は39ヶ国語に翻訳されている。

 ゲールは公共の場での人々の振る舞いを何十年も観察し、どんな場所に人々が集まって交流するか、どんな場所が人々に敬遠され、空っぽになりがちか、データを集めてきた。
「未来の都市あこうなるという想像図には、問題があると思います」と彼は話した。「建築家やプランナーが壮大な青写真を描こうとすると、たいてい誰も住みたがらないようなものになるのです」。ゲールはノートパソコンでその例を見せてくれた。林立する高層ビル、街路樹が並ぶ幅の広い道路、通行人はまばらで、交流など生まれそうにない。「どうです? ここを歩き回りたいと思いますか?」と、ゲールは皮肉を込めて言った。
(中略)

 中国が過去40年間に整備してきた新しい都市の街並みには、とりわけル・コルビジエの影響が色濃く表れている。サバンナでの年次総会でカルソープは、400メートル四方の大街区に同じ形の超高層マンションが立ち並ぶ中国のニュータウンと米国の郊外住宅地には似た点があると論じた。

「共通する問題が一つあります。それはスプロール化です」。カルソープによれば、スプロール化は住民同士の人間関係を断ち切るという。公園内にそびえる高層マンションの住民は、米国の郊外住宅地の住民と同様、近所の人たちからも、下に走る車優先の道路からも断ち切られている。中国の都市開発では、商店が軒を連ねる狭い通りが姿を消し、車で混雑する10車線の大通りがそれに取って代わった。そのため、「社会と経済の仕組みが壊れようとしています」とカルソープは語った。

 米国でスプロール化が始まったのは第2次世界大戦後。戦地からどっと帰還した兵士たちを待ち受けていたのは人口過密の荒廃した都市だった。彼らが結婚して子どもが生まれると、住む家が必要となった。車で郊外に向かえば開放感があったし、新時代の仲間入りをした気分にもなれたのだ。

 中国でもスプロール化が進む背景にはそれなりの事情があった。上海の人民広場で、同済大学で交通を研究するバンハイシアオに案内され、市の歴史に関する展示を見た。彼が大学に入るために上海に来た1979年当時、車の台数は多くなかったが、狭い通りが入り組んでいて渋滞がひどかった。大学から中心部まで6キロほどだが、バスで2時間かかったという。
 歩いた方が早かったのではないかと聞いてみた。「当時は食料不足で、歩くとひどく疲れたんです。学生時代はいつも腹ぺこでした」

 トウ小平が1978年に「改革・解放」政策を打ち出してからの40年間で、中国の人口は14億人に膨れ上がり、何億もの人々が貧困から脱出した。中国が高度経済成長を達成できたのは、基本的には農村部の人々が都市に流入し、工場で働くようになったおかげだ。

「文化大革命後は、人々に住宅と十分な食料を提供することが先決でした」と話すのは、環境科学者の何東全だ。都市に人々が流入し始めると、集合住宅の建設ラッシュが起きたと、何は言う。最も手っ取り早い方法として、高層ビルが並ぶ大街区が次々と生れた。

 そこには強い経済的誘因が働いていた。潤ったのは開発業者だけではない。中国の市当局は歳入の半分、もしくはそれ以上を土地使用権の売却で得ている。そのため計画の細部に口出しせず、宅地開発を次々と認可したのだ。


『世界の都市(ナショナルジオグラフィック2019年4月号)』1:トーキョーの築地

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