映画美術3-R2

<映画美術3-R2>
映画美術とか、アニメとか、SF画像とか集めてみました。

新海誠

・東宝特殊美術部の仕事
・山本二三 風景を描く
・スター・ウォーズ/フォースの覚醒
・韓国映画の美術レベルは高い
・伝説の映画美術監督たち×種田陽平
・プロダクションデザイナーとは、何やねん?

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映画美術2>目次
・ベイマックスに危機感
・伝説の映画美術監督たち×種田陽平
・新海誠アートワークス
・3Dで「プロメテウス」を観た
・ギリアム監督の絵コンテがええでぇ♪

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映画美術1>目次
・HR・ギーガーARh+
・見る人を「嘘の街」に誘う
・メビウスつながりで「ブレードランナー」を読む
・映画美術といえばシド・ミード
・ハリボテのテーマパーク
・エイリアンの宇宙船
・新海誠の空
・『カフカ 田舎医者』・・・・解らん。
・エイリアンが帰ってくる
・エイリアン・アンソロジー
・フラガールとアリエッティ、そしてセデックバレ
・「トロッコ」に触発されて、司馬さんの「台湾紀行」を
・「鉄コン筋クリート」
・凡百のSF映画を見にいくよりも
・娘を化十(ばけじゅう)と呼ぶ
・加藤直之の画像
・スカイクロラ

アカデミー視覚効果賞受賞リスト
美術監督協会
SF映画データバンク
男鹿和雄の作品ギャラリー
Coming Soonプロメテウス
R2:『東宝特殊美術部の仕事』を追加


<『東宝特殊美術部の仕事』1>
図書館で『東宝特殊美術部の仕事』という大型本を、手にしたのです。
表紙には、ゴジラの画像、ゼロ戦の画像が出ていて、中を覗くと・・・
模型少年(?)が成人し、かなり楽しそうに働く様が記録されております♪


【東宝特殊美術部の仕事】


ににたかし著、新紀元社、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
かつて東宝映像美術にあり、東宝特撮映画を支えた特殊美術部。「特美」と通称されたその部署へ、1972年に入った著者が撮影した作業記録写真を一挙公開。筆者だけでなく、先輩同僚の仕事を著者撮影の写真をもとに描き出す東宝メカ写真資料集です。映画雑誌などではあまり取り上げられることのない戦争映画やパニック映画など、SFもの以外の写真、テレビやCF用に製作された「作り物」は必見です!!

<読む前の大使寸評>
表紙には、ゴジラの画像、ゼロ戦の画像が出ていて、中を覗くと・・・
模型少年(?)が成人し、かなり楽しそうに働く様が記録されております♪

なお、特殊美術部は1998(平成10)年7月に廃部になったとのことです。

rakuten東宝特殊美術部の仕事


『東宝特殊美術部の仕事』2:<連合艦隊>
『東宝特殊美術部の仕事』1:<はじめに:ににたかし>


<『山本二三 風景を描く』>
図書館で『山本二三 風景を描く』という本を、手にしたのです。
風景描写のテクニックってか・・・
若きアニメーター向けのハウツー本であるが、その意に介せず借りるところが、大使のアホなところでおます。

アニメーション美術が語られているので、見てみましょう。
p108~109
<物語世界を感じさせる、豊かな表現力を磨く>
 
「火垂るの墓」疎開先

 アニメーションの美術に求められる大きな資質の一つに、“なんでも描けなければならない”幅広い表現力がある。例えば、背景と言ってもただ自然の情景や都会の街並みを描いていればよいというものではない。そこには多様な建物の外観や登場人物たちの身の回りにあふれる小物、さらにはさまざまな生活雑貨にいたるまで、それこそ物語世界を構成するあらゆる対象が含まれる。

 さらに描かれる時代や空間もまた現代を超えた過去から未来、遠い宇宙の果てまで、人間の想像力が及ぶあらゆる領域にわたってくる。

 また、アニメーションの背景は「画面」という一つの「絵」を構築する重要な要素であり、そのためには各画面を象徴する情感(それは時間帯や寒さ暑さといった空気感、さらには恐怖感などのような場面もあるだろう)や、ときには劇中の人物が抱く感情をも表現する力が求められるのである。

 もし仮に好きな風景を描くだけでよいのなら、こうした表現の苦労は必要ないだろう。だが、見方を変えれば、思いがけないモチーフを描くことは、新たな表現と出会う飛躍のチャンスにつながるはずだ。しかも、情感をも表現する力が身につくことで、たんなる風景描写にとどまらない、豊かな表現の可能性が拓けることだろう。


【山本二三 風景を描く】


山本二三著、美術出版社、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」「時をかける少女」。アニメーションの背景美術に革命を起こした画家・山本二三が、あらゆるモチーフの描き方を解説。

<読む前の大使寸評>
風景描写のテクニックってか・・・
若きアニメーター向けのハウツー本であるが、その意に介せず借りるところが、大使のアホなところでおます。

rakuten山本二三 風景を描く


ウン 山本二三さんが築きあげた背景画の伝統は、新海誠に引き継がれ、今では中国人アニメーターにまで、その領域を広げているようです。

もう1枚、おまけだ♪





<スター・ウォーズ/フォースの覚醒>
アメリカの映画は極力観ないように努めている大使であるが・・・
『スター・ウォーズ』は別である。
久々の『スター・ウォーズ』新作が掛ったが、観る前から頭の中ではテーマ音楽が渦巻いていたわけで、スタンバイOKでおま♪

この作品は、2~4D、字幕or吹替えの色んな観方が選べるので、アナログ老人としては2D字幕が希望なのだが…
2Dは夜間のみのまま子扱いなんで、仕方なく3D字幕を選んだのです(3Dは300円アップ…怒)

…くだんの鑑賞フォームを、disneyバージョンで作ってみました。

【スター・ウォーズ/フォースの覚醒】
スターウォーズ

J.J.エイブラムス監督、2015年米制作、2016.1.07鑑賞

<公式サイトINTRODUCTION >より
映画を超えた史上空前のエンターテイメント『スター・ウォーズ』、その新たなる3部作の第一弾。

ジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグ―ハリウッドが生んだ偉大なる巨星たちの才能を継ぐ、J.J.エイブラムスの「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」がベールを脱ぐ。はるか彼方の銀河系で繰り広げられる、家族の愛と喪失の壮大な物語。その歴史は、新たなるヒロイン、新たなる仲間たちによって、≪新たなる3部作≫として、真新しい1ページを開く。
家族を知らず砂漠の惑星で孤独に生きるヒロイン、レイの運命が、新型ドロイドのBB-8、戦うことに疑問を抱く兵士フィン、そして、フォースの暗黒面の担い手、カイロ・レンらと交わる時、銀河の命運を賭けた戦いの渦中へと導かれる。

果たして、真のフォースに目覚める者は、誰か…?その行く末を今、世界は固唾を飲んで待っている。
──その時あなたは、新たなる伝説の目撃者となる。

<大使寸評>
思いがけなく、年老いたハン・ソロとチューバッカが登場するシーンでは、危うく拍手しそうな大使であった♪
(日本の観客はそんなはしたない真似はしないのです)

それから、年代モノの宇宙船ファルコンが健在なのが…ええでぇ♪

新たなる3部作というフレコミなんで、少なくとも、あと2作予定されているのが嬉しい。

disney『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公式サイト


大使のこだわりは、どうしても美術…更に言えばCG・VFXの本物らしさになるわけです。
砂漠に落ちた宇宙船の巨大さとか、酒場にたむろするちょっと愉快な宇宙人に目が行くのです。

この映画を観る前に、NHK番組『ハリウッド 映像王国の挑戦』を見たのだが・・・
日本人VFXスタッフの行弘進さんという人、「金を払ってでもいいから、VFXの仕事をさせてくれ」と言って入社したそうです。

