『中国の風土と民居』5

<『中国の風土と民居』5>
図書館で『中国の風土と民居』という本を、手にしたのです。
中国の風土と言ったって、これだけ広大な地域であれば・・・
材料も工法も住み方も多様な民居が見られます。
カラー写真、画像も多数載っていてビジュアルなのが、ええでぇ♪



【中国の風土と民居】


北原安門著、里文出版、1998年刊

<「BOOK」データベース>より
広大な中国各地の風土に適合させながら生きる人たちによって作られた住いを、地理学者の眼でとらえ、愛情豊かな写真とともに検証したユニークな書。民居=皇居に対しての民衆の住い。
【目次】
北京/東北/華北/華中/華南/西南/北部内陸/新疆/青蔵 

<読む前の大使寸評>
中国の風土と言ったって、これだけ広大な地域であれば・・・
材料も工法も住み方も多様な民居が見られます。
カラー写真、画像も多数載っていてビジュアルなのが、ええでぇ♪

rakuten中国の風土と民居


後先になりましたが、著者が古民家への想いを「はじめに」で述べているので、見てみましょう。
p7~8
■はじめに
 私は長野県の山里に生まれました。そこは戸数40戸、かつて市が開かれたので四日市場という集落の、その集落より少し離れた街道沿いにある一軒屋が我が家です。

 家は140年経た木造建築です。屋根は現在はトタン葺きですが、子どもの頃は栗の木の板葺きで、その上に石が置いてありました。切妻の平入り、戸口を入ると土間を挟んで左側に厩とはたや、右側に19畳敷き、大きな囲炉裏と板の間のついた居間と、それを取り囲んで五部屋。居間との境は漆塗りの板戸、土間から居間への上がり端のところに直径一尺以上ある大黒柱。この母屋の左奥に白壁の土蔵があります。

 それらの材料は、もとはすべて近くで得られるものでした。材木は周囲の山から切りだし、白壁もまた、付近で産出する石灰岩を使ったのです。

 この家には、わが一族の歴史が刻まれています。土間と厩の上には蚕室用の中ニ階、はたやの地下には桑の貯蔵所がありますが、これは明治時代中ごろから養蚕が盛んになって付け加えられたものです。生業の変化などによって改造されてきたのです。また、新座敷と呼ばれている二階建ての一棟と隠居屋、土蔵なども加わりました。

 この家に帰れば、私の気持ちは落ち着き、休まります。障子紙一枚で外気を遮り、冬は大きな囲炉裏で一日中薪を燃やし続けるという古びた家ですが、住みにくさなんて感じません。むしろ何か人間的なぬくもりさえ感じます。我が家にかぎらず、民家にはその土地に生きてきた人びとの心が伝えられているように感じられるのです。

 ところで、私は地理学とともに生きてきました。民家を見るときは、どうしても風土との関わりを主としています。民家が風土とどんな関係をもっているのか。できるかぎり現地に赴いて、観察することにしてきました。

 中国には1976年冬に訪れて以来、20回おもむいています。ただし、同じ地域を何回も訪ねたわけではなく、また、長期間中国で生活したことはありません。民家探訪をかならずしも旅行の主目的としてきたわけでもありません。しかし、初めて中国を訪れたときに目に飛び込んできた民家のたたずまいをはじめ、民家の印象は旅行のたびに強く残っています。

 中国では民家を民居といいます。中国では国土が広大ですから、自然環境は複雑多様です。また、建築材料も地方によって異なることから、さまざまな形式の民居が生まれました。さらに多民族国家であるので、それぞれ生活・習俗が異なり、それが民居にも反映されています。

 南に北に、東から西へ旅するたびに、列車の、またバスの車窓から村や町の民居が目に飛び込んできます。そうした民居が、あるいは日本とよく似た風景の中に、あるいは日本にはない砂漠や高原の中にたたずみ、その土地の風土や文化について、何よりも多くのことを私に語りかけてくれるのです。

 しかし、伝統的な民居が少なくなっていることは、日本と同様です。中国では社会主義改革の波が農村部に押し寄せ、1980年代には全農家の約40パーセントに当る8千6百万戸が新居になりました。現在では、住宅の多くがレンガかコンクリート造りになっています。私の20年間の中国訪問の折々に観た民居は、もうあまり残っていないかもしれません。それだけに、残された民居は貴重な文化財でもあります。


『中国の風土と民居』4:長江デルタ地域
『中国の風土と民居』3:黄土高原の窰洞(ヤオトン)
『中国の風土と民居』2:ホータンやトルファンの民居
『中国の風土と民居』1:北京の民居

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック