(オピニオン)24時間 店開けますか

<(オピニオン)24時間 店開けますか>
 都市計画家の西郷真理子さんがオピニオン欄で「地域課題 解決する拠点に」と説いているので、紹介します。


(西郷さんのオピニオンを4/10デジタル朝日から転記しました)


いつでも温かい食べ物を買え、日用品も手に入る。平成の時代に進化したコンビニエンスストアは、深夜でも街を照らし、安心を与えてくれます。でもこの便利さ、永遠に続く?

■地域課題、解決する拠点に 西郷真理子さん(都市計画家)

 コンビニは日本社会の変化にうまく合って、これほど成長したのだと思います。
 まず核家族化が進み、小さな単位で食事を用意しなければならなくなったこと。流通のあり方も変わりました。


 スーパーが巨大化して集約され、ネットショッピングも普及し、まとめ買いには便利になりました。そんななか、コンビニは「買い忘れた!」という時でも近所で手軽に買える場所になったわけです。

 コンビニは本来、1千~3千人が歩いて暮らせるコミュニティーの単位に出店してきました。ただ特に大都市で、事業効率を優先して過密になりすぎた。店同士が競合し、人手不足になるのは当然です。現在の業界規模を維持するのが難しくなっています。

 さらに8年前の3・11以降、日本人は物を買うより人のつながりやサービスにお金をかけるようになり、購買行動がモノ消費からコト消費へ変わってきています。物を買わせるだけの事業モデルではもう立ち行きません。

 今後のコンビニの可能性は「コミュニティーの拠点」に立ち戻り、そのための社会インフラになることだと思います。人口減少社会になり、コミュニティーで助け合って生活することが重要視されるようになりました。いま独居による孤立化、保育園や学童の待機児童、高齢化による社会保障費の増加などが社会問題となっていますが、そんな課題の解決の場にコンビニはなりうると考えています。

 すでに多くのコンビニに飲食スペースがありますが、学生が子どもの勉強を見たり、お年寄りと子どもが遊んだりする場を作るのはどうでしょう。そこに塾や家事サービスなど親が欲しい情報が集まる仕組みを作るのもいい。コンビニを地域の老若男女が集うコト消費の場にするのです。

 24時間営業を続けるなら、人が担う部分と無人化を組み合わせる必要があります。人間が機械のように働くことはもうやめるべきです。商品の単純な売買や夜間は機械に任せる。一方で人の役割は、客とのコミュニケーションや、店内で地元食材を使ってヘルシーな弁当を料理するような手仕事に特化すればいい。

 住民の購買行動を把握しているコンビニの販売データも地域へオープンし、ICT(情報通信技術)で住民と店、農家などをつなげば、限られた人手や食品といったリソースを有効にシェアできるはずです。こうしたビジョンをふまえ、私たちは宮城県石巻市で復興のまちづくりとしてコンビニなどを活用する居場所作りに取り組んでいます。日常に育まれるつながりは災害時にも役立つと思います。

 コンビニがこんな風に生まれ変われば、人口減少社会の波を乗り越える力になると思いますよ。(聞き手・藤田さつき)

     *
西郷真理子:1951年生まれ。住民主体のまちづくりに取り組む。高松丸亀町商店街や川越蔵造りの町並みなどを支援。


(オピニオン)24時間 店開けますか都市計画家2019.4.10

この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR11に収めておきます。

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