『スター・ウォーズ』を作った映像スタジオにNHKが潜入より
CG

 人気映画シリーズの10年ぶりの新作として話題の映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(公開中)。米国ではすでに『タイタニック』を超え、『アバター』にも迫る勢いで大ヒットを飛ばしており、日本を含む全世界で莫大な興行収入を稼ぎ出している。普遍的なテーマやキャラクターの魅力を最大限引き出してきたのが、特撮スタジオ「ILM(インダストリアル・ライト・アンド・マジック)」の技術力だ。NHKでは、この映画製作の舞台裏を探るべく、ILMに独占取材を敢行。『ハリウッド 映像王国の挑戦~“スター・ウォーズ”とILMの40年~』と題した番組が、あす5日(後8:00~8 :43)にNHK総合で放送される。

 ILMは40年前、ジョージ・ルーカス氏が『スター・ウォーズ』(1作目、後に『エピソード4/新たなる希望』とサブタイトルが付いた)を制作するために設立したスタジオ。これまでに『E.T.』や『ジュラシックパーク』などの世界的大ヒット作を生み出し、獲得したアカデミー賞は44個。ハリウッドの映像技術革新をけん引する存在だ。

 今回、世界で唯一、スタジオに入ることが許されたNHKのカメラがとらえたのは、観客を魅了するリアルな映像を生み出すため、公開ギリギリまで格闘を続ける技術者たちの姿。番組では、ILMが誇る最新の映像技術や、40年の間に成しとげた数々の技術革新、そして最新作で重要な役割を担った日本人アーティストの行弘進さんも紹介する。


かつて、ジョージ・ルーカスは黒澤作品に憧れたようだが、めぐりめぐって、その後の日本人は『スター・ウォーズ』の美術に憧れるようですね♪



<韓国映画の美術レベルは高い>
先日、「国際市場で逢いましょう」を観たのだが、韓国映画の美術レベルは高いと思ったのです。

【国際市場で逢いましょう】
国際

ユン・ジェギュン監督、2014年、韓国制作、H27.10.4観賞

<Movie Walker作品情報>より
朝鮮戦争やベトナム戦争に巻き込まれながら、激動の時代をただ家族のために必死に生き抜いた一人の男の生涯を描く大河ドラマ。監督は「TSUNAMI ツナミ」のユン・ジェギュン。出演は「新しき世界」のファン・ジョンミン、「ハーモニー 心をつなぐ歌」のキム・ユンジン、「パパロッティ」のオ・ダルス、「王の男」のチョン・ジニョン、「チング 永遠の絆」のチャン・ヨンナム、「ソウォン 願い」のラ・ミラン、東方神起のユンホ。2015年3月6日より開催の「第10回大阪アジアン映画祭」のクロージング・セレモニーとして上映。

<大使寸評>
鉱夫としてドイツまで出稼ぎ、ベトナム戦争の輸送業務で得た金で家を建て、雑貨店を買い取るドクス(ファン・ジョンミン)は明るくふるまうが・・・わりと底辺の肉体労働で働いてきたわけです。
老境にさしかかり、ようやく父の遺志をまっとうしたと納得するドクスであった。

韓国の現代史を網羅したようなこの映画では、釜山の街の変遷がセットで再現されています。時代考証もしっかりしているようです。
また、朝鮮戦争の興南撤収作戦の輸送船や逃げまどう群衆のシーンは迫力があり、これだけエキストラを使ったシーンは、日本映画よりも素晴らしいのではないかと思った次第です。

日本でも戦後のノスタルジーを誘う作品として『ALWAYS 三丁目の夕日』がヒットしましたね。
この映画は1950年代から現在に至るまでを描いていて、盛りだくさんで駆け足という印象もあるが・・・
ドイツやベトナムでの海外ロケもあり、かなり制作費もつぎ込んでいるようです。
いずれにしても、美術レベルを知る意味でも、現代の韓国を知る意味でも興味深い作品でした。

