『日本人はどう住まうべきか?』3

<『日本人はどう住まうべきか?』3>
図書館で『日本人はどう住まうべきか?』という本を手にしたのです。
おお 養老さんと隈さんが、ニッポンの住宅を語り合った本ではないか♪
住宅政策や住宅広告の裏まで突き通してばらしてしまうような内容ではないかと、期待するのです。

ところで、隈さんは今年春の褒章があったようですね…おめでとうございます。
とにかく、石川さゆりとともにニュースとなっているので、たいしたもんやでぇ♪


【日本人はどう住まうべきか?】


養老孟司, 隈研吾著、日経BP社、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。
【目次】
第1章 「だましだまし」の知恵/第2章 原理主義に行かない勇気/第3章 「ともだおれ」の思想/第4章 適応力と笑いのワザ/第5章 経済観念という合理性/第6章 参勤交代のスヽメ

<読む前の大使寸評>
おお 養老さんと隈さんが、ニッポンの住宅を語り合った本ではないか♪
住宅政策や住宅広告の裏まで突き通してばらしてしまうような内容ではないかと、期待するのです。

rakuten日本人はどう住まうべきか?



第4章「適応力と笑いのワザ」の知恵を見てましょう。
p115~119
<「最貧国」が世界の最先端になる>
隈:ラオスやブータンは、石油が高騰しても、何のダメージもないんですね。

養老:ラオスは明らかに、まったくダメージを受けない国の一つです。しかも完全に持続可能な生活をしています。僕がいた村は、鎌倉市内で言えば滑川程度の川が村の真ん中にあって、そこに小さな発電機を付けているの。それで20ワットぐらいの電灯で暮らしているんです。ちょうど戦後の俺たちみたいなものですよ。あれなら石油がピークアウトしようが、ゼロになろうが一切平気だよ。自転車をこいでも発電できるから。

隈:でも、ほとんどの日本人にとって、電気が思う存分使えないとか、ガソリンがなくて車に乗れないとかいう状況は、想像したくないことでしょう。

養老:そう、想像したくない、というのが本音です。それは政府も同じなんじゃないだろうか。だから「これから世界はスタグフレーションの時代に突入します」ということは、僕も言いたくないんだけど。だってカッサンドラーの予言だからさ。建築だって影響は相当大きいですよね。

隈:そもそも日本の建設業は、今までの形ではもう成立しないと僕は思っていますから。

養老:猛烈な勢いで淘汰が起こることになりますか。

隈:学生には、中国とかインドネシアとかに飛び出して仕事をしろよ、と言っています。建設業界、建築デザイナー双方にとっても、途上国にしか可能性はない。

養老:歯科医学会でも、10年ぐらい前から、日本は歯医者を中国に輸出すると言っていますよ。歯医者も過当競争で大変ですから。

隈:石油がピークアウトすれば、住み方、食べ方など、いろいろなことが否応なしに変わるんだろうなと思いますね。

養老:変わるよ。でも、政府がやっていた省エネのキャンペーンなんか、意味がないと思いましたね。ああいうキャンペーンに国は費用を投じていたけれど、ガソリンが上がったら、みんながあっという間に省エネに転換したじゃないですか。そりゃそうですよ。灯を煌煌とさせながらのイカ釣り漁はできなくなるし、マグロは価格が20%も上がる。資源保護だなんて声高に言わなくても、燃料費を上げたら即、社会が変わります。

隈:その意味で、われわれは本当に石油文明に生きているんですね。

養老:隈さんは車に乗れなくなったり、ビルを建てられなくなったりする時代に、個人的に耐えられますか。

隈:全然、大丈夫です。僕はエコ型、平気です。

養老:建築の世界では、今、半端仕事だと言われているものが、儲かるようになると思うな。とにかくみんな、家は「だましだまし」使っていかなきゃいけなくなるから、あちこち改修する必要が出てきますよ。

 でも、今、半端仕事をこなせる大工は少なくなっているでしょう。だって、プレハブで家をポンと建てることが仕事だと思っているから。でも冗談じゃない。元のやり方に戻っていきますよ。そうなると、プレハブってえらく不便じゃないのかね。手入れがしにくくて。

隈:プレハブはもう大変です。だって100年工法とか200年工法とか言われても、その価値は100年なんか持たないもので、朽ち果てるだけですから(笑)。100年後には誰も住みたくないデザインのくせに、材料だけは200年持つということは、解体にお金がかかるだけ。手に負えません。第一、100年って、言った当人も、買った当人も、誰も生きていないですよ。

養老:2050年に炭酸ガスを60%削減します、っていうのと同じだよな(笑)。あれ、福田康夫が言っていたとき、そんな時代に生きているわけないよと思って、笑いながら聞いていたもの。

隈:生きているどころか、そう言ったすぐ後に当の本人がさっさと総理大臣を辞めちゃいましたね。

養老:藤森照信さんに聞いたんだけど、プレハブ住宅って40%が宣伝費なんだってね。それってダイコンを1本100円で買うと、生産者に渡るお金が10円で、90円は全部中間に回るというのと同じような話ですよ。それが現代社会というものです。

 こういう状況を可能にしているのが、安い原油だと僕は思っています。建築業界は典型だと思いますが、とにかく運ばなきゃ成立しない商売は、流通コストが高くつく時代が来たときに、一体どうなるんでしょうね。

隈:建築業界は、実は流通ビジネスそのものになってしまっているから、それはエラいことになりますよ。

養老:流通業は、コンビニも、宅配便も、オイルショックを脱した後にできた商売なんです。次にオイルショックのような国際的な経済危機が訪れたら、それらがどうなるか分からないですね。それ以前に、東日本大震災でみんな肌身に染みたけど、流通依存というのは現代社会のもろさそのものですよ。流通ってそれほど難しい問題だもの。第2章でも言った中国の米の配分問題について考えるだけでも、その難しさが分かりますよね。

 僕たちがいるようなこんな都市は、石油が切れてきたら維持できません。まず真っ先に物流問題が起きるもの。

隈:ビルの中そのものが電気仕掛けですしね。

政府主導の省エネとか、住宅ローン「フラット35」と銀行との絡みなんかが怪しいわけで・・・・何も信じられない老人たちはタンス預金にはしるのでしょう。

『日本人はどう住まうべきか?』2:津波はノーマークだった建築業界p12~16
『日本人はどう住まうべきか?』1:家の「私有」から病いが始まるp98~101


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