『大人の実力』2

<『大人の実力』2>
図書館で『大人の実力』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、著者のいろんな作品の断章を並べただけの構成になっています。
つまり、編集者の好みだけでこの本を作ることができるわけだが・・・・こんなんでいいのだろうか?(いいんだろう♪)



【大人の実力】


浅田次郎著、海竜社、2009年刊

<「BOOK」データベース>より
みずから物を考え、悩み、行動する“真の大人”の言葉。
【目次】
1 大人の胆力/2 人間の値打ち/3 人生を貫くもの/4 大人の責任/5 大人の条件/6 仕事の真価/7 大人の恋/8 夫婦・親子の絆

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、著者のいろんな作品の断章を並べただけの構成になっています。
つまり、編集者の好みだけでこの本を作ることができるわけだが・・・・こんなんでいいのだろうか?(いいんだろう♪)

rakuten大人の実力


この本の構成に関して浅田さんが「あとがき」で弁明しているので、見てみましょう。
p183~187
<あとがき>
 このたび海竜社様から、三冊目となる書物を刊行していただいた。
 既刊は2003年の『僕は人生についてこんなふうに考えている』、ならびに、2004年の『ひとは情熱がなければ生きていけない』である。
 本書を加えれば三部作とも言える内容であるから、すでに前二巻も読了されている方も多いと思われる。

 『僕は人生についてこんなふうに考えている』では、本著と同様に私の著作から「おいしい部分」や「殺し文句」を、適切に選び抜いていただいた。何だか著者としては、不労所得をせしめているような気がして心苦しいのだが、ここまで上手に並べていただくと、まさに私の胸のうちそのものであり、またよきガイドブックでもある。

 一方の『ひとは情熱がなければ生きていけない』は、あちこちの雑誌に発表した私のエッセイの集積で、放っておけば散逸してしまうところを1冊にまとめていただいた。私自身は編集に協力したわけではないから、あらゆる雑誌に目を配っていなければならぬ、気の遠くなるようなお仕事であったはずである。

 まことに有難い。ご担当の平山光子女史と関係者の皆様には、三冊目となる本著についてのご苦労ご尽力も併せて、厚く御礼申し上げる。

 本著のテーマは、「大人とは何か」である。大人とは人生経験を経た人間のことであるから、相応の「大人の実力」を備えていなければならぬはずなのだが、どうもこのごろの大人は、むろん私自身も含めて、その実力とやらを欠いているように思える。

 たとえば、私たちが子供の自分に仰ぎ見た大人たちは、祖父母も父母も、ご近所のおじさんおばさんも、学校の先生も、もっとずっと老成していたような気がする。いや、気のせいではあるまい。たしかにそうだった。
(中略)

 先日、まるきりほっぽらしで勝手に育った一人娘と、夜っぴいて語り合う機会を得た。28になるまでほとんどしゃべったことがないというのは、いったいどういう親であろうか。
 さしさわりのない話題の中で、娘がふと思いがけぬ質問をした。
 どこでどうやって小説を書くことを覚えたのだ、と訊くのである。
 実に素朴な疑問だが、こればかりは私にもよくわからなかった。娘は私が父母と無縁で、教育も受けていないことを知っている。おれにしては偉そうな本を書いているので、不思議に思っていたらしい。

 何だかほっぽらかしで育った娘の嫌味のようにも聞こえたから、そりゃあおまえ親はなくとも子は育つのだよ、とか何とか、答えをはぐらかした。

 しかし後になってから、自分でも不審に思って答えを探した。たしかに本著にあるような説教癖は親からの受け売りではない。たいそうな教育も受けた覚えもない。ではいったい、何が私に小説を書かせたのかというと、それは紛うかたなく、私が読み耽ってきた書物そのものであった。

 断言してもよい。書物さえあれば、親も学校もいらない。それだけでいっぱしの大人になることはできる。
 世の中が豊かになり、社会は複雑になった。さまざまな利器が登場して、書物に親しむ時間を奪い始めた。人間が大人の実力を退行させ続ける原因は、ひとえにその現実なんであろう。


ウン 浅田さんはこの本の構成に関して「あとがき」の場を借りて説明(弁明?)してくれたがその後、書物の効用と社会の退行について一つの説教を垂れた。・・・この作家の実力なんでしょうね♪

この本も浅田次郎の世界に収めておくものとします。

『大人の実力』1

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