Movie Walker国際市場で逢いましょう
公式サイト




<伝説の映画美術監督たち×種田陽平>
図書館で『伝説の映画美術監督たち×種田陽平』という本を手にしたが・・・・
この本に『トラ・トラ・トラ!』の黒澤監督降板劇の真相が載っていて、興味深々でんがな♪


【伝説の映画美術監督たち×種田陽平】
種田

種田陽平著、スペースシャワーネットワーク、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
映画監督・種田陽平が聞く13人の映画美術の巨匠たち。
【目次】
木村威夫/横尾嘉良/間野重雄/水谷浩/西岡善信/朝倉摂/池谷仙克/竹中和雄/井川徳道/森田郷平/村木与四郎/ワダエミ/ダンテ・フェレッティ

<大使寸評>
村木与四郎さんとの対談で、『トラ・トラ・トラ!』の黒澤監督降板劇の真相が出てくるのだが・・・・
日米の交渉スタッフが映画作りの部外者だったので、黒澤監督がおかんむりだったようですね。

ところで、読書カードを見てみると、この本を借りるのは2度目であることが分かりました。(認知症気味かも)

rakuten伝説の映画美術監督たち×種田陽平


『トラ・トラ・トラ!』の黒澤監督降板劇の真相あたりです。
p177~180
 06年6月に行われた対談に際し、村木は当時刊行されたばかりの「黒澤明vsハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて」(田草川弘著)を用意して種田を待っていた。この本は60年代後半、黒澤明が20世紀フォックス資本で撮るはずだった映画『トラ・トラ・トラ!』の監督降板劇の真相を探ったものである。

村木:この本は、日本側に関しては事実と違う記述も見受けられるけど、20世紀フォックス側のデータはよく調べてある。これを読むと、日本側のプロジューサーだった青柳哲郎がおかしなことを言っているのがよく分かります。要するに、それまで1回も映画の現場で揉まれたことのないスタッフが、英語ができるだけで重要な交渉の場に立ってしまったから話がこんがらがっちゃった。クロさんも思い込みが強いから、脚本は全部自分で書いて、その通りに撮れると思っていた。

種田:最近でこそハリウッドとのやり方が日本側も分かってきたけれど、当時の考え方のギャップがあまりにも大きかったんでしょうね。

村木:間違いの種は、フォックス側が何かにつけてクロさんに安請け合いしたこと、例えば向こうは一度、零戦が奇襲するハワイ島・真珠湾のミニチュア模型を、日本のスクリーンの3倍の大きさで作れると言ったんだ。ところがしばらくして、「そこまでサイズが大きいと、ライティングの光量が足りなくてピントが合わない」と言い出した。要はアメリカ側も映画を知らない人間が交渉の場に立っているから、できるできないの判断が付かず、それが現場に降りてきて揉めてしまう。

種田:黒澤監督は『トラ・トラ・トラ!』の前、66年にアメリカのエンバシー・ピクチャーで「Ranaway Train」を撮ることになっていましたが、このときはどうだったんですか?

村木:『暴走機関車』は機関士が心臓発作を起こし、機関車が逆方向に暴走する話だけれど、この際もアメリカ側は鉄道の運行を止め撮影すると言っていたんです。逆走し始めた機関車と、それを知らずに進行してきた機関車がぶつかる直前ですれ違うシーンも、実物を動かして撮ろうと、今考えればそんな危険な撮影、許可なんて下りるわけないんだけど。クロさんは始末に負えないほど人が好くてね。出来ると言われるとすぐに信じちゃうんです。うまく行くと批評家は「凄い」と褒めるけど、そうじゃないときは『トラ・トラ・トラ!』になってしまう。

種田:例えば『羅生門』(50)では黒澤さんのビジョンがうまく映像化したわけですが、その違いは何なのでしょう?

村木:敗戦直後の東宝争議で、クロさんは山本嘉次郎さん、成瀬(巳喜男)さん、谷口千吉さんと東宝を退社して「映画芸術協会」を設立するでしょう。それで49年、大映に赴いて『静かなる決闘』を撮るんだけど、大映の方も監督の扱い方が分かって、次の『羅生門』では永田雅一社長を始めスタッフがうまくクロさんを乗せた。

種田:セットが大きくなるのは、静岡の御殿場で撮るようになってからですか?

