『日本夢 ジャパンドリーム』5

<『日本夢 ジャパンドリーム』5>
図書館で『日本夢 ジャパンドリーム』という本を、手にしたのです。
中国夢に対しては、日本夢というのが、ええでぇ♪
・・・覇権国家ともいえる中国に対しては、どうしてもナショナリズムに振れる大使である。


【日本夢 ジャパンドリーム】


劉明福, 加藤嘉一著、晶文社、2018年刊

<出版社>より
中国人民解放軍国防大学教授/上級大佐である劉明福は、中国国内でベストセラーとなった『中国夢』の著者であり、その主張は、習近平国家主席が掲げる指導思想・国家目標「チャイナドリーム」の土台になったと言われる。その劉大佐が突きつけた痛烈な問い、「日本に夢はあるのか?」。中国の指導者層は、日本を、アメリカを、世界をどう見ているのか。日本人青年と人民解放軍将校が繰り広げる、日米中3国の未来をめぐっての激論の記録。

<読む前の大使寸評>
中国夢に対しては、日本夢というのが、ええでぇ♪
・・・覇権国家ともいえる中国に対しては、どうしてもナショナリズムに振れる大使である。

rakuten日本夢 ジャパンドリーム


第9章で、日本夢について、見てみましょう。(続き)
p278~281
<“80後”が日本を主導するとき、どんな“ジャパンドリーム”が生まれるか?>
劉:中国の台頭は日本にとって戦略的な契機ですか、それとも戦略的な挑戦ですか? 今後30年の間に予想される中米間の大攻防は日本にとって契機ですかそれとも挑戦ですか?

 加藤さんからみて、これからの10年、20年、30年、日本の前進を推進させる最大の外部動力や圧力は米国の覇権維持ですか、それとも中国の平和的台頭ですか?
 日本が今後10年で発展・進歩する上での最大のインセンティブを外部要素として見ると、それは中国ですか、米国ですか?
 米国という要素は日本に第一の“動力”を提供するのでしょうか? 或いは、中国という要素が日本に第一の“圧力”を提供するのでしょうか?

加藤:劉大佐のご質問にできる限り率直に答えたいと思います。私から見て、中国の台頭は日本にとって戦略的契機であると同時に戦略的挑戦です。私たちのミッションは自らの内外の努力と戦略を通じて、契機のほうが挑戦よりも大きくなるようにすることです。また、戦略や政策だけでなく、日本人は観念を改善、或いはアップグレードしていかなければならないと思っています。恐怖感に苛まれながら「中国の台頭にどう対応しようか?」と受け身になるだけではいけないということです。

 「中国の台頭からどんな旨味を得るか?」という主体的な姿勢で、「そのために米国という引力をどう利用するか?」というくらいの図々しさがこれからの日本人には必用だと思います。米国を最大限に利用しつつ中国に対応するのです。もちろん、日本の少なくない戦略家たちは、これまでもこういう姿勢で強かに日米中関係に向き合ってきたと思いますが。
 
 劉大佐が指摘された今後30年の米中の攻防は日本にとって何を意味するかという問題に関しては、必然的に「契機」だと言えるでしょう。日本は米中の攻防から漁夫の利を得る。米中の攻防が複雑に激化すればするほど日本の存在価値や機能が高まるような局面を日本人自らが作っていくことが求められます。指をくわえて米中の攻防を眺めるのではなく、自ら戦略を立てて、米中が主導しているように見える地域・グローバル情勢に積極関与していくのです。さもなければ、後手に回り契機は自然消滅してしまうでしょう。

 昨今、少なくない日本人は米国が日本にもたらすのは安全保障であり、中国が日本にもたらすのは発展空間であると考える傾向が顕著になってきているようです。この見方には一理ありますが、いずれにせよ、私たちは二項対立的な、両極端な思考回路をできる限り排除し、安全保障と発展空間というファクターを米中双方に照らし合わせながら自らを見つめ、未来へ向かっていく姿勢が求められると思っています。

劉:日本はただ漠然と軍事大国や政治大国を追及するべきではないと加藤さんは主張されますが、私からすれば、日本は現在すでに軍事大国であり政治大国です。しかも更に強大な軍事大国と政治大国の路線を追及しています。安倍首相の近年の一連の戦略的動作は国内で論議を呼ぶだけでなく、アジア太平洋をかき乱し、世界に影響を与えています。これら日本の戦略的動作の目的は、政治大国や軍事大国を追及する道のりを突き進むというものです。
 日本は国連常任理事国になるべく積極的に動いていくでしょうし、そうなれば日本は世界でさらなる影響力を持つことになります。

 80後や90後といった世代は安倍首相の近年の国内、地域、世界で大きな反響や論争を呼び起こしている動作をどう見ているのでしょうか?釣魚島問題、安保法案問題、改憲問題、靖国神社参拝問題、歴史問題などと、日本が政治大国と軍事大国を追求するプロセスの関係性をどう見ているのでしょうか?

加藤:先にも議論しましたが、戦後の日本において、少なくない日本人、特に中国世論に“右翼勢力”と形容されるような人々は日本が政治大国、軍事大国になることを渇望しています。彼らの中には「戦後の日本は平和国家として歩んできた。時間と実践を持って平和国家として歩み続ける意思を証明してきたのに、まだ自らの軍事力を発展させてはならないのか? この期に及んでまだ自らの軍隊を持つことができないのか? 自分の国を自分で守って何が悪いのだ?」という類のフラストレーションが溜まっているようです。

 このような情緒や言論は若者世代の間でも一定のマーケットを持っていると私は感じています。少なくない若者、特にネトウヨなどと呼ばれるような人々は、インターネット上で日本が政治大国や軍事大国になるべきだ、中国の台頭に打ち勝つだけの軍事力を持つべきだと匿名で主張しています。

 私の観察によれば、日本が政治大国と軍事大国になる過程で日米同盟を破棄すべきだと主張することは、特に社会的に発言権や影響力を持つような人においてはほとんど見当たりません。そのほとんどは日米同盟の中で日本の発言権や主体性を充実させ、同盟関係をより双方向的、平等的、世界的に深化させていくべきだというものです。


中国の人民解放軍は第二次世界大戦終結後も現在まで、各地で戦争を続けてきたし、一方で、戦後には戦争はおろか、一人の死者も出していない自衛隊が存在するわけで・・・
このかけはなれた現実が、お二人の議論があまり噛み合わない土俵となっているようですね。

『日本夢 ジャパンドリーム』4:日本夢について(続き)
『日本夢 ジャパンドリーム』3:日本夢について(続き)
『日本夢 ジャパンドリーム』2:日本夢について
『日本夢 ジャパンドリーム』1:“中国時代”はなぜ“米国世紀”を淘汰するのか?

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