『和子の部屋 小説家のための人生相談』3

<『和子の部屋 小説家のための人生相談』3>
図書館で『小説家のための人生相談』という本を、手にしたのです。
暇なので小説でも書いてみるかと目論む大使にとって・・・
この本はなかなかのハウツー本になっているようです♪

この本には見覚えがあるわけで・・・再読となると自覚して借りたのです(キッパリ)

【和子の部屋 小説家のための人生相談】
小説

阿部和重著、朝日新聞出版、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
角田光代、江國香織、川上未映子、金原ひとみ、朝吹真理子、綿矢りさ、加藤千恵、島本理生、川上弘美、桐野夏生…小説家にまつわる秘め事を、ぜんぶ明かしてしまいます。

<読む前の大使寸評>
暇なので小説でも書いてみるかと目論む大使にとって・・・
この本はなかなかのハウツー本になっているようです♪

rakuten小説家のための人生相談


トップバッターとして角田光代さんの相談を、見てみましょう。
p10~12
<幸福と小説は両立するの?:角田光代> 
■なぜ人生相談なの?
阿部:「和子の部屋」にようこそ。

角田:今回は私の悩みを聞いてくださるそうで、よろしくお願いします。

阿部:そもそも。友達もいない、ほとんど出かけない、部屋にこもって小説を書くしかしていないこの僕が、人生相談を受ける側に立つという連載を始め、しかも最初の相談者が人生経験豊かな角田光代であることに、不可解さを感じる読者は多いはずです。実際「群像」の担当編集者には、「阿部さんが角田さんに人生相談に乗ってもらうべきじゃないの?」と言われました。

 なんだこのやろうと思ったけど、その通りだよね。でも、これには理由があります。まず、僕と角田さんは年齢が近く、同じ2004年の下半期に角田さんが直木賞、僕が芥川賞を受賞するという喜ばしい偶然もあったのですが、奇遇にも、ほとんど同じ時期に離婚を経験しました。昨年9月にたまたま会ったときにそのことが判明し、僕が調子に乗ってああでもないこうでもないとえらそうに語っていたら、「人生相談に向いている」とまわりから持ち上げられたんです。

角田:あの日の阿部さんはすごかった。みのもんたかと思ったもん。

阿部:冗談で「漫画雑誌『クッキー』の人生相談コーナー、石田衣良の後釜を狙うぞ」などと言っていたら、聞きつけた編集者によって、本当に人生相談の連載が企画された。うべてはあの日に始まったので、記念すべき第1回のゲストは角田さん以外ありえなかったわけです。では早速、相談状を拝読します。

■屈託が小説を書かせる?
阿部:最初にひとつ、確認です。相談の最後に「しあわせすぎて困っちゃってるわけではありません」とありますが、本当ですか?(笑)

角田:いや、そう言われると思ったけど、そういうわけではないんです。

阿部:僕は職業病として、人の言葉を深読みする癖があります。否定形とはいえ「しあわせすぎて困っちゃう」なんて言葉が出てくるときには、背景になにかあるはずだと、下世話な想像がかきたてられるんです。僕は十年ぶりぐらいにひとり暮らしをし、未だ離婚にまつわるたいへんさを日々実感している。でも、9月に「一緒に頑張ろう」と言い合った角田さんは、どうやらしあわせなんですよ。違いますか?

角田:いや、そういうことではないの。自分の年齢とか考えていたら、「普通のこと」がほしいような気に、初めてなったんです。でもそういうのって小説と相容れないのかな、と思うようになったんです。

阿部:質問状にも「ストレスがオールフリーになったら私は小説を書けるのか」とか、「しあわせが小説を脅かす」といった表現が出てきますが、具体的に、しあわせだと小説が書けないとは、どういう状態をさすんですか?

角田:私は、小説を書く人には、多かれ少なかれ屈託があると思っています。思春期にひとつの悩みもなく、影のない青春を謳歌し、ずっとしあわせに生きてきた人でも小説を書くことはできるでしょうが、でもそんなふうに無邪気に屈託なく暮らしてきた人は、わざわざ小説を書こうとは思わないのではないかと。

阿部:ウーン、そうかな。

角田:少なくとも私自身は屈託を出発点に小説を書いてきました。不幸とは言わないまでも、幸福とは逆の、たとえばなにかの抑圧に抵抗したい気持ちが人生のどこかで屈託としてくっついてきて、それをエンジンに書いてきたんです。負の力というか。

 であれば、そもそも小説を書くことと、相談状で書いたようなストレスフリーな幸福の状態とは、相容れないのではないかと思うのですが、いかがですか

阿部:小説を書く人は、必ず能天気ではいられない人生の体験をし、それを駆動力に小説を書いているはずだと考えているんですね?

角田:そうです。私の思い込みなのかな。


『小説家のための人生相談』2:桐野夏生
『小説家のための人生相談』1:川上弘美


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