村木:御殿場は、ロケ先で野次馬に騒がれるようになったのも大きい。だったら人が簡単には来られらない場所にセットを組もうという発想になった。ただ、『七人の侍』の頃からすでに、セットが大規模になる傾向があって、1年以上の制作期間中、3回ぐらい途中で撮影がストップしたんだけど。

種田:むしろ3度止まっても完成できたのが凄いなと。

村木:クロさんは狙って撮影を途中で止めるんですよ。一番いい場面のチャンバラの手前で撮影を止めて、そこまでのラッシュ映像を製作陣に見せる。そうすると話は面白いし、「もうちょっとで終わりだから・・・」と製作側もお金を出す。そしたら、より大きく作り直しちゃう。

種田:でも、そのスケールの大きさが黒澤さんの持ち味なんですよね。例えば『羅生門』にしたって、脚本に具体的説明はなく、ただ一言「門」とあるだけ。それが映画になると、巨大なモニュメントのようにそびえ立っています。村木さんが手掛けた『隠し砦の三悪人』(58)の石段にしても、日本映画では見たことがないほどのスケール感ですよね。

村木:『隠し砦』の石段は、他の作品よりは小さいですよ(笑)。まあ、僕はいつも一回り大きく作るからね。

種田:それはなぜですか?

村木:そうしないと、クロさんから必ず何か言われて癪だからね。ただ、本当を言うと僕は脚本に合わせて作るのが上手いんだ。東宝でも最も安い美術製作費で作られた『小象物語 地上に降りた天使』(86)も僕、あの映画は夜の話ですから、さすがに象舎だけは作りましたが、あとは撮影所内の建物に金網なんかをあしらって檻っぽく見せた。

種田:なるほど、村木さんの場合は小さく安くもできるけれど、黒澤作品に限っては一回り大きくなっちゃうと(笑)。

村木:そういう意味では、僕のやっていることは大体インチキなんです。『夢』(90)では珍しく、クロさんが幼少期を過ごしたという本郷近くの家の門を本物らしく再現したら、「僕のうちの門は近所でも有名なくらい大きかった」とくる(笑)。そういう人なんだよ。だから、『椿三十郎』では部屋の隅っこに茶室を作った。その手前の庭に椿の木を置いて、それを一番端から望遠で撮ると、とても奥行きが出るからね。

種田:普通の日本人が見ている風景よりも大きい世界観は、黒澤さんの肉体の大きさの反映ですか?それとも村木さんの志向性?

(中略)
村木:結局、映画美術なんて、現実の借り物である映画のさらに借り物だからね。借り物だけが独立して、大きく発展するなんてありえない。大きい企画を生み出すプロジューサーが現れないと、次世代のクロさんは生まれないんじゃないかね。僕はそう、思いますね。




<プロダクションデザイナーとは、何やねん?2>
図書館で『映画美術から学ぶ「世界」のつくり方』という本を手にしたが・・・
どうも美術監督のことを、今ではプロダクションデザイナーと言うようですね。
 70年代からは、美術監督という名称はプロダクションデザイナーに代わり、それにともない以前の美術監督助手が美術監督になったそうです。(もうひとつピンとこないが)

プロダクションデザイナーとは、何やねん?
百聞は一見に如かず、『SAYURI』のセットを見てみましょう。

<古きハリウッドスタイルを踏襲する:ジョン・マイヤー>よりp204~205
 『SAYURI』(05)は当初、京都でロケをする予定だったが、その地は関係者の手で保護させていたので、撮影許可が下りるのが難しかった。
 マイヤーは5週間にわたり京都をロケハンしたが、最終的にはこの歴史溢れる京都の街の代わりに、ロサンゼルス近郊にあるサウザンドオークスでの撮影を決めた。結果的にその判断は正しかったとマイヤーは述懐した。
 
