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zoom RSS 『ブックライフ自由自在』5

<<   作成日時 : 2019/02/27 07:51   >>

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<『ブックライフ自由自在』5>
図書館で『ブックライフ自由自在』という文庫本を、手にしたのです。
この本になんか既視感を感じたが、まいいかと借りたわけで、帰って調べてみると、やはり二度借りでした。・・・で、その4にしています。



【ブックライフ自由自在】


荒俣宏著、集英社、1997年刊

<「BOOK」データベース>より
「よい古本に巡り合うのはむずかしい、生涯の恋人に巡り合うほうがよっぽどやさしい」とのたまう貧書生ことアラマタの、悲しくもおかしい古本まみれの人生の来し方。本を愛し、本に癒され、本に囚われたる日々の、知的悦楽に満ちた告白的読書日誌。他に、いかによき古本を手に入れるか、ノウハウをも伝授する。

<読む前の大使寸評>
この本になんか既視感を感じたが、まいいかと借りたわけで、帰って調べてみると、やはり二度借りでした。・・・で、その4にしています。

rakutenブックライフ自由自在



ビジュアル本の魅力が述べられているので、見てみましょう。

<リファレンス・ブックが欲しい>p27〜34
 貧書生、ここ数年来というもの、寓意画の解読術に限りない魅力を感じている者である。このエンブレムとは一体何かといえば、ルネサンスに流行した「概念を絵で表現する」技術のこと。いわゆる隠喩の系列に属する象徴法だが、早い話、TVコマーシャルにあった「ヤリガイ」の技法である。

 「ヤリガイ」という説明困難な概念を「槍と貝」なる具体物で表現してしまう、あの技法の本家だ。実は、ルネサンス期にはああいうことを大真面目でやっていた。だから面白いわけで、その方面のリファレンスがこれだけ出ていると、うれしくなってつい買ってしまう。さすがにヨーロッパの出版界はすごい。日本には「エンブレマタ」の研究書など1冊も出ていない惨状だから、よけいにその差が身にしみる。

 つづいて目を引きつけるのが、キャプテン・クック航海記のオリジナル図版復刻全三冊。第1巻『エンディーヴァー号航海』と第2巻『リゾリューション&アドベンチャー号航海』が出て、第3巻は目下制作中。これは、ヨーロッパ人がアボリジニーズだとかハワイ原住民だとかに初めて出会ったときの生々しい印象がヴィジュアル化された貴重な資料。とくに、西欧人とはまったく人相がちがう太平洋諸島民の顔をかれらがどうやって図像化したかを知りたがる<観光哲学>の徒には、必携の図版集。

 ついでに書くと、1985年にはロンドンでバーナード・スミスという人が『ヨーロッパのヴィジョンと南太平洋』なる本の再版を出した。これも、18−19世紀の世界航海に同乗した画家たちがどのように未開民族を描きだしたかという問題をあつかっている。35ポンドと高価だが、物好きな人は買っておく意味があるだろう。

 とにかく最近のヨーロッパは、絵画を芸術の諸問題から自由にし、描かれた画面に対する飽くなき再検討におもむいている。それも無名な画家の作品を論じるほうが、はるかに時代のアイデアが読めるというので、さしあたって17−18世紀あたりの観光=航海記に付された図版の分析が流行しているようだ。実にスリリングな傾向である。



<日本再探検のこころみ>p153〜155
 考えてみれば、イギリスの調査航海の元祖であるクックの探検にしても、その成果を記述した紀要や報告のたぐいは、二百年以上も経った現在でさえ、実はまだ刊行され終えていないのだ。

 大英博物館では、今もなお、クックが持ち帰った大量の植物の図録を、昔ながらの銅板手彩色仕上げで刊行しつづかている。また、そうでなくとも、多くの探検航海記録は中絶しているのだ。このあたりの歴史を今のうちに総ざらいしておきたいというのが、貧書生の目下の希望である。

 もちろん、18世紀から20世紀にかけての地球探検史なんぞ、日本人のほとんどは関心をもっていないにちがいない。現に、探検関係専門の古書店というのも、日本国内には見あたらないのだ。

 ところが外国では、この探検物が再評価される段階にはいっており、専門の古書店もかなりできている。昨年、貧書生はハワイを舞台にした教養少女小説『地球暗黒記』という本を書くために、ハワイで資料あつめをしてみた。

 するとさすがは太平洋文化の総本山だけあって、ビショップ・ミュージアムの書籍売場をはじめ、町なかの新刊書屋から大学周辺の古本屋にまで、ハワイ探検や太平洋の発見史が山のように積んであった。あの亡国のリゾートといわれるグアムにさえ、太平洋探検史の書物をあつかう本屋があった。

 ところが、それに引きかえ、かつてヨーロッパやアメリカの学者が「地球文化研究のパラダイス」と呼んで殺到した日本には、そのような日本探検史、太平洋=アジア探検史のことを詳しく知っている本屋がほとんどない。まあ、エドワード・モースがピーボディー博物館に持ち帰った「百年前の日本のガラクタ」類が、かえって現代日本人の目を驚かせている情況を見るにつけても、この方面に対する一般的関心が盛りあがってこないのは無理もない。

 欧米人による日本探検史については、岩波が『大航海時代叢書』を出し、洋古書取引の最大手雄松堂が日欧交渉史上の名著を復刻する仕事に力をそそいでいる情況も、たしかに一方では存在する。

 貧書生も、これでずいぶん助かっているわけだが、夜中にときおり読む<>のグリフィスやらバード夫人、チェンバレンやらケンペルの日本探検記あたりを思いうかべると、まだまだ人びとに知られていないジャングルのように思えるのだ。

 たとえば、この正月から国内を巡回し圧倒的支持を受けているモースの『百年前の日本』展。この催しがなぜ可能になったか? もちろん、長年積み重ねられた学者たちの研究のお蔭もあろう。しかし、エドワード・モース『日本その日その日』のおもしろさを、図版展開によって日本人に知らせた第一の宣伝マンは、某大手出版社の一編集者O氏だ。おもしろいことを「おもしろい」と宣伝するのに、自粛はいらないと思う。


『ブックライフ自由自在』4:蒲原までの旅(続き)p59〜62
『ブックライフ自由自在』3:著者の創作活動p159〜162
『ブックライフ自由自在』2:『ゴードン・スミスのニッポン仰天日記』p85〜86
『ブックライフ自由自在』1:蒲原までの旅p57〜59

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