『郊外の20世紀』3

<『郊外の20世紀』3>
図書館で『郊外の20世紀 テーマを追い求めた住宅地』という本を、手にしたのです。
戸建て2世帯住宅を苦労して建てた大使は、この種の住宅絡みの本はよく読んできたので・・・借りる決め手になったのです。



【郊外の20世紀】


角野幸博著、学芸出版社、2000年刊

<商品の説明>より
郊外に住宅地が生まれて100年。関西を舞台にこれからの「住宅地とテーマ」を考察
この本は郊外住宅地に関心を持って20年ほどになるという著者の郊外住宅地論である。副題に「テーマを追い求めた住宅地」とある。戦後,開発してきた住宅地をテーマタウンと位置づけ,その開発を供給側である開発者と,需要側である居住者の双方の視点から読み解こうと試みた意欲作である。

<読む前の大使寸評>
戸建て2世帯住宅を苦労して建てた大使は、この種の住宅絡みの本はよく読んできたので・・・借りる決め手になったのです。

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第4章「テーマタウン」で、神戸市の二つのテーマタウンを、見てみましょう。
p157~162
2:テーマタウンのテーマ探し
■アーバンデザインの縮図 六甲アイランドシティ
 神戸市は、ポートアイランドに続く人工島建設プロジェクトである六甲アイランドにおいて、島の中央部約131ヘクタールを都市機能ゾーンと設定し、その開発を事業化コンペで行なうことにした。昭和60年から4度にわたりコンペが実施され、その第1次事業化コンペ用地31ヘクタールが、住友信託銀行を代表とする企業グループの手に落ちた。また同グループは第1次コンペ地区の南側に隣接する第4次コンペでも当選し、連続的な開発を行なっている。

 開発コンセプトは、「海の手六甲」と「行きたい街、住みたい街」というキーワードによって表現される。対岸の六甲山麓は、明治以来、六甲山の自然と阪神間という生活利便性を最大限活用して、日本屈指の郊外文化を育んできた土地である。そうした山の手六甲の地域イメージを意識しながら、海辺の立地を活かした、新しい住環境づくりを目指したのであった。
(中略)
 こうしてつくられた町は、非常にデザイン密度の濃い、華やかな雰囲気をもつものになった。全体がテーマパークか、博覧会場のような空気に満ちている。バブル経済が膨らみかける、作り手も住み手もともに元気一杯の時に誕生した町といってよいかもしれない。やや斜にかまえた言い方をすれば、慢性躁状態の町、元気でなければ住めない町という感じすらする。
 
■一連のコンペが築いた町 西神ニュータウン
 神戸市の中心部と市営地下鉄で結ばれる、西神および西神南ニュータウン。神戸市はここでの分譲住宅建設に、街区ごとに事業化コンペを連続して行うという方法を導入した。大阪府のように目玉プロジェクトをコンペで実現するというイベント的な性格のものというより、町全体に事業計画のなかに確実に組み込んだというべきだろうか。

 二つのニュータウン合わせて平成11年末までに32回のコンペが実施された。それ以外に、市西部のグリーンタウン月が丘でも、ほぼ同じ時期にコンペが実施された。また応募企業はいわゆる大企業だけでなく、地元の中小の建設会社や工務店も参加できるよう、応募資格をそれらに限ったコンペもあった。

 ここでのコンペは、派手さはないが、連続して実施していくことで、計画および工事発注を複数の業者に、まんべんなく割り振っていくという役割をもっていたようである。応募企業側からすれば、とにかく参加しておけば、いずれ順番が回ってくるといった期待感が、なかったとはいえない。

 つくられた町並みを見てみると、街区ごと、すなわちコンペの対象地区ごとに、住棟配置計画が完結して、表層的なデザインは異なるものの、どの街区の住棟構成もよく似ているという感じを免れない。ほとんどの街区が内側に広場をもつ「囲い込み型」の配置をとり、「通り抜け禁止」の立看板を置いている。その結果、居住者以外の侵入を拒否した排他的な印象を与えてしまっている。またどのコンペ提案を見ても、ライフスタイルや生活サービスという点にまで踏み込んだ計画はなされず、配置計画もユニット計画も、日照や住戸ユニットの市場性などの制限を考慮すると、応募案に差がつきにくかったのではないかという気もする。

 こうした問題を解決するには、マスタープラン段階で、各住区が機能面でもデザイン面でも有機的につながる工夫を緻密に調整し、コンペの与件として要項に示すことが必要だったのではないだろうか。

ウーム 株式会社:神戸市の面目躍如という観があるわけで・・・
土建に関する能力は天下一品ではあったなぁと、そのテーマタウンに住んでいる者として思うのである。
少なくとも、今、オリンピック対応で右往左往している政財界のバカタレよりは、地に足がついていたような気がするのです。

『郊外の20世紀』2:郊外住宅のゴールの姿
『郊外の20世紀』1:戸建ての我が家の位置付け

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