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zoom RSS 『天子蒙塵(2)』1

<<   作成日時 : 2019/02/24 07:59   >>

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<『天子蒙塵(2)』1>
図書館に予約していた『天子蒙塵(2)』を、待つこと3日の超速でゲットしたのです。
この『天子蒙塵』の4巻シリーズは副本が多いわりに予約がすくないので・・・
予約すると即、入手できるのが、ええでぇ♪、『蒼穹の昴』と比べて地味な印象を受けるのかなあ。



【天子蒙塵(2)】


浅田次郎著、講談社、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
父・張作霖を爆殺された張学良に代わって、関東軍にひとり抗い続けた馬占山。1931年、彼は同じく張作霖側近だった張景恵からの説得を受け、一度は日本にまつろうがー。一方、満洲国建国を急ぐ日本と、大陸の動静を注視する国際連盟の狭間で、溥儀は深い孤独に沈み込んでいた。

<読む前の大使寸評>
この『天子蒙塵』の4巻シリーズは副本が多いわりに予約がすくないので・・・
予約すると即、入手できるのが、ええでぇ♪、『蒼穹の昴』と比べて地味な印象を受けるのかなあ。

<図書館予約:(2/07予約、2/10受取)>

rakuten天子蒙塵(2)



馬占山が張作霖を回顧するあたりを、見てみましょう。
p34〜36
<19>
 なあ、親分。
 あんたはいったい、どこへ行っちまったんだね。
 あれから3年あまりも経つんだが、俺はずっとあんたを探し続けている。不死身の白虎張が、列車ごと吹き飛ばされてくたばったなんて、とうてい信じられねえんだ。

 戦争にもあきあきしたから、影武者に死んでもらったんじゃねえのか。北京の故同か上海の租界で、呑気な好々爺になっているんじゃねえのかよ。

 若い部下たちは、馬占山将軍には隙がないという。そうじゃねえんだよ。小柄で様子のいい年寄りを見かけるたびに、あんたじゃねえかと目を凝らすだけさ。ハルビンの街角でも、チチハルの市場でも、海倫の草原の羊飼いどもの中にも、あんったに似たやつを見つけた。

 今さっき、いい加減なご宣託を告げた薩満(さまん)を贋いだと思ったのは、勘働きじゃねえのさ。あんたはどこかで名前も身なりも変えて生きていなさるにちげえねえから、冥府の十王も東岳大帝も、かかわりあるめえと思ったんだ。

 だが、少しばかり悔やんでいる。もしあの薩満が本物だったとしたら、俺は生きていようが死んでおろうが、ようやく会えたあんたに背を向けたことになる。帰るみちみち、ずっとそればかり考えていた。

 風来坊の俺が、19の歳に肝をくくってあんたの子分に直ったのは、鯱立ちしてもかなわねえ男に、初めて出会ったからさ。

 俺の馬は十里の道を風よりも速く走った。だが、あんたの御す馬は、いつだって並ぶ間もなく俺を抜いていった。
 俺のモーゼルは空高く投げ上げた饅頭を撃った。だが、あんたの手に余るモーゼルは、銅貨を弾き飛ばした。

 あんたも俺も、似たような貧民の子で、読み書きもできなけりゃ、まともな話もできなかった。だからせめて、あんたのようになりたいと思った。
 新民府の自警団に過ぎなかった俺たちは、やがて奉天城を乗っ取り、東三省を手に入れた。そして、ついに長城を越えた。そこまでのし上がったのは、あんたが子分どもの誰よりもすぐれた男だったからだ。みながみな、あんたを神のように敬い、人として愛した。
 だったら、おかしいじゃねえか。どうして兄貴たちは、あんたの仇を討とうとしねえんだ。知らんぷりで隠居を決めこんだり、蒋介石みてえな小僧に尻尾を振ったり、果ては仇に丸めこまれたやつだっている。

 戦争は数の多寡じゃ決まらねえ、とあんたは言った。おっしゃる通りさ。だから俺は、誰に何と言われようが東洋鬼と戦った。
 中華民国の黒龍江軍と言ったって、飛行機も戦車もねえんだ。補給も援軍もねえんだから、この馬占山の私兵だろう。

 蒋介石は共産軍との戦で手一杯らしい。そうかね。こっちが外国に分捕られそうなときに、やつらとの戦争が先かよ。

 要するに、あいつは東北を捨てたんだ。だが、俺は捨てられねえ。生まれ育ったふるさとを、どうして捨てられる。蒋介石が捨てても、ハンチンや兄貴たちが捨てても、俺は満州を捨てない。
 鬼でも仏でもねえさ。まさかあんたみてえな啖呵は切れねえが、俺はてめえを馬占山だと思うことにした。


『天子蒙塵(1)』3:天津の日本租界
『天子蒙塵(1)』2:浅田治郎独占インタビュー
『天子蒙塵(1)』1:序章の語り口

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