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zoom RSS 『静かな爆弾』1

<<   作成日時 : 2019/04/08 06:49   >>

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<『静かな爆弾』1>
図書館で『静かな爆弾』という本を、手にしたのです。
吉田修一の短篇であるが・・・期待できそうでおます。



【静かな爆弾】


吉田修一著、中央公論新社、2008年刊

<「BOOK」データベース>より
テレビ局に勤める早川俊平はある日公園で耳の不自由な女性と出会う。取材で人の声を集める俊平と、音のない世界で暮らす彼女。やがて恋に落ちる二人だが。

<読む前の大使寸評>
吉田修一の短篇であるが・・・期待できそうでおます。

rakuten静かな爆弾


響子と宏美の場面がフラッシュバクのように切り換わるので、ちょっと読みづらいのだが・・・
冒頭あたりの語り口を、見てみましょう。
p17〜19
<I>
「まだ、あのアパートに住んでいるよ」
 訊かれてもいないことを教えた。
 彼女は無表情のまま、「じゃ、そろそろ行くね」と言った。

 付き合っていたときのように、こちらの返事を求めるような口調ではなかった。あれは彼女の癖ではなかったのだ。
 赤ん坊を抱いて雑踏に消えていく彼女の背中を、しばらく見送った。彼女となら幸せになれると思ったこともあった。彼女の後ろ姿は、まさにそのときに空想していた彼女の姿だった。
 正直、バカな男だと思った。自分で自分のことをバカな男だなどと悦に入っている男ほどバカな男はないが、それでも、どうしても、そう思わずにはいられなかった。

 日曜日、約束の時間に絵画館前へ行くと、すでに響子が池を眺めて立っていた。一瞬、こっそりと近寄って驚かそうかと思ったが、響子にこっそりと近づくことなどできないことに気がついた。

 自転車を降り、塀に立てかけると、サドルが石塀にぶつかる。歩き出せば、靴音がし、ジャケットのポケットで鍵が鳴る。

 響子の匂いが嗅げるくらいまで近づいて、人差し指でその細い肩を叩いた。ふつうならビクッとするところだろうが、響子はいたって落ち着いており、振り向く前から自分の背後の風景がすべて見えていたような笑顔を浮かべた。

 響子には、世の中のすべてのものがこっそりと近づいてくるのだ。
 会釈すると、響子は頷いた。こんにちは、と言ったようにも見えたし、よろしく、と言っているようにも見えた。

 イチョウ並木のほうから冷たい風が駆けてきて、池の水面に波紋が広がる。
 中途半端な時間だった。「昼メシはもう食べたか?」という意味で、おなかを押さえるジェスチャーをしてみた。だが、腹が痛いと伝わってしまったらしく、響子の表情に不安がよぎり、俺は慌てて丼メシを口に掻き込む真似をした。そのとき響子がバッグから単語帳を取り出した。学生のころ、英単語を覚えるのに使うようなやつだった。

 響子はそれを器用に捲ると、「口の動きである程度なら分かります。ゆっくり話して下さい」と書かれたカードを見せてくれた。

 単語帳には使い込んだらしい風格があった。この分厚い単語帳に書かれている文章を全部読んでみたいと思った。


7年前に観た吉田修一原作の映画『悪人』をつけておきます。

【悪人】
悪人
李相日監督、2010年制作、H24.7.18観賞

<goo映画解説>より
長崎在住の清水祐一は、博多で働く石橋佳乃と待ち合わせをしていた。しかし、待ち合わせ場所で佳乃は他の男の車に乗って行ってしまった。佳乃を追いかけた祐一は、福岡県の三瀬峠で彼女を殺してしまう。その後、長崎でいつも通りの日常を送っていた祐一は、以前出会い系サイトでメールをやりとりしていた馬込光代という女性と会うことに。ホテルでお互いを求めあった後で、祐一は光代に佳乃を殺したことを告白するのだが…。

<大使寸評>
李相日監督作品となれば、見ないわけにいかないが・・・・
娘を殺された親父が、スパナを隠し持って真犯人?に迫るところが、凄い。

goo映画悪人


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