 もし、京都で撮影許可が下りたとしても、サウザンドオークスで撮影したほうがよかった。京都の街を歩けば分かるが、歴史的なたたずまいの背景に近代的なビルが見えてしまう。やはり、京都で撮影するには無理があった。私は古き良き時代のハリウッド映画の大ファンであり、私たちは根本的に300×300フィート、つまりフットボール場の2倍の広さを持つ場所にセットを建て込んだ。

 そのなかには、150フィート(約45m)もある循環式の川を作り、桜の木を植え、街の一端から優雅に街全体に溢れさせた。木々は季節によって高くも低くもなる。私たちはそれらを用意した。
(中略)

 これらの作業はハリウッドで仕事をするすべての技術者たちが、今までに行ってきた方法である。私たちは山に囲まれ、川の流れる低地であるサウザンオークスの景観を利用した。撮影用地にセットを建て込んだので、普段は付き合いのある木材加工店、金属加工店、塗装屋、彫刻屋、左官屋、鋳造工場などが必要なかった。現場にいる2~3名の作業責任者が、日本の感覚をもたらしたなんて、観客には分からないはずだ。さらに手作りの障子の美しさには、目を奪われたと思う。障子の材料は現地から車で3時間もある場所に存在していたシーダー木を伐採し、製材した。

(中略)
 苦労の甲斐あって、障子はとても存在感があったと自負している。橋を通り抜けずに曲がった道を行くと最終的にこの街の端まで歩くのに5分はかかるのだ。すごいと思わないか?


2007年に『SAYURI』を観て、そのセットが印象に残っているのだが・・・
後追いでくだんの鑑賞フォームを作ってみました。


【SAYURI】
サユリ

ロブ・マーシャル監督、2005年米制作、2007年観賞

<Movie Walker 作品情報>より
「シカゴ」のロブ・マーシャル監督がアジアの豪華俳優を迎え、アーサー・ゴールデンの小説を映画化。ひとつの愛を支えに、花街一の芸者となった女性の数奇な運命を描く。


<大使寸評>
「SAYURI」を観るまえには、ハリウッドの日本認識はどんなんかなー?
・・・というさめた期待で見に行った映画でした。

近代の日本を中国人の主演女優、オール英語で描いた「サユリ」でしたが・・・・・
見比べてみると、オール日本人、オール日本語の「硫黄島からの手紙」の素晴らしさが際立ってしまいます。(脚本は英語で練り、あとで全て和訳したそうですね)

ミヤコという駅名などおかしな所もあったりしたけど・・・
戦前から戦後にかけての時代考証は概ね良くできているし、セットで組んだ先斗町もなかなかのもので、特に大相撲や敗戦直後の町のセットなどの考証がよかったですね。 

そして、日本大好きスピルバーグが製作に名を連ねているからには・・・・
接客業のプロとしての芸者をそれなりに描いては、いたようです。

しかしねー
芸者の舞い(ダンスというべきか?)で扇子をクルクル回したり、サユリに水色のコンタクトを付けたりで、なんか没入できないところがあるんですね。
主演女優と助演女優は中国人であり・・・なんで中国人が?と思わないでもないが、英語をうまくしゃべる日本人の役者が少ないのでしょう。

工藤夕貴は完璧な英語をしゃべるだけでなく、おっちょこちょいの演技をさせたら(地なのか?)グーですね。
・・・ということで、工藤夕貴のオカボとかっこいい謙さんが観られたことで、なんとか得心した映画でした。

Movie WalkerSAYURI




【映画美術から学ぶ「世界」のつくり方】
映画美術

フィオヌラ・ハリガン著、フィルムアート社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
現代を代表する傑作映画を、美術デザインの視点から解き明かす!あの名作映画の“未公開”セットデザイン画、コンセプト・アートワーク、傑作写真を多数掲載!

<読む前の大使寸評>
現役プロダクションデザイナー21人が登場するが、日本からただひとり種田陽平が紹介されています。

rakuten映画美術から学ぶ「世界」のつくり方


プロダクションデザイナーとは、何やねん?1

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