『本当の翻訳の話をしよう』2

<『本当の翻訳の話をしよう』2>
図書館で『本当の翻訳の話をしよう』という本を、手にしたのです。
おお 村上春樹×柴田元幸の翻訳談義ってか・・・これは期待大である。



【本当の翻訳の話をしよう】


村上春樹×柴田元幸著、スイッチ・パブリッシング、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
【目次】
帰れ、あの翻訳(村上春樹+柴田元幸)/翻訳の不思議(村上春樹+柴田元幸)/日本翻訳史 明治篇(柴田元幸)/小説に大事なのは礼儀正しさ(村上春樹+柴田元幸)/短篇小説のつくり方(村上春樹+柴田元幸)/共同体から受け継ぐナラティヴー『チャイナ・メン』(村上春樹+柴田元幸)/饒舌と自虐の極北へー『素晴らしいアメリカ野球』(村上春樹+柴田元幸)/翻訳講座 本当の翻訳の話をしよう(村上春樹+柴田元幸)

<読む前の大使寸評>
おお 村上春樹×柴田元幸の翻訳談義ってか・・・これは期待大である。

rakuten本当の翻訳の話をしよう


村上さんが創作テクニックを語っているので、見てみましょう。
p194~196
<村上流短編小説の書き方> 
村上:僕は短篇を書こうと思ったら、必ずまとめて書きます。ばらばらには書かず、六つか七つ、ざっと書いてしまう。

柴田:それはなぜでしょうか?

村上:そういう書き方しかできないんです。僕はたぶん本来的には長篇作家なんでしょうね、一息にまとめて短篇を書く方が楽なんです。短篇を書くサイクルに入ると、短篇のモードが出来て、2、3週間に1本というペースで書いていく。『女のいない男たち』も『東京奇譚集』も『神の子どもたちはみな踊る』も一気に書いています。

柴田:村上さんは初期の短篇集からすでに統一感がありましたよね。『神の子どもたちはみな踊る』からそれがいっそう強まった気がします。

村上:テーマを設定して書いているからですね。もしそうじゃなくて、この雑誌から依頼されたから書きましょう、みたいにばらばらにやっていたら、うまく頭がまとまらない。

柴田:テーマがあっても、結末まで見えて書きはじめるわけではないですよね。書き出すときにどこに行くかわからないというのはすごく楽しいことですか?

村上:楽しいですね。いったいこれはどんな話になるんだろうと、楽しみながら書いていくんだけど、短篇は二週間くらいで書いちゃえるから、二週間後には行き先がわかります。長篇は二年先までわからなかったりするから大変です。そういう意味では短篇は楽。ひとつの短篇を書いたあと、まだアイドリングが続いているうちに次を書きはじめると、またすぐに書ける。

 僕にとっては、短篇って、何かきっかけがあれば書けてしまうものなんです。『東京奇譚集』のときはキーになる言葉を二十数個選んで、これとこれとこれで一篇を書く、次はこれとこれとこれというふうに決めて書いていきました。すごく即興的に。

柴田:それで思い出したんですけど、たぶん初めて村上さんがワープロを使った現場を見ていて、突然村上さんがキーボードを叩いて「僕が森を歩いていたら熊が出てきて~」と書きはじめて、ああ、作家はすぐ物語が出てくるものなんだ、と驚いたのが印象に残っています。

村上:1980年代、買ったばかりでまだ使っていなかった富士通のワープロを新潮社クラブに持っていったときですね。スティーブン・キングの『ミザリー』じゃないけど、何か書けと言われれば、わりにその場でするする書けちゃうんですよ。

柴田:それは子供のころからですか?

村上:そんなことはないです。三十を過ぎてからです。

柴田:作家になってから、ロックされていたものが外れたみたいな感じなんでしょうか?

村上:ペイリーさんみたいに分裂症っぽいのかもしれない(笑)。なんにも訓練していないのに、そういうのができちゃうのも不思議だなと思います。
 昔は短篇からふくらませて長篇を書くということもありましたが、最近はないですね。『女のいない男たち』のいくつかの短篇について、「続編はないんですか?」と訊かれるんですけど、もうひとつそういう気がしないんです。たぶん僕の中での短篇の位置が変わってきたんだと思います。


『本当の翻訳の話をしよう』1


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