『奇っ怪建築見聞』2

<『奇っ怪建築見聞』2>
図書館で『奇っ怪建築見聞』という本を手にしたのです。
モノクロの写真や画像が多い本であるが、冒頭に水木しげるの漫画を配しているのが異色の構成である。


【奇っ怪建築見聞】


水木しげる、他著、角川書店(同朋舎)、2001年刊

<商品レビュー>より
狂える家、二重螺旋の塔、奇想建築、実在する幽霊屋敷、江戸の怪建築など好事家たちが誘う、妖しと怖し9つの旅。(アマゾン紹介文)

<読む前の大使寸評>
モノクロの写真や画像が多い本であるが、冒頭に水木しげるの漫画を配しているのが異色の構成である。

rakuten奇っ怪建築見聞

岩窟ホテル跡


p62~64
<死ぬまでに一度行きたい!> 
 死ぬまでに一度は訪れてみたいと思っていた建築物が、僕には二つあった。一つは福島県会津若松市にある飯盛山のさざえ堂。そしてもう一つが埼玉県比企郡吉見町にある岩窟ホテル。どちらも一般の建築物とは異なり、世界でも類を見ない珍しいものというところに興味を持っていたのである。

 別に親の死に目を無視してでも見に行きたいという逼迫した状態ではなかったので、いずれ機会があったらと長いあいだ腰を上げないままでいた。それがいけなかったようだ。さざえ堂は今でも見学でき、見たいと思ってから後に三度ほど見学する機会に恵まれたが、岩窟ホテルは昭和62年を最後に閉鎖され、僕の希望は果たせぬままになってしまったのだ。

 以来、岩窟ホテル内部を探検してみたいという要求は以前より増してしまった。「いつでも手に入るからいいや」と購入を先延ばしにしていた本が、絶版になったとたんに入手困難となり、無性にその本が欲しくなるということはよくある。僕の岩窟ホテル探検願望はちょうどそんな感じなのだ。

 閉鎖されてから何度か岩窟ホテルの前に行ってみた。張り巡らされたフェンス越しから荒れるにまかされた外観を眺める。透視能力があるわけでもなく、いくら外観に熱い視線を投げかけても、その内部の様子はわからない。ただ、閉鎖される前に撮影されたガイドブックの写真を手がかりに想像する他なかった。

 しかし、平成12年11月、ついにその念願を取材という形で果たすときがやってきたのである。

<岩窟ホテル・高壮館とはなにか> 
…と、さざえだの夢だのと読者にはちっとも分からない話をしてしまったが、ここで岩窟ホテルについてのレクチャーをしておこう。

 観光、ビジネス、カプセルなどと、ホテルと名のつく施設には利用者に応じていろいろとあるが、人を宿泊させる所であることに変わりはない。しかし、ホテルと名がついているにも関わらず、宿泊できないホテルがかつて日本にあった。

 埼玉県比企郡吉見町にある岩窟ホテル・高壮館…これが日本でも、いや世界中でも唯一、宿泊施設として利用できないホテルなのである。

 岩窟ホテルという名の通り、高壮館は切り立った崖に掘られた岩窟で、基本的には建物ではない。垂直になった岩肌を高壮館の正面とし、一階部分には二つの玄関、崖の中腹には窓やバルコニーがある。中に入ると、堀り進められた洞窟内にいくつかの部屋があり、階段を登れば崖の中腹にあるバルコニーへと出られるようになっている。一応、2階建てになっているのだ。


『奇っ怪建築見聞』1

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