(三谷幸喜のありふれた生活963)記憶に残った映画の宣伝

<(三谷幸喜のありふれた生活963)記憶に残った映画の宣伝>
先日、新作映画「記憶にございません!」を観たのだが・・・
この映画の宣伝エピソードが、三谷さんの新聞連載コラムに出たので紹介します。


(2019.10.10(三谷幸喜のありふれた生活)シリーズから転記しました)
朝日の(三谷幸喜のありふれた生活)シリーズをスクラップしているのだが・・・デジタルデータとダブルで保存するところが、いかにもアナログ老人ではあるなあ。


<(三谷幸喜のありふれた生活963)記憶に残った映画の宣伝>
 新作映画「記憶にございません!」が公開された。幸い、全国で沢山の人が観て下さっているようだ。普段映画館に足を運ぶことの少ない年配層の方々も多いという。公開から一カ月経った今も客足はさほど減っていないと聞く。ありがたいことです。
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 もちろん自分なりの反省点はある。脚本家として監督として、自分はまだまだだと真剣に思う。ああすれば良かった、こうすれば良かった、どうしてホンを書いている時に気付かなかったんだ、なぜ撮影中に思いつかなかったんだ。そんな反省材料ばかりが目について、未(いま)だに冷静に作品を観ることが出来ない。

 ただ、ひとつだけ密かな自慢がある。それはこの「記憶にございません!」がオリジナル脚本であるということ。漫画の原作があるわけでもなく、ベストセラー小説の映画化でもなく、テレビドラマのスピンオフでもない。

 そんな後ろ盾の何もない作品でも、大勢の人に楽しんで貰(もら)える映画になり得るのである。それが証明出来たことは、脚本家のはしくれとして、何よりも誇らしい。史上最悪の総理と呼ばれた男が記憶を失ったことで味わう悲喜劇は、この映画でしか味わうことが出来ないのだ。もっともっとオリジナル脚本の作品が増えるといいのに。これは映画ファンとしての希望。
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 宣伝活動の一環で、キャストの皆さんが沢山の番組に出て、作品をアピールしてくれた。僕も数本のバラエティーに出演。昔はテレビに出る度に緊張しまくっていたが、今はそれも少なくなり(決してゼロではない)、少しはリラックスした状態でそこにいられるようになった。

 さんまさん、ダウンタウンさん、嵐のみんな、ふかわりょうさん、華丸大吉さん、坂上忍さんといった第一線のタレントさんと共演して思ったのは、皆さん、人として立派だということ。

 相手を敬う、人の話を聞く、その場の空気を的確に読み取る。そういった社会人として当たり前のことを、きちんとこなしている。その上ではしゃいだり、毒舌を吐いたり、馬鹿なことを言ったりやったりしている。傍若無人のイメージの坂上さんですら、間近で話してみたら、その裏にある「優しさ」や「謙虚さ」がひしひしと伝わってきた。そうでなければテレビの世界では生き残っていけないのだろう。

 映画の主演俳優である中井貴一さん。彼も多くの番組に出てくれた。普段あまり素の部分をテレビでは見せない中井さんだが、話が面白く、頭の回転も速い。実は彼はテレビ向きなのだ。これを機に、そんな彼の新たな一面を視聴者の方々に知って頂けたのは友人として嬉しい。
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 僕と中井さんが共に大好きなアメリカのコメディアン、ダニー・ケイは、かつて「ダニー・ケイショー」という番組を持っていた。
 中井さんなら「中井貴一ショー」が日本でも出来るのではないか、と思っている。歌があって、ゲストとのトークがあって、コントもいっぱい。中井さんの魅力が詰まった、そんな洒落た番組をいつか作ってみたい。本人は決してやりたがらないでしょうが。 


(三谷幸喜のありふれた生活963)記憶に残った映画の宣伝2019.10.10
久々の封切り映画:記憶にございません!

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