『郊外の20世紀』1

<『郊外の20世紀』1>
図書館で『郊外の20世紀 テーマを追い求めた住宅地』という本を、手にしたのです。
戸建て2世帯住宅を苦労して建てた大使は、この種の住宅絡みの本はよく読んできたので・・・借りる決め手になったのです。



【郊外の20世紀】


角野幸博著、学芸出版社、2000年刊

<商品の説明>より
郊外に住宅地が生まれて100年。関西を舞台にこれからの「住宅地とテーマ」を考察
この本は郊外住宅地に関心を持って20年ほどになるという著者の郊外住宅地論である。副題に「テーマを追い求めた住宅地」とある。戦後,開発してきた住宅地をテーマタウンと位置づけ,その開発を供給側である開発者と,需要側である居住者の双方の視点から読み解こうと試みた意欲作である。

<読む前の大使寸評>
戸建て2世帯住宅を苦労して建てた大使は、この種の住宅絡みの本はよく読んできたので・・・借りる決め手になったのです。

amazon郊外の20世紀


第3章「郊外の拡大と侵蝕」から見て「戸建ての我が家の位置付け」を、見てみます。

<住宅地の多様化と住環境の商品化>p79~82
 単調で画一的といわれる郊外生活とは裏腹に、住宅や住宅地のデザインには様々な試みが続いている。戸建て住宅の場合、いわゆる建築家の設計によるものはごく少数で、今まではその大半は、地元の工務店が建てたものであった。木造モルタル塗り二階建てのありふれたもので、単調だけれども、地域ごとにある種のまとまった景観が育まれた。

 そこへ住宅メーカーがそれぞれの技術力とデザインを強調した製品を次々と市場に投入し始めた。軽量鉄骨造や軽量コンクリート造、木造ツーバイフォー工法をはじめとする様々な工業化住宅が、郊外に建ち並ぶようになった。もちろん、木造の在来工法による住宅メーカーもこれに対抗して、規格化と量産化の体制を整える。

 こうした住宅メーカー系の住宅は、工場での製造工程を増やし、部材の規格化を進めたために、どこの地域でも同じデザインの住宅が建ち並び、地域らしさや住宅地の個性とは無関係の景観をつくりだした。戸建て住宅のこのような動きは、コストを削減することはもとより、自社の商品を社会にアピールしたいという意味で、一種の確信犯だったのかもしれない。

 規格化と量産化が個性のない街並みをつくりだした前例としては、一昔前の住宅公団が各地のニュータウンで供給した。まるで羊羹をならべたような団地が、よく槍玉にあげられる。住宅の絶対数が足らない時代に、少しでも早く、大量に住宅を供給しなければならないのとの使命のもとでは、個性の表現まで考える余裕はなかったのだろう。

 しかし近年は、民間であれ公的住宅であれ、戸建て住宅、マンションとも、何とかして住宅地としてのまとまりと個性を表現したいとの意思が、特に供給側に見られる。スペイン風、地中海風、イタリア風といったデザインが、住宅に取り入れられ、一種独特の景観を生みだす例が、東京や大阪の郊外各地に見られるようになってきた。

 関西ではかなり以前から、都市圏の周縁部で戸建て住宅を比較的安価で開発する建売住宅メーカーがあり、郊外電車の車窓から、会社の広告塔をいただいたオレンジの屋根と白い壁の遠景を眺めることができた。現在の開発では、会社名の広告塔をあげるようなあからさまなことは少ないが、他の住宅地との差別化をはかるために、特徴ある街並みをつくりだそうという動きは見捨てがたい。

 住宅だけではなく、ショッピングセンターや小売店舗などを併設する時には、そのデザインを、たとえばスペイン風にするといった事例を多く見つけることができる。公的団体が開発主体となったニュータウンでも、たとえば多摩ニュータウンの「パルテノン多摩」のように、センター地区の公共施設に、異国風のデザインとネーミングを行なって、地区の個性化をはかったり、住民の愛着を得ようとする動きは、枚挙にいとまがない。

 レビットタウンの場合は、均質であることが、合理性や近代性を意味しており、必ずしも避けられるものではなかった。いかし、現代の日本の郊外住宅地での動きは、「ジャパニーズ・ウェイ・オブ・サバービア・ライフ」の模索とでも呼べるような特徴をもつ。

 均質で味気ない郊外生活の風景に、少しでも個性と潤いを獲得するために、主な購入者層となる30~40代の核家族世帯が惹かれる設備と空間デザインが、繰り返し検討されたのだろうか。その結果、テーマになるデザインは、アメリカ以外にもスペイン風やイタリア風など、ヨーロッパ的なものが使われる傾向が生れた。もちろんそれはあくまでイメージの上のものであって、実際のヨーロッパをそのままコピーしているものではない。

 また一方では、1980年頃から、「ショートケーキハウス」と呼ばれる住宅が建ち始めた。白やパステルカラーで化粧したメルヘン風の、「ショートケーキのような可愛らしい住宅」という意味だが、このようなデザインが生まれてきたのは、無個性な郊外住宅での単調な郊外生活を、少しでも魅力的に見せようとするためではないだろうか。

 ふるさとを離れて大都市にやってきたサラリーマンが、郊外住宅地を第二の故郷と見立てるための試行錯誤の結果が、ヨーロッパ風やショートケーキ風の、このような国籍不明の「けったいな」デザインを生みだしてきたとはいえないだろうか。


ウーム、国籍不明の「けったいな」デザインとは実も蓋もないおっしゃりようでんがな。我が家は注文どおりの、おちついた色調の無難なデザインであり、街並みにも溶け込んでいると思っております。ハイ。

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