『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』4

<『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』4>
図書館で『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、内容は興味深いのに、著者の軽口が鼻につくのです。
でもまあ、それも個性ということで借りたのです。


【鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。】


川上和人著、新潮社、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
出張先は火山にジャングル、決死の上陸を敢行する無人島だ!知られざる理系蛮族の抱腹絶倒、命がけの日々!すべての生き物好きに捧げる。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、内容は興味深いのに、著者の軽口が鼻につくのです。
でもまあ、それも個性ということで借りたのです。

rakuten鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。


鳥の色彩が興味深いので、見てみましょう。
p197~200
<色彩の魔力>
 鳥達の世界に鏡はない。このため、彼ら自身は自らの姿を見ることができない。スズメの頬には黒班があるが、どう首を回しても本人には見えないはずだ。鳥の色彩は自己満足ではなく、他人の目に映ることだけを目的に進化してきたものなのである。他人の目など気にせず自らの信念を貫けなどという説教は、野生の世界でははた迷惑な奇麗事でしかない。
(中略)

<見かけ倒しじゃありません>
 ニワトリの特徴といえば赤いトサカだが、これは皮膚を通して血液の色が見えているのである。瑞鳥と言われる鶴、タンチョウの頭が赤いのも同じく血液の色であり、あそこは羽毛が生えていないハゲなのである。

 鳥の羽色で考えると、黒も機能性を持つ色だ。カラスなどの黒い羽毛は、メラニン色素によるものである。メラニンは人間の髪の毛や肌の黒さの素でもあり、馴染み深い色素だろう。

 メラニンは羽毛を物理的に強化する働きを持つ。羽毛はケラチンというタンパク質でできている。これは人間の爪や髪の毛と同じ素材だ。ケラチンでできた構造の上にメラニンという塗料で補強することで、色素に支えられて羽毛が堅牢になるのだ。

 鳥は服を着ていないので裸でその辺をうろつき回っていると言ってよい。人間なら変質者だが、彼らは羽毛という野生の衣服を身につけているのでギリギリセーフだ。

 しかし、世界は危険で満ちている。身を隠すために植物の茂みに入れば、羽毛は枝葉に鞭打たれて擦り切れる。上空からは燦々と紫外線が降り注ぎ、DNAを傷つけようと虎視眈々とこちらを窺っている。

 メラニンはそんな危険な世界から体を守る鎧となる。黒い羽毛はメラニンのない白い羽毛に比べて擦り切れにくい。紫外線を吸収することで体内への悪影響を回避でき、また体熱の上昇も避けられる。開けたところに住むツバメやカモメでは背側が黒く腹側が白いが、これは紫外線対策と言えよう。その証拠に、腹が黒く背が白い鳥は図鑑を見ても見当たらない。

 これらの色は時には物理的な、時には化学的な機能を発揮するために存在する揺るぎない色である。他者の視線に関係なく呈された絶対的な色であり、空の青さや砂浜の白さと同類なのだ。


『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』3:鳥類学者の生態
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』2:糞尿譚
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』1:メグロ

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