『森と人間と林業』1

<『森と人間と林業』1>
図書館で『森と人間と林業』という本を手にしたのです。
これまで全敗のようなニッポンの林業であるが・・・
この本の目次を見てみると、大使のツボが疼いたのでおます。


【森と人間と林業】


村尾行一著、築地書館、2019年刊

<出版社からのコメント>より
21世紀、日本の数少ない成長産業といわれる林業。
敗戦後の木材不足から、全国で進められた拡大造林(四季の変化に富む広葉樹の森から、真っ暗な針葉樹モノカルチャー林への植生転換)によって生まれた膨大なスギ、ヒノキの森林が大都市周辺部を含め、成熟期を迎えつつあります。

国土の7割を占める日本列島の森林。人口減少が進み、耕作放棄地は森に戻りつつあります。森林から、どのように持続可能なかたちで恵みを引き出し続けるのか。また、木材や、バイオマスエネルギーを取るだけではなく、防災やリクリエーションの場として、どのような森を育てていくのが良いのでしょうか。

<読む前の大使寸評>
これまで全敗のようなニッポンの林業であるが・・・
この本の目次を見てみると、大使のツボが疼いたのでおます。

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まず「まえがき」で結論を見てみましょう。イラチなもので。
pi~iv
<まえがき> 
 客観的には日本林業の環境は好く展望も明るい。ところが林業人の主観ではコトは全く正反対なのである。日本林業を取り巻く環境は厳しく、だから苦しい状況はに立たされており、展望も暗いと思い込みがちである。

 つまり日本林業衰弱の原因を、安価な外材の殺到や人口減少による木材需要の縮小といった外在的なものに求め、自らの経済的・技術的未熟さといった内在的なものとはしないのだ。

 しかし原因が外在的なものであれば、林業界は自力ではどうにもできず、日本林業は出口なき暗黒のトンネル内に立ち往生するのみである。ところが現実を直視すれば、幸いにも原因は内在的なのだ。そうであるならば林業は自らの改革によって容易に回生できる。
 本書はこうした考えのもとに、日本林業復活の道を、ただし辛口で述べる。辛口といったのは、現状の日本林業を分析すればするほど改善すべき難点がいくつも発見されるからだ。したがって日本林業の復活とはこの諸難点の克服なのである。だからこの書はいうなれば説得の書と受け取ってもらってもよい。

 筆者は勢い国の林業政策を厳しく批判する。なぜならそれは森林・林業に大きな影響を及ぼすものなのだが、日本林業再生の道を逆走しているからだ。控えめにいっても的を外しがちである。したがって日本の林業人は国の施策に拘束されることなく、自らが主体的に選んだ道を歩むことが正道だと筆者は提言したい。

 森林には大別して「物材生産」「環境保全」「レクレーション」の三機能がある。環境保全とレクレーションを合わせて「公益的機能」といっておくと、従来の認識は「生産林対公益林」と「生産林か公益林か」という二項対立である。現実においても両林はまま衝突してきている。

 そこで本書は二項対立を斥けて、三機能林が一体である林業に進化する道、すなわち一つの森林に三機能を同時に発揮させ続ける三位一体の近代林業へと日本林業を改造することを提案する。そのためには生産林を定義し直すことがぜひとも必要なのだ。

 日本の場合、ほとんどの生産林の存在形態はこうである。①スギならスギだけの単純林、②各林木が同じ樹齢の同齢林、③上木層が無い単層林、④そうした林木を一斉に伐採する皆伐林、⑤皆伐跡地に再びスギならスギの苗木を植栽する人工林、という皆伐系同齢単層単純人工林である。だから現在の生産林は農業類似の「木材栽培業」だといえる。

 これに対して筆者は次のような生産林を望ましいとする。すなわち①さまざまな樹種から成る混交林、②材木の樹種がさまざまな異齢林、③上木層の下に何段階もの中下木層と豊かな林床植生のある多層林、④木材を伐採しても森林状態が維持されて森林を裸地化しない択伐である恒続林、⑤林木の再生を人工造林法と天然更新法を併用して行う人工天然林、⑥自然の法則に則り、自然林に構造と様相が酷似した施業林…と生産林を定義しなおしたい。

 つまり従来の林業観では生産林に向かないとみなされる「合自然的で近自然的な異齢多層混交状態が恒続する人工天然林」に生産林がなるのである。こうした生産林を集約林、正確にいえば一本一本の樹木を丁寧に吟味して扱う知識集約的林業というのだ。これを「単木施業」とも呼ぶ。そうであればこそ林業が林業従事者に高所得をもたらし、需要を満足させ、森林の生産・保全・リクリエーションという三機能を一体化させるのだ。


最近読んだ「林業がつくる日本の森林」という本を紹介します。(2017年に読了)

【林業がつくる日本の森林】
林業

藤森隆郎著、築地書館、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
半世紀にわたって森林生態系と造林の研究に携わってきた著者が、生産林として持続可能で、生物多様性に満ちた美しい日本の森林の姿を描く。日本列島各地で、さまざまな条件のもと取り組まれている森づくりの目指すべき道を示した。

<読む前の大使寸評>
ドイツやオーストリアでできている森林経営が、なぜ日本では成り立たないのか?…そのあたりを知りたいのです。

<図書館予約:(1/08予約、3/11受取)>

rakuten林業がつくる日本の森林
『林業がつくる日本の森林』1
『林業がつくる日本の森林』2
『林業がつくる日本の森林』3






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