(もうすぐ終わる紙の本)シリーズ4

<(もうすぐ終わる紙の本)シリーズ4>
朝日新聞の記事をスクラップしているのだが・・・
(もうすぐ終わる紙の本)シリーズについても、デジタル記事も残しておこうと思ったのです。スクラップとWebデータとで重複保管になるのだが、ま~いいか。

この(もうすぐ終わる紙の本)シリーズ記事が、人間とAIの違いを説いているので、見てみましょう。

2019年11月28日人間と機械は根源的に違うより


7七同飛成
 2018年6月5日、藤井聡太七段が公式戦で指した終盤の勝負手は、東京大学教授の酒井邦嘉(55)にとって「人間の希望の手」だった。
 のちに「AIを超えた神の一手」と評されることになる。酒井は、AIが人間を超えるという「シンギュラリティー」を根底から疑問視する脳科学者だ。

 「藤井さんの一手は、そのはるか前からの読みに支えられていて、コンピューターの数手前までの形勢判断や予測には現れにくい、勝ちを決める妙手だった」
 紙の本を読むとき、脳ではこれと似た深い読みが鍛えられている、と言う。
言語脳科学が専門の酒井は、アメリカの言語学者チョムスキーの難解な理論を脳科学の立場から平明に解説した「チョムスキーと言語脳科学」を今年出版した。

     *
 「みにくいアヒルの子」と書いてあるとき、わたしたちは何を読むだろう。「醜いアヒル」が、子を生んだのか(a)。アヒルの生んだ「子が醜かった」のか(b)。童話の内容を知る者は、bと読む。脳は自動的に「みにくい→子」を結びつける。童話の内容を知らない者は、aかbか判断しようがない。文脈があって解釈が定まる。

 紙の本と電子書籍の本質的な違い、人間と機械の根源的な違いが、ここにある。文脈の流れを想像し、適切な展開を選びとる。
 「推理小説を読むとき、物語の展開を追い、登場人物の関係、どんな場面でなにを言ったかを、脳は自動的に格納しながら読みます。その記憶は本という実体に対する感覚に、大きく依存しているんです。本の最初か、中ほどか。右のページか左か。そうした手がかりと共に記憶されます」

 電子書籍でもネットのブログでも、ブックマークを付けて機械に覚えさせることはできる。「しかし、パラパラとページをめくって読み返したいところがすぐに探せるような紙の本にはかなわない」

 「みにくいアヒルの子」という、いわば1本の木だけを読むならば、電子書籍も紙の本も変わらない。しかし木が集まった本の森では、文脈を確かめながら行きつ戻りつ読む機能で、紙の本にまさるメディアはない。森を俯瞰し、パラパラッと繰って特定の木を見つける能力こそ、紙の書物の命であり、人間の脳の機能の根幹だ。

     *
 「特に教科書が紙の本であるのが重要で、いま学んでいることが全体のテキストのどのあたりにあるのか、どのような位置関係で書かれているのか、それが脳に記憶されることがとても大切。教科書などを安易に電子化してしまったら、取り返しがつかないことになるでしょう。

 さらに思考や創造力までをAIにゆだねるようになってしまったら、人間の希望である藤井さんの『神の一手』が、もう出なくなるかもしれないんです」

 教育がすべて。だから紙の本を取り戻さなくてはならない――。酒井は静かにそう語った。紙の本が消えて、なくなるものの大きさが響いてきた。=敬称略(近藤康太郎)

(もうすぐ終わる紙の本)シリーズ2

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント