<『パンターvsシャーマン』3

<『パンターvsシャーマン』3>
図書館で『パンターvsシャーマン』というビジュアル本を手にしたのです。
この本には見覚えがあるような、ないような・・・ま、いいかと借りたわけです。

帰って調べてみると、2年ほど前に借りていました。で、この記事を(その3)としています。


【パンターvsシャーマン】
パンター

スティーヴン・J.ザロガ著、大日本絵画、2010年刊

<「BOOK」データベース>より
本書は、ドイツ軍がかつての勢いを取り戻そうと躍起になっていた1944年のヨーロッパ北西部の戦場という舞台で重要な役割を担っていた二つの戦車を比較するという魅力的な題材を扱っている。すべての戦車は、装甲、機動性、火力という3つの技術的な基本要素のバランスを考慮して設計されているが、これをふまえ各々の戦車の設計や開発経緯を分析することで、著者はシャーマンよりもパンター戦車の方が明らかに優れた戦車であると結論している。しかし、個別の能力を比較するだけでは、実戦での真の優劣を決めることはできない。どちらが先に敵を発見するか?どちらが先に攻撃するか?戦術的な状況が戦いにどう作用するかということが重要なのである。本書は、アルデンヌの森の激戦を詳細に眺め、この2つの戦車の成功と失敗の本質を追求している。

<読む前の大使寸評>
戦争映画オタクの大使としては、潜水艦映画をよく観てきたが、戦車ものもけっこう観ているわけで…この本を借りる決め手になったのです。

rakutenパンターvsシャーマン


「はじめに」でバルジの戦いなどを、見てみましょう。
p4~5
■はじめに
 1944年12月から翌年1月にかけて行なわれたバルジの戦いは、第2次世界大戦の西部戦線で勃発した最後の大戦車戦となった。ヒトラーは、劣勢に陥った戦局を一挙に挽回しようと決心し、絶望的な賭けに手持ちの予備戦車部隊をすべて投げ込んで、情け容赦なく前進してくる連合軍に再起不能の痛打を与えようと目論んだのである。

 バルジの戦いの舞台となったアルデンヌの森と、そこで発生した戦車戦は、本書「対決」シリーズにとって、実に興味深い題材に満ちている。

 シャーマン戦車とパンター戦車の対決を想定すれば、概ね、パンターに軍配が上がるだろうと考えるのが自然だろう。数値を比較すれば、強力な主砲と良好な装甲を備えているパンターが有利であることは一目瞭然である。だが、カタログ値の比較は実戦の行方をかならずしも説明しているわけではなく、仮説はいばしば大きく覆される。

 他の要素…すなわち、戦車兵の資質や訓練、採用した戦術、戦場の状況…は、技術的な優劣という視点をはるかに超える影響を、戦車戦の原則に及ぼすからである。本書は、このような様々な要素の検証を前提として、バルジの戦いにおけるアメリカ軍のシャーマン戦車M4A3(76mm砲)と、ドイツ軍のパンターG型、2つの中戦車の比較を試みる。

 世間一般に出回っている関連書籍の大半は、戦車同士の戦場における実力を比較する際に、技術面の優劣に注目している。しかし、第2次世界大戦の作戦を調査していくと、違うことが見えてくる。作戦面の研究成果はいわゆる軍事専門家の外まで広がることはないが、その結論は、大戦中の戦車戦に関する技術的研究とは際立った違いを見せているのである。
(中略)

 第2次世界大戦の戦車研究は、戦車部隊の主要任務が対戦車戦であるという間違った思い込みから出発している。1944年から45年にかけての時期、ヨーロッパ西北部で行なわれた戦いでは、アメリカ軍、ドイツ軍双方の戦車部隊にとって、戦車戦を主体とするような展開は起こらなかった。

 戦車は諸兵科連合部隊の先鋒兵器という位置づけであり、常に歩兵と共同して敵防御拠点を攻略後、突破口から迅速に進出して戦果を拡張する役割を与えられていた。そして大抵は、こうした任務は敵歩兵部隊との遭遇戦も発生するが、よほどの大作戦でもない限り、頻繁には起こらない。戦車戦は、第2次世界大戦の戦車にとっては花形任務であるが、頻発するものではないし、最重要任務というわけでもない。

 シャーマン戦車と比較すると、パンター戦車は恐るべき威力の主砲と、優れた装甲を持った戦車であるが、バルジの戦いでは実に不本意な活躍しかできなかった。経験豊富な戦車兵が駆るパンターが相手では、シャーマンは手も足も出ないだろう。しかし、一握りの戦車エースがもたらす勝利は、大半の戦車兵が成しとげた平凡な戦果を超えることはなかったのだ。



『パンターvsシャーマン』2:結論p74~75
『パンターvsシャーマン』1:両者の「技術的特徴」p22~25

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