『日本人の住まい』3
<『日本人の住まい』3>
図書館で『日本人の住まい』という本を、手にしたのです。
おお 宮本常一さんの説く日本建築ってか・・・これは期待できそうやでぇ♪
「第1部 日本人の住まいはどのように変わってきたか」で団地の光景を、見てみましょう。
昭和の風景といえば、まず団地の光景が想起されるが、これについては『昭和の刻印』という本がお奨めです。
『日本人の住まい』2:土間住まいと床住まい
『日本人の住まい』1:消えていく縁側
図書館で『日本人の住まい』という本を、手にしたのです。
おお 宮本常一さんの説く日本建築ってか・・・これは期待できそうやでぇ♪
【日本人の住まい】 ![]() 宮本常一著、農山漁村文化協会、2007年刊 <「BOOK」データベース>より 日本人の住まいのかたちは、どのようにして形成されてきたのだろう。それは日本各地の暮らし方や生産のあり方、家族のかたちの変遷とどのように結びついてきたのだろうか。たとえば土間の広い家と狭い家があるのはなぜか。仏壇は住まいのかたちにどのような影響を与えたか。土間の家と高床の高はどのようにして結びついていったのか。カマドとイロリは炊事法や家の構造とともにどう変遷したのか。庶民の住まいに便所や風呂ができるのはいつごろからか。広範な全国に及ぶフィールドワークの見聞と体験を通して日本の民家を庶民の「生きる場」という視点から見続けた宮本常一の刺激的な民家論。 <読む前の大使寸評> おお 宮本常一さんの説く日本建築ってか・・・これは期待できそうやでぇ♪ rakuten日本人の住まい |
「第1部 日本人の住まいはどのように変わってきたか」で団地の光景を、見てみましょう。
p36~38 <戦後社会と団地> 昭和20年に戦争がすんでから今日までの間の移り変わりの激しさは、驚きの目を見張るものがあります。その中でも一番変わったのは住まいと服装です。住まいが様式化したことと、服装が洋風化したことは、戦前の写真と比べて見るとよくわかります。 住まいの場合は、その建て方が変わったばかりでなく、サラリーマン生活者が増えてきたことから、その人たちだけが集まって住むベッドタウンが発生してきました。サラリーマンたちは戦前までは思い思いに郊外電車の沿線などに土地を求めて家を造り、半ばいなかふうな生活を楽しみながら、官庁や会社へ通っていました。 そしてその家の建て方などには、多分に郷里の風を残していたため、その家を見て「あなたは何県から来た人ですね」と聞くと、大抵「そうです」と答えてくれるほどの特徴が見られたものです。つまり、それぞれの好みの家を造っていたわけですが、戦後になると、方々に同じような型の家を集団的に建てた、いわゆる団地ができました。そして団地が郊外の村の中で一つの特殊性社会をつくってきました。 このような現象は、戦前にないこともなかったのです。しかし、戦前の場合は、会社とか官庁などがその従業員のために建てたもので、社宅とか官舎などとよばれていました。ところが戦後の団地は、勤め先がみんな違っているのです。その団地がコンクリートのアパートの様式をとるようになってきたものもたくさんあります。 家賃を安くするために、都会の中央からかなり離れた郊外に、この団地は造られました。東京・大阪・名古屋・神戸・横浜などの大都会の付近を飛行機で飛んで見ると、そうしたコンクリート・アパートの団地をよく見かけます。ずいぶん広い面積を占めています。このような大都会でないところ、中都会の郊外を歩くと、山を削って平らにした一戸建ちの住まいの集まった団地を見ます。等間隔にほぼ同じような大きさの家が並んでおり、道などまっすぐに、しかも広くとっているのが特徴です。 これはそのまま日本の社会の大きな変化を物語るものです。戦前までは、大企業の発達は今日に比べるとそれほどはなはだしくはなかったし、官公吏の数もそれほど多くはありませんでした。しかし戦後には官公庁の規模拡大や企業のめざましい発展がありました。そのことを物語ってくれるのは、大学の増設です。 (中略) そして団地が都市郊外の新しい風景として登場してきたのも、また当然のことであったといえます。 ところで、新しい団地社会が形成され始めてくると、いろいろの問題が多くなってきます。いままでまったく知らなかった人びとが突然一ヶ所に集まって住むことになると、その人たちがどのような過去を持ち、どのような気心の人であるかもよくわかりません。お互いがいつも多少ずつ警戒した気持ちでいなければなりません。 住まいそのものも閉鎖的で、農家のような解放性はありません。それはまたそこに育つものの心を閉ざし始めています。最近小学校や中学の児童・生徒に引っ込み思案の子供が急にふえていますが、そういう子供は一戸建ての住宅団地にもっとも多く見られるということです。 |
昭和の風景といえば、まず団地の光景が想起されるが、これについては『昭和の刻印』という本がお奨めです。
【昭和の刻印】 ![]() 窪田陽一著、柏書房、2015年刊 <「BOOK」データベース>より 東京オリンピックを機に突如出現した未来的な景観は、半世紀を経て、昭和の面影を今に伝える証しとなった。戦後日本の国土開発を見つめ直し、時代の来し方行く末を考える、珠玉のエッセイ。カラー写真多数収録。 <読む前の大使寸評> 副題が「変容する景観の記憶」となっているが・・・ 自分の来し方を重ねて見るのも一興かと思うのでおます♪ amazon昭和の刻印 『昭和の刻印』3:庭のある街【郊外住宅地開発】 『昭和の刻印』2:団地の風景(続き) 『昭和の刻印』1:団地の風景 |
『日本人の住まい』2:土間住まいと床住まい
『日本人の住まい』1:消えていく縁側
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