『タンタンの冒険 その夢と現実』4

<『タンタンの冒険 その夢と現実』4>
図書館で『タンタンの冒険 その夢と現実』という大型本を手にしたのです。
ぱらぱらとめくると、漫画の画面とそのシーンの元になった写真が載っているし・・・
なにより丁寧な解説に好感を持つわけでおます♪


【タンタンの冒険 その夢と現実】

マイクル・ファー著、ムーランサール ジャパン、2002年刊

<商品の説明>より
本書では「タンタン、ソビエトへ」から未完成の最後の物語「タンタンとアルファアート」までの物語を 順に解説しています。 現実世界を想像の世界に取り込んだエルジェのクリエイティビティ、 完璧なものへの彼の追求など、エルジェの創作のすべてを語っています。 慎重なリサーチが もたらす各ストーリーの詳細の正確さは、エルジェの作品の大きな特長です。 実際にエルジェが参考にした資料写真とその反映されたシーンを対比させながら 解説されているので、より深く「タンタンの冒険」の世界を知る事が出来ます。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくると、漫画の画面とそのシーンの元になった写真が載っているし・・・
なにより丁寧な解説に好感を持つわけでおます♪

amazonタンタンの冒険 その夢と現実




砂漠テーマで更にもう一つ、「紅海のサメ」を、見てみましょう。

<紅海のサメ>p150~152
ネストルはムーランサール城でアブダラーに手を焼き、タンタンと船長は武器密売と奴隷貿易を探ってアラブ世界へ・・・
「タンタン・マガジン」に1956年10月末に連載が始まった新しい冒険は、これまでの物語を回顧するような内容だ。「タンタン一家」に不可欠の主要メンバーはもちろん、ほかにもおなじみのキャラクターたち(その多くは悪役だが)がここにつどっているのがわかるだろう。まるでエルジェは、バルザックの長篇「人間喜劇」をなぞっているみたいだ。

 エルジェと同時代のイギリスの作家アンソニー・パウウェルは、全12巻に及ぶ長篇小説「時代の音楽と踊る」を、タンタン・シリーズに重なる1951年から75年にかけて書いたが、そこにも同じキャラクターたちが何度も出ている。

 それはタンタン・シリーズを互いに結びつけ、読者を惹きつけるすばらしく魅力的な手法だ。どの物語もそれぞれに完結しており、別に発表順に読まなくてもかまわないのだがおなじみの、キャラクターたちの登場で関連づけられ、連続性も生まれている。
(中略)

■またしても一族再会!
「紅海のサメ」にはおなじみさんがどっさり登場するが、新人はひとり、エストニア人のパイロット、チェツ氏である。彼は1958年に出た単行本の表紙をタンタンとハドック船長とともに飾っているが、後に「シドニー行き714便」にも再登場する。タンタン最初のアラビア行きは25年ほども前の「ファラオの葉巻」だったが、またしてもここに戻ってきたのだから、相性がいいのだろう。

 「月世界探検」と「ビーカー教授事件」とをはさんで、この物語はある意味で「燃える水の国」の続編だということも出来そうだ。ムーランサール城での生活をメチャメチャにするアブダラー坊やから逃れて、タンタンと船長は中東へ行く。

 アブダラーを溺愛する父ベン・カリシェ・エザブは、その首長国を旧敵バブエルエルに奪われてしまった。旧敵の軍事顧問は「黒い島のひみつ」の悪役ドクター・ミュラーで、ここではムル・パシャの名で現れる。

 オリベイラ・ダ・フィゲイラが親切なもてなしぶりを示し、カスタフィオーレ夫人がハドック船長にまた会っても、驚くにはあたらない。でも、上海の共同租界の前警察署長、堕落したドースンの登場は何年ぶりのことか、まったくの驚きだ。タンタンの宿敵、不死身のラスタポプロスも、ゴルゴンゾラ公爵の名で「青い蓮」以来の登場だ。
(中略)

■奴隷貿易の秘密
 この出だしが冒険の流れを決める。いかがわしい武器売買、中東のクーデター、メッカへ行き来する現代の奴隷貿易・・・。タンタンたちはそれをあばこうとする。フランス語原題の「コークスを乗せて」(Coke en Stock)は、物語のなかで船底に乗せられているアフリカ人たちを「コークス」という暗号で呼んでいることからきている。彼らはメッカまで運ばれ、そこで奴隷として売られる。1960年に刊行された英語版のタイトルは「紅海のサメ」(日本版も同じ)だ。

 例によって新聞資料をあさるエルジェは、アラブの買い手に奴隷を売る秘密商売についての記事を集めた。それから40年以上も経った現在でも、同じようなことがおこなわれているのである。


『タンタンの冒険 その夢と現実』3:燃える水の国
『タンタンの冒険 その夢と現実』2:金のはさみのカニ
『タンタンの冒険 その夢と現実』1:青い蓮

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック