『ぐるぐる博物館』3

<『ぐるぐる博物館』3>
図書館で『ぐるぐる博物館』という本を、手にしたのです。
巻末を見ると、「月刊ジェイ・ノベル掲載分」を主に編集した本のようだが…編集者の企画が良かったのかも♪

ところで、帰って調べてみると、この本を借りるのは二回目であることが解りました。で、(その2、その3)としています。2年半前に借りていたのだが、(当然)記憶の彼方でおました。


【ぐるぐる博物館】


三浦しをん著、実業之日本社、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
人類史の最前線から、秘宝館まで、個性あふれる博物館を探検!書き下ろし「ぐるぐる寄り道編」も収録!好奇心とユーモア全開、胸躍るルポエッセイ。
【目次】
第1館 茅野市尖石縄文考古館ー私たちはつながっている/第2館 国立科学博物館ー親玉は静かに熱い!/第3館 龍谷ミュージアムー興奮!の仏教世界/第4館 奇石博物館ーおそるべし!石に魅せられた人々の情熱/第5館 大牟田市石炭産業科学館ー町ぜんぶが三池炭鉱のテーマパーク/第6館 雲仙岳災害記念館ー災害に備えつつ穏やかに暮らすということ/第7館 石ノ森萬画館ー冒険と希望の館で失神するの巻/第8館 風俗資料館ー求めよ、さらば与えられん/第9館 めがねミュージアムーハイテク&職人技の総本山/第10館 ボタンの博物館ー美と遊びを追求せずにはいられない

<読む前の大使寸評>
巻末を見ると、「月刊ジェイ・ノベル掲載分」を主に編集した本のようだが…編集者の企画が良かったのかも♪

rakutenぐるぐる博物館

ウイグル語天地八陽神呪経

龍谷ミュージアムで、各地で発見された経典を見てみましょう。
p53~56
<第3館 龍谷ミュージアム>
 さて、仏像コーナーを抜けると、大谷探検隊が発見した経典が並んでいる。石に彫られた文字を、魚拓みたいに紙に写し取ってきたもの。砂に埋もれてぼろぼろになった紙に書かれたもの。巻物に整然と記されたものもあった。これは、トルファンで発見された「ウイグル語天地八陽神呪経」だそうだが、いままで見たこともない文字で、上下左右どちらから読めばいいのかさえ、私には見当がつかなかった。

 漢字、ウイグル文字をはじめ、多種多様な文字で書かれた、それぞれの地域のお経。言葉フェチとしては、眺めているだけでたぎってくるものがある。仏の教えを、自分たちが使っている言語に翻訳し、自分たちの文字で書きつけたひとたちがいる。紙はぼろぼろになってしまっているが、墨の色も鮮やかに、丁寧にしたためられた文字を見ていると、このお経が、仏が、かれらにとってどれだけ大切なものだったかが伝わってくる。

 仏の教えを信じる人々の、熱い思いが感じられるものは、文字で書かれた経典だけではない。各地域のお経を聞き比べられるコーナーもあるのだ。

 再生ボタンを押して耳を傾けたところ、タイのお経はリズムがいい。タイの文字で書かれた、パーリ語のお経なのだそうだ。
 チベットのお経は、チベット語で書かれた阿弥陀経。リズミカルなタイのお経に比べると、やや重厚感がある。

 日本のお経は、漢訳の阿弥陀経。中国から入ってきた漢字で書かれているお経を、音読みしているわけだ。ウイグルの人々が、お経を自分たちの言語(ウイグル語)に翻訳したことを思うと、日本人は漢訳をそのまま使っていて、ちょっと手抜きじゃないか?

 しかしそこには、いまも昔も変わらぬ「舶来物大好き!」な心性が働いているのかもしれない。あえて日本語に翻訳せず、漢文を音読みしたほうが「意味はよくわからんけど、なんだかありがたくてかっこいい響きがするのだ」という気持ちになる。
 現在でも私たちは、洋楽を聞いたりいろんな国の料理をちょっと日本流にアレンジしたりして、外国の文化を楽しんでいる。漢訳のお経を使っているところに、「中国大陸から、最先端の教えが渡ってきたぜ!」という、当時の熱狂と興奮が感じられる気もするのだった。

 タイ、チベット、日本。いずれのお経も、お坊さんの声が重なりあい、迫力があって、音楽的にうつくしい。薄暗いお堂で、お香がたかれていて、金色に輝く仏像があったら、音楽との相乗効果でさらにうっとりだろう。五感のすべてに訴えかけてくる仏教。インドから日本まで、みんなの心を鷲づかみにしたのも納得だ。

 もちろん、「俺は文字なんて読めないし、むずかしいことを言われてもわからんよ」というひとも大勢いたはずだ。だが、仏教に死角なし。ブッダがどういうひとで、どんな教えを説いたのか、精巧なレリーフでも表現している。現代でたとえれば、紙芝居みたいなものだ。

ウーム 漢文を音読みしたほうがありがたいってか・・・
それはまずいんじゃないの?

仏教の源流を求めてー大谷探検隊から100年ーというサイトで、次の指摘が載っていました。
「『天地八陽神呪経』というお経を、ウイグル語に訳して写したんです ね。そういうお経を翻訳している関係で、明らかにウイグル人たちは仏教を信仰 していたということが分かりますね。翻訳しているのですから。そういうことも 分かるわけです。」


『ぐるぐる博物館』2:茅野市尖石縄文考古館
『ぐるぐる博物館』1:風俗資料館

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