『巨大ブラックホールの謎』3

<『巨大ブラックホールの謎』3>
図書館に予約していた『巨大ブラックホールの謎』という本を、待つこと1ヵ月ほどでゲットしたのです。

昨今の報道によれば、世界中の望遠鏡が組んでブラックホールの画像を捉えたようで、謎はかなり狭まったようですね♪
なお、著者は国際研究チームの日本側のチームリーダーを務めたとのことです。


【巨大ブラックホールの謎】


本間希樹著、講談社、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
 200年以上前にその存在が予言されながら、いまだ多くの謎に包まれており、厳密にはその存在すら確認されていない。一般相対性理論による理論的裏付けから1世紀、「ブラックホール」という命名から半世紀、人類はついに「黒い穴」を直接見る力を手に入れようとしている。最新望遠鏡が解き明かす、巨大ブラックホールの謎を第一人者が解説する。
【目次】
第1章 ブラックホールとは何か?/第2章 銀河の中心に潜む巨大な穴/第3章 200年前の驚くべき予言/第4章 巨大ブラックホール発見前夜/第5章 新しい目で宇宙を見るー電波天文学の誕生/第6章 ブラックホールの三種の神器/第7章 宇宙は巨大ブラックホールの動物園/第8章 巨大ブラックホールを探せ!/第9章 進む理解と深まる謎/第10章 いよいよ見える巨大ブラックホール

<読む前の大使寸評>
昨今の報道によれば、世界中の望遠鏡が組んでブラックホールの画像を捉えたようで、謎はかなり狭まったようですね♪
なお、著者は国際研究チームの日本側のチームリーダーを務めたとのことです。

<図書館予約:(5/18予約、6/22受取)>

rakuten巨大ブラックホールの謎


ブラックホール撮影の手段としての巨大望遠鏡VLBIが興味深いので、見てみましょう。
p161~165
■地球規模の巨大望遠鏡VLBI
 1970年前後に誕生し、巨大ブラックホール研究に大きな影響を与えたもう一つの観測技術が“VLBI”です。VLBIはこの本で後でも度々出てくる重要技術ですし、筆者の研究においても中心的な観測手法ですので、少し説明をしましょう。

 VLBIとは“Very Long Baseline Interferometry”の頭文字を取った略語で、日本語に直すと、「長超基線干渉法」となります。基線とは干渉計を構成する電波望遠鏡同士を結ぶ線です。これがとても長いものがVLBIで、数百キロメートルから数千キロメートルまでの長さを持ちます。まさに基線が「超長~い」干渉計で、地球規模の基線を用いることもあります。

 第5章で述べたように、望遠鏡の視力は波長が同じなら望遠鏡の口径に比例するので、基線長の長いVLBIは高い視力が得られます。実際、現代の天文学において、最も高い視力が得られるのが、VLBIの技法です。

 VLBI登場以前の電波干渉計では、電波望遠鏡の距離が比較的短く、望遠鏡同士はケーブルでつながれていて直接信号でやり取りしていました。しかし、VLBIになるとアンテナが異なる大陸にあったりもしますので、望遠鏡の間をケーブルで直接接続するのは無理です。そこで、それぞれのアンテナで独立にデータを記録し、後でデータを持ち寄って掛け合わせる作業を行ないます。これを「相関」を取るとか、「相関処理」をする、などと呼びます。

 このとき、遠く離れたアンテナで記録した天体からの電波が、いつ記録されたかを、きわめて精密に記録しておく必要があります。このため、VLBIの観測には非常に高安定な時計が必要になります。現在のVLBIの観測では水素メーザーという原子時計が主に使われていて、この時計は1秒間あたりのずれが10兆分の1秒という精密さで正しく時を刻みます。

■きわめて小さいクエーサーの中心部
 最初のVLBIの実験はカナダとアメリカでほぼ同じ時期に成功しました。1967年のことです。その数年後には、大陸間のVLBIも行なわれるようになり、分解能として1ミリ秒角程度が達成されました。1ミリ秒角というのは、1秒角の1000分の1の大きさになります。人間の視力に直すと、約6万という値になります。

 これを電波天文学の黎明期の視力と比較してみると、いかに激的に視力が向上したかがわかります。たとえば、リーバーが最初に作った電波地図では、視力が0.0014というものでした。その30年後にはVLBIの登場により、視力が約4000万倍も向上したことになります。

 VLBIの技術が確立されるとすぐ、電波で明るい活動銀河中心核が観測されました。すでに説明した3Cカタログの天体がここでも重要な観測対象です。すでに何度か登場した3C273や、比較的その近くにある、これもやはり明るい3C279という電波源が、初期のVLBIで観測された代表的な天体です。これらをVLBIで見ると、視力6万をもってしても分解することができない、非常にコンパクトな電波の中心核が観測されました。

 一番明るい部分は電波コアと呼ばれ、その大きさは1光年以下であることが分かります。このように非常に小さい電波コアが観測されたということは、ブラックホールのような天体がその中心にあるという説と合致します。これは、クエーサーの光度の変動時間からも期待されていたことですが、やはり直接的な画像として天体がたいへん小さいことを実証したという意味で、巨大ブラックホールにとって重要な観測結果になります。


『巨大ブラックホールの謎』2:事象の地平線
『巨大ブラックホールの謎』1:ブラックホールの撮影

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