『日本男児』2

<『日本男児』2>
図書館で『日本男児』という新書を、手にしたのです。
この本は『オール読物』の不定期連載「頭からウロコ」を編集したもののようです。
さて、どれだけウロコが落ちるやら。


【日本男児】


赤瀬川原平著、新潮社、2007年刊

<「BOOK」データベース>より
データなし

<読む前の大使寸評>
この本は『オール読物』の不定期連載「頭からウロコ」を編集したもののようです。
さて、どれだけウロコが落ちるやら。

amazon日本男児



今ではすっかりいい人になって、新書を出しまくっているホリエモンであるが、赤瀬川さんもとりあげているので、見てみましょう。。
p102~104
<人間、死ぬのは想定内である>
 そもそもはプロ野球、近鉄バファローズのリタイアからだった。そこでライブドアという何か怪し気な名前の会社の堀江社長が名乗りを上げて、いろいろが始まった。

 怪し気といったが、別に他意はない。初めて聞く名前というのは、だいたいが怪し気に感じるもので、とりわけその原因はライブドアのラとブだと思う。イという母音はつい通過して、ラブドアとして耳目に達し、そういういやらしいドアはちょっと、子供たちにいかがなものかと、その感じが堀江社長のTシャツやぷるんとした肉体の振舞いに裏打ちされて、やっぱりねえ、という「良識」の壁が構築されていくのだった。

 となるとメディアが放っておくわけがない。たちまち「ホリエモン」というニックネームが出来て、それからというもの、ニッポン放送、フジテレビ、裁判所まで巻き込んで、メディアへの露出度は凄い。

 やはり露出なのだ。露出なんてするのはいかがなものか。人間は動物と違い、露出しない陰部を有することで人間なんだから。いや変な理屈はいうまい。マスコミはお陰で報道の素材を得て、これでまた商売ができる。

 そのホリエモンが「想定内」という言葉を発した。この言葉が何故か今的で、あちこちでその使い方を楽しまれて、ちょっとしたエッセイやマンガの中によく登場している。

 みんな何かこの言葉に今的なものを感じているのだ。この言葉に含まれるインテリ味と、パソコン味と、ある種の世代味と、あれこれミックス味が何か気になるわけで、まずは揶揄的に使ってみるのである。いつの時代も今的と感じる流行語はみんなそういうものだ。

 ぼくにはこれは、偏差値世代の味がする。
 「それは想定内でした」
 という言葉には、自分の偏差値の高さを誇示する感覚があらわれている。
 といってぼくなどは偏差値というものを現役としては知らなくても、ぼくらの時代は予備校さえなく、ただ馬鹿と利口がいるだけだった。
(中略)

 誰だって脳みそのランクを上げたいものである。いまの偏差値世代の前は団塊世代といわれて、あのころは左翼思想にまみれていた。その中での脳みそのランク上げに「CIAの陰謀」というのがあった。
 
 何か解析できない現象があると、それはじつはCIAの陰謀で、本当はAがBしてCとなっているんだ、そのくらいは常識だよ、みんな知っているよ、といって1ランク上の脳みそから他を見下そうとする。
 いわゆる陰謀史観というのがそれで、世の中の見えない陰の仕組みを知りたいという、誰にでもある知識欲によく適うものだった。

ウン この本の発刊当時(2007年)に、ホリエモンのインテリ味、世代味を感じた赤瀬川さんの慧眼には感服するのでおます。

『日本男児』1

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