半藤一利あれこれ

<半藤一利あれこれ>
デジタル朝日の連載コラム(歴史探偵おぼえ書き)をアトランダムにスクラップしているのだが・・・
この際、これまで読んできた半藤さんの著作を並べてみようと思ったのです。

・『「勝札」が輝いていた時代』(2019年記事)
・『歴史と戦争』(2018年刊)
・『昭和史をどう生きたか』(2014年刊)
・『そして、メディアは日本を戦争に導いた』(2013年刊)
・『愛国者の条件』(2006年刊)

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<『「勝札」が輝いていた時代 半藤一利』>
デジタル朝日の連載コラム(歴史探偵おぼえ書き)で面白い記事があったので、見てみましょう。
またスクラップと電子データの重複保存となったが・・・まあ いいか。


2019年7月20日「勝札」が輝いていた時代 半藤一利より


<「勝札」が輝いていた時代> 
 太平洋戦争も末期のこの国の惨憺たる様子は、これまでもうあきれるほど読者諸兄姉は読まされたことであろう。本土決戦に狂奔する軍部と、無理やりそれに従わせられる国民。軍部は勝つ意思も自信もなく、ただ戦うために戦う、戦いつづけることが目的になっていた。そのために国民を道連れにすることに何のためらいも、やましいところもなかった。

 ――なんて話が、今回の主題ではなく、少しのんびりした事実を。すなわち宝くじの話である。いまになるとほとんど知る人はなくなったが、宝くじの前身とされる「勝札(かちふだ)」が政府のキモ煎りで、日本勧業銀行本・支店などで売りだされたのが、昭和二十年(1945)七月十六日。一枚十円で、この日から発売されて締め切りは、なんと、一カ月後の八月十五日ときたもんだ。

 各新聞がにぎやかに発売を報じたが、ここには読売報知(現読売新聞)を長く引用する。

「一等に当れば十万円、籤(くじ)運が悪く全然当らなくても勝ち抜くための献金となるこの勝札の抽籤(ちゅうせん)は売出締切十日後の八月廿五日、麹町区内幸町勧銀本店で一般公開して行はれる。第一回売出二億円(二千万枚)で十万枚一組に一等十万円一本、二等一万円九本、三等千円九十本、四等五十円九百本、五等十円一万九千本計二万本の当り籤があるから五本に一本は必ず当るわけ」

 さてさて、売り出し締め切りの八月十五日に、天皇放送があって戦争は終わってしまう。勝札の抽籤ははたして行われたのであろうか。貧乏性ながら気になってならなかった。調べてみたら確かに、きちんとやられていた。敗戦後の八月二十五日に本店ではなく勧銀長野支店で。さりながら、十万円に当たった一等当選者のなかには不明のままの人もいたらしい。空襲で焼き殺されてしまったのか、と悪い想像をしている。

 宝くじを何べんも欲をだして買ってみたが、いっぺんもいい目をしたことがない私は、一等十万円はいまの額にするといくらぐらいになるか、余計なことが気になってならない。日銀の企業物価指数で計算すると、二千百万円ほどになるそうな。もっとも十年ほど前の計算であるが。

 とにかく勝札の名が象徴しているように、地図の上からは抹消され、そのころ空襲もなくなった東京には、勝利を信じてののどかな日々が訪れていたらしい。三月十日の空襲で焼けだされて、東京から新潟県に疎開していた私には存じないことであった。

 漫談家で随筆家の徳川夢声が七月二十二日の日記に浅草のことを書いている。

「他に何もなきこの興行街に、若き産業人たちが、地下鉄や都電を満員にしてやってくる。そしてガツガツと(映画や芝居を)二ツも三ツも見て行くのである。あわれふかき風景である」と。

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【歴史と戦争】


半藤一利著、幻冬舎、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
幕末・明治維新からの日本近代化の歩みは、戦争の歴史でもあった。日本民族は世界一優秀だという驕りのもと、無能・無責任なエリートが戦争につきすすみ、メディアはそれを煽り、国民は熱狂した。過ちを繰り返さないために、私たちは歴史に何を学ぶべきなのか。「コチコチの愛国者ほど国を害する者はいない」「戦争の恐ろしさの本質は、非人間的になっていることに気付かないことにある」「日本人は歴史に対する責任というものを持たない民族」-80冊以上の著作から厳選した半藤日本史のエッセンス。

<読む前の大使寸評>
おお 半藤日本史のエッセンスってか・・・
なるほど、既刊本からの短文を集めた構成になっています。

<図書館予約:(7/11予約、12/09受取)>

rakuten歴史と戦争


『歴史と戦争』2:西郷隆盛をどう見るか
『歴史と戦争』1:昭和十五年あたり

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【昭和史をどう生きたか】
半藤

半藤一利著、東京書籍、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
特攻に最後まで反対した指揮官の戦後。従容として孤島に身を殉じた将官からの手紙。空襲の空に凧を揚げていた少年。「阿部定事件」で中断した国会。反安保デモの終った夜…。史上例を見ない激動の時代に生きた人間たち、そして自分自身。「半藤昭和史」の対話篇、刊行なる。
【目次】
ふたつの戦場ミッドウェーと満洲ー澤地久枝/指揮官たちは戦後をどう生きたかー保阪正康/なぜ日本人は山本五十六を忘れないのかー戸高一成/天皇と決断ー加藤陽子/栗林忠道と硫黄島ー梯久美子/撤退と組織ー野中郁次郎/東京の戦争ー吉村昭/戦争と艶笑の昭和史ー丸谷才一/無責任論ー野坂昭如/幕末から昭和へ熱狂の時代にー宮部みゆき/清張さんと昭和史ー佐野洋/戦後六十年が問いかけるもの(辻井喬)

<読む前の大使寸評>
半藤さんの対談相手の12人が、なかなかのメンバーである。
かの今次大戦に対して、行け行けどんどんの人が含まれていない人選がいいではないか♪
rakuten昭和史をどう生きたか

昭和史をどう生きたか(その1):満州国の成立過程
昭和史をどう生きたか(その2):撤退と組織
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【そして、メディアは日本を戦争に導いた】


半藤一利, 保阪正康著、東洋経済新報社、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
軍部の圧力に屈したのではなく、部数拡大のため自ら戦争を煽った新聞。ひとりよがりな正義にとりつかれ、なだれをうって破局へ突き進んだ国民…。昭和の大転換期の真相を明らかにし、時代状況が驚くほど似てきた“現在”に警鐘を鳴らす。
【目次】
序章 いまなぜジャーナリズム論か/第1章 戦争報道と商業主義/第2章 テロと暴力賛美の歪み、その内側/第3章 国際社会との亀裂の広がり/第4章 国家の宣伝要員という役割/第5章 暴力とジャーナリズム/終章 現在への問いかけ

<読む前の大使寸評>
戦中派が語るジャーナリズム論だけに・・・苦渋の歴史が見えるようです。

rakutenそして、メディアは日本を戦争に導いた

『そして、メディアは日本を戦争に導いた』2:昭和初期の総合雑誌は啓蒙主義
『そして、メディアは日本を戦争に導いた』1:半藤さんの「40年周期説」
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【愛国者の条件】
愛国

半藤一利×戸高一成著、ダイヤモンド社、2006年刊

<「BOOK」データベース>より
教育が変われば、国も変わる。その覚悟はできているのか。日本人よ、気分に流されるな。「国のため」より立身出世、能力主義より官僚主義、国際感覚より「栄光ある孤立」、国民との約束よりも外圧…純粋な愛国心を歪め、国家を危うくするものの正体。
【目次】
巻頭対談 愛国心を教えることは可能なのか/第1章 愛国を論じる前に/第2章 「美しい国」づくりに必要なこと/第3章 日本海軍の人づくりに学ぶ/第4章 国家の命運を握る先見性/第5章 国家と軍が誤る時/第6章 なぜ昭和の海軍は破綻したのか/第7章 再軍備を語る前に知っておくべきこと/第8章 日本は歴史から何を学ぶか

<読む前の大使寸評>
この本の副題が「昭和の失策とナショナリズムの本質を問う」となっているように・・・
安倍さんの危うさを問う意味でも、時宜を得た本ではないかと思うわけです。

rakuten愛国者の条件

『愛国者の条件』2:海軍あって国家なし
『愛国者の条件』1:硬直した思考で計画された戦艦大和


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