『縄文農耕の世界』7

<『縄文農耕の世界』7>
図書館で『縄文農耕の世界』という新書を手にしたのです。
おお 縄文農耕論ってか・・・
水田稲作の渡来が太子のミニブームなんでおます。

ところで、帰って調べてみると、この本を借りるのは2度目であることが分ったので、(その5~その7)としました。

【縄文農耕の世界】


佐藤洋一郎著、PHP研究所、2000年刊

<「BOOK」データベース>より
農耕文化は従来弥生時代の水田稲作の渡来が起源とされてきた。だが三内丸山をはじめ縄文遺跡で発掘されるクリは栽培されたものではないか?縄文人は農耕を行っていたのではないか?著者によれば、「ヒトの手が加えられるにつれ植物のDNAのパターンは揃ってくる」という。その特性を生かしたDNA分析によって、不可能とされていた栽培実在の証明に挑む。本書では、定説を実証的に覆した上で、農耕のプロセスからそれがヒトと自然に与えた影響にまで言及する。生物学から問う新・縄文農耕論。

<読む前の大使寸評>
おお 縄文農耕論ってか・・・
水田稲作の渡来が太子のミニブームなんでおます。

rakuten縄文農耕の世界



「第1章 縄文時代を読み解くクリの存在」でDNA分析について、見てみましょう。
p61~64 
■DNA分析のむずかしさ
 もう一つ、この分析結果に繰り返し投げかけられた疑問がある。それは、取り出されたDNAが本当に昔のクリに由来するかというものである。遺跡から出土した遺物はどろまみれになっている。大量の遺物が含まれるような土壌は強い還元状態にあって、酸素を必要とする普通の微生物は生きていけない。元気のいい微生物がたくさんいるような土の中では、動物や植物の遺体はすぐに分解され、なくなってしまう。
 逆に、遺体が残っていたということはそこに微生物がいなかったことの傍証でもある。しかしそうはいっても遺物の周囲がまったくの無菌であったという保証はない。

 さらに取り上げられた遺物は、出土した直後から空気にさらされ、微生物による激しい洗礼を受ける。遺物は多くの場合、数百年から、場合によっては数千年もの間無菌の状態に置かれている。細菌といえども生きていけないほどの無酸素の状態だからこそ、遺物はその長い時間を大きく姿を変えることなく地中に留まっていたのである。

 空中に漂う微生物、取り上げた人の手についていた雑菌、保存中に新たについたかびなど、遺物がDNA抽出のラボに持ち込まれるまでには、遺物の表面には無数の微生物がついていると見なければならない。微生物だけではなく、フケ、手指のアブラ、汗などには、そのヒトのDNAが含まれる。

 問題は、そういた微生物やヒトのDNAをどのように取り除くかである。DNA分析は、うまくやれば威力を発揮するが、そこは両刃の剣で、わずかに混じった異物からもDNAが取れてしまう。

 電気泳道のバンド模様は、クリのものであれば何であれ同じようなものである。電気泳道で区別できるのはその断片の大きさだけであって、種などを区別することはできない。DNAのパターンを読むといっても、クリの実の表面についた微生物のDNAを読んだのでは話にならない。きちんとしたデータを出すには、バンドの模様を読むだけでは不十分である。バンドとして現れたDNAが本当にクリのものであるということを、何らかの形で照明する必要がある。

 そこで私たちは、新たにサザン法という方法を採用することにした。サザンというのは人の名前である。日本語でいえば「南法」という感じだが、最近ではこれをもじったノーザン法とかウエスタン法などいう方法も開発されている。

 サザン法では、間違いなくクリからとれたDNAを準備する。このDNAを、釣り針の意味でプローブと呼んでいる。プローブは現存するクリの実の芯の部分から慎重に取り出したものである。このプローブと遺物からとれたDNAとを、それぞれ条件を整えておいた上で薄いナイロン膜の上で貼り合わせてみる。

 遺物から取れたDNAがクリのものならばプローブと貼り合わされるが、もし遺物のDNAがクリ由来のものでないなら、貼り合わされることはない。クリと微生物とでは配列がまったく違うからである。

 実際には遺物のDNAをナイロンの膜に貼り付けておき、プローブに発光性の色素をくっつけておくと、遺物由来のDNAのうち、クリのDNAだけが光って見えるようになる、というわけである。


『縄文農耕の世界』1 <ヒエは日本列島原産か>p84~86、<イネはあったか>p103~107
『縄文農耕の世界』2 <「海上の道」の痕跡をどう証明するか>p124~126、<日本列島を巡る複数の縄文街道>p133~134
『縄文農耕の世界』3 <ヒトに撹乱されてできた耕地>p171~173
『縄文農耕の世界』4 <第2章 縄文農耕の実像にせまる>p82~83、<ヒエは日本列島原産か>p84~86
『縄文農耕の世界』5:縄文農耕の概要p16~18
『縄文農耕の世界』6:水田稲作の渡来p82~85

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