『私的読食録』1

<『私的読食録』1>
図書館で『私的読食録』という本を手にしたのです。
目次を見ると・・・料理に関する100冊の本が載っていて圧巻である♪



【私的読食録】


堀江敏幸, 角田光代著、プレジデント社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
読むことでしか食べられない。「dancyu」の好評連載8年分、100本の書評エッセイ。
【目次】
『父の詫び状』向田邦子/『御馳走帖』内田百〓(けん)/『最後の晩餐』開高健/『妻恋いの宿』青山光二/『火宅の人』檀一雄/『はしれ!ショウガパンうさぎ』ランダル・ジャレル/『温かなお皿』江國香織/『寺田寅彦随筆集 第四巻』寺田寅彦/『カモイクッキング』鴨居羊子/『わが町』ソーントン・ワイルダー〔ほか〕

<読む前の大使寸評>
目次を見ると・・・料理に関する100冊の本が載っていて圧巻である♪

rakuten私的読食録


田辺聖子さんの語る家庭料理を、見てみましょう。
p72~73
『ジョゼと虎と魚たち』:角田光代
 なんということか、田辺聖子作品を今まで読んだことがなかった。十代で出合うべきだったのに出合わず、そのままニ十代になり、読んでみたいなと思うが、今度は手が出なくなる。今さら? という気もするし、また、作品数が膨大なので、どれから読んでいいのかわからない。

 先だって、電車に乗るのに本を忘れ、あわてて駅ビルの本屋に入った。出版社のフェアをやっていて、田辺聖子作品が数冊並んでいる。急いでいたのでいちばん手前の1冊を手にして、レジに向かった。『ジョゼと虎と魚たち』という短篇集である。今まで読んだ、どんな小説とも不思議に違う。どこかで読んだ気がするくらい、私たちに近しい言葉が紡がれているのに、だれとも何にも似ていない。

 読後、どうして今まで読まなかったのだろう、というのが最初の感想。いや、若き日に読まなくてよかった、というのが次に湧き出た感想である。なぜに今まで読まなくてよかったと思ったのか。

 この作家がさらりと書く、男女関係における未知の領域に私はまず驚いた。そうしてその「未知」が未知だと中年にさしかかった今だからわかるのであり、その妙味を味わえるのも今だからなのだと思う。もし若いときに読んでいたら、ここに描かれる「未知」は、私をこわがらせただろう。もしかしたら不快にしたかもしれず、もしかしたら過度な夢を見せたかもしれない。どちらにしても、未知なる味を存分に堪能できなかったと思うのだ。

 収められた短篇には、食べものがよく登場する。ほとんどがだれでも知っている家庭料理だ。『うすうす知っていた』の梢が妹の婚約者に作るのは、かに玉や鮎の塩焼き、南瓜のスープ。

 『それだけのこと』の香織が作る弁当の、肉団子、鶏肉のつくね、野菜のうま煮にサラダ。

 『いけどられて』の梨枝が、別れる夫に作ってやる弁当には、ミートボールのふくめ煮、酢蓮、夫の好物の卵焼きが入っている。
(中略)

 他人の家の玄関を開けたときに、ふと鼻をかすめる知らないにおい、それと同じものが、他人の作る料理にはある。この短篇集に出てくる料理はどれも、それと同じで、よく知っているし自分で作りもするのに、知らない味がする。それはまったく、私の感じた「未知の領分」とまるきり同じで、驚いてしまう。



7年ほど前に観た田辺聖子さん原作の映画『ジョゼと虎と魚たち』を紹介します。

【ジョゼと虎と魚たち】
ジョゼ
犬童一心監督、2003年制作、H24.7.5観賞

<goo映画解説>より
ある日、大学生の恒夫(妻夫木聡)は、坂道を暴走する乳母車に遭遇する。乗っていたのは、包丁を握りしめ、恐怖と怒りに満ちた目を見開いた少女(池脇千鶴)だった。歩けない孫娘を「こわれもの」として世間から隠そうとする老婆(新屋英子)が散歩に乳母車を使っていたのだ。脚の不自由な孫娘は、自分を“ジョゼ”と名のり、手際よく料理した食事を恒夫に振る舞う。その美味しさに感嘆する恒夫だったが、当の本人は「当たり前や!」と、にべも無い。恒夫はそんな負けん気の強いジョゼにひかれるのだった。

<大使寸評>
犬童一心監督、渡辺あや脚本「メゾン・ド・ヒミコ」が良かったので、このコンビに期待して観たのですが・・・・ええでぇ♪
田辺聖子原作とのこと・・・やはり女性の視点だったのか。

goo映画ジョゼと虎と魚たち
文学にみる障害者像田辺聖子著『ジョゼと虎と魚たち』

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