『日本力』4

<『日本力』4>
図書館で『日本力』という本を、手にしたのです。
松岡さんは知の巨人なのか、衒学の親分なのか?・・・気になる存在なんですね。


【日本力】
日本

松岡正剛, エバレット・ブラウン著、パルコ出版、 2010年刊

<「BOOK」データベース>より
“知の巨人”松岡正剛と、“現代のフェロノサ”エバレット・ブラウン、ふたりが照らしだす本当の日本の豊かさ。

<読む前の大使寸評>
松岡さんは知の巨人なのか、衒学の親分なのか?・・・気になる存在なんですね。

rakuten日本力


お二人が職人の文化を語っているので、見てみましょう。
p56~59
<師匠と職人の文化を掘り起こせ> 
ブラウン:ぼくは何人かひきこもりの里親になった経験があるんですけど、ひきこもりの子というのは、考えすぎる子が多いんです。頭がよくて繊細でね。でも、自分の考えていることや、自分の「思い」を断ち切ることができない。

 学校で正しい答えだけを見つけるという教育を受けているので、「思い」を切る力がないんです。それで、自分の考えにこだわりすぎて、そこから出られなくなっているんですよ。

松岡:うん、それは大事だね。そういう経験不足を補っていくには、かつて日本では、名ファシリテーターや名カタリスト・・・コミュニケーションを円滑に進めさせる後見人といった人や目利きとかがいて、それを「同朋衆」とか「宗匠」、「お師匠さん」といろいろな呼び方をしていたんです。

 平たく言えば「先生」とか、ちょっとしたミドルリーダーね。こういう人たちがいて、うまくやっていた。けれども、それが町の中から消えて、すぐ「孤」に行ってしまうようになった。

 昔は大家さんとか長屋の住人とか、町の三味線のお師匠さんとか桶屋の職人とか、徒弟制度とかいろいろとあって、そこにちょっとした文化とコミュニティのルールとマナーがあったんです。たとえば、職人がお客さんと会話するにしても、そういったルールとマナーがあったから、あんまりへつらわないで「そんな注文は受けられない」と言ったりできたわけですね。

 これがだんだん、日本ではとり戻せなくなっている。地方都市、町や村にはまだあると思いますが、大都市にはほとんどなくなっている。それで文化、文明における孤食化が進んでいるという感じでしょうね。

ブラウン:今、日本はそういう昔の人たちの話や感覚を、もっと掘り起こすことが必要だと思います。
 最近ね、そういったことに関する計画があって、ぼくはとても注目しているんです。たとえば、マンションに住んでいる人は、隣の人の顔を知らなかったり、孤立しがちですえど、ある高層マンションの管理会社が、住民を対象に、田舎の農民や伝統職人、芸術家などを訪ねたりするツアーを企画しているんです。それで、ツアーを行ったあとにには、訪ねた人たちをマンションに招いたりしている。そうやって、住民同士の交流を促したり、住民に人との心の結びつきを与えようとしているんですね。

 それと、もうひとつは林野庁が関わっていた「森の“聞き書き甲子園”」というプログラムがあってね、毎年、森にまつわる仕事をしている名手の百人が選ばれて、百人の高校生が彼らに取材に行くんです。それで、その名手たちの生活の知恵や技、ものの考え方などを聞いて、学生がコンペで発表するんですね。そういう計画には、かなりの可能性があると思います。

 その計画の発想の元になっているのは、アメリカのフォクスファイヤー・プログラムなんです。それは、もともと、ある高校の先生が生徒たちにもっと国語に関心を持ってもらおうと出した宿題がきっかけになったんですね。それは、どういう宿題かというと、生徒たちが日ごろから気になっているお年寄りに取材して、その話を文章にするというもので、それを簡単な新聞にまとめたんです。そうしたら、それが意外な反響を呼んで、本にまとめる話になった。結局、その本は全米で大ベストセラーになったんです。


『日本力』3:砂漠の思考p37~41
『日本力』2:日本人の習性p99~101
『日本力』1:縄文感覚p222~225

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