『コピペと捏造』1

<『コピペと捏造』1>
図書館で『コピペと捏造』という本を、手にしたのです。
どこまでコピペは許されるのか?、どうしたらパクリになるのか?・・・
わりと気になるので、この本を借りたのです。


【コピペと捏造】


時実象一著、樹村房、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
【目次】
序 どこまで許されるのか(パクリと創造の境界/パクリとパロディ、オマージュの違い ほか)/第1部 あらゆる分野にはびこるコピペとパクリ(歴史上に見られる盗用/小説に見られる盗用のパターン ほか)/第2部 バレないと困るパロディの世界(裁判になったパロディ事件/贋作もあるデザインのパロディ ほか)/第3部 怪しい捏造と改竄(結論ありきのテレビの捏造/ドキュメンタリーの捏造と真実の境界 ほか)/おわりに 厳しいだけではない寛容さを求めて(病理としてのコピペと捏造/むずかしいノンフィクションにおける判断 ほか)

<読む前の大使寸評>
どこまでコピペは許されるのか?、どうしたらパクリになるのか?・・・
わりと気になるので、この本を借りたのです。

rakutenコピペと捏造



第1部「あらゆる分野にはびこるコピペとパクリ」から黒澤さんの映画の例を、見てみましょう。

<黒澤明>p70~72
 黒澤明監督の作品は海外でしばしば翻案されています。菊島隆三が脚本を書き、三船敏郎と仲代達也が出演した『用心棒』は、筆者の大好きな時代劇の傑作ですが、クリント・イーストウッドの初のマカロニ・ウェスタン『荒野の用心棒』に翻案されました。

 二組のならずものの対立に巻き込まれた一匹狼が途中瀕死の目にあいますが、最後に奇想天外な復讐をとげるというストーリーはまったく同じです。この場合は『用心棒』を製作した東宝がイタリアの映画社に抗議しました。東宝によれば、イタリア側のプロデューサーから事後承諾を求める連絡があったことからも盗作の意図は明らかだとしています。
 これについてはイタリアのジョリイ・フィルム社が侵害の事実を認め、日本・台湾・韓国での公開権を黒澤・菊島両氏が保有すること、ジョリイ社は賠償金を払うほか、配給利益の15%を両氏に支払うことで合意しました。

 しかし、そもそも一匹狼がならずものたちの紛争に巻き込まれるというアイデアは、ダシール・ハメットの『血の収穫』が最初のように思われます。コンチネンタル探偵社のコンチネンタル・オブは対立する4組のならずものについたり離れたりしながら抗争を引き起こし、最後はならずものたちを全滅させます。

 プロットのディテールはかない違いますが、黒澤明監督も『黒澤明語る』(福武書店)において、「『用心棒』の場合はハメットの『血の収穫』ですね」という聞き手・黒田真人の指摘にたいして、「そうそう、あれはそうですよ。ほんとは断らなければいけないぐらい使っているよね」と答えています。

 しかし『血の収穫』を読んでみるとわかりますが、この小説は、一部銃撃戦のシーンなどもありますが、けっしてビジュアルではないと思います。黒澤監督の凄いところは、この小説をビジュアルで衝撃的なものに変えたところです。『黒澤明語る』では、映画の冒頭の有名な犬のシーンがどうして生れたかについても語られています。

 また、同じ黒澤明監督、仲代達也主演の『天国と地獄』は推理小説作家エド・マクベインの『キングの身代金』の翻案ですが、映画のヤマとなる身代金の受け渡しの部分は脚本の菊島隆三のまったくの創作と語っています。

 このプロットを作家三好徹が『乾いた季節』(河出書房新社)で盗用したと、映画を製作した東宝が発表しました。これに反発し三好は菊島隆三らを名誉毀損で逆告訴しました。さらに日本文芸家協会が、一方的な非難だと抗議しています。
 この事件は最終的には和解したようですが、『乾いた季節』はそのままお蔵入りとなり、再版はされていないようです。


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