『野生のティッピ』3

<『野生のティッピ』3>
図書館で『野生のティッピ』という本を、手にしたのです。
冒頭にティッピの写真が数枚載っているが、どれにもティッピの魅力的な能力が写っています。
・・・これは期待できそうである。



【野生のティッピ】


シルヴィ・デグレ・ロベ-ル, アラン・デグレ著、小学館、1997年刊

<「BOOK」データベース>より
ティッピは、ナミビア生まれの最初のフランス人だ。私たちはこの広大なアフリカの地平線を、ティッピとともに分かちあうのだ。彼女は動物たちとふれあいながら、世界でもっとも美しい風景の中で大きくなっていくだろう。アフリカに移り住んだ家族の、愛と自由に溢れる驚愕のノンフィクション。

<読む前の大使寸評>
冒頭にティッピの写真が数枚載っているが、どれにもティッピの魅力的な能力が写っています。
・・・これは期待できそうである。

rakuten野生のティッピ

アフリカーンス語


アランとシルヴィの南アフリカ滞在を、第4章「ミーアキャットが待っている」で見てみましょう。
p49~54
<Alain>
 すれ違う人の数がだんだん少なくなり、その格好はますます風変わりにはってきた。ここでは英語は一言も通じない。通じるのはアフリカーンス語だけ。観光客はすでにほとんどおらず、ましてフランス人など一人もいなかった…。

 私はやっとバンガローと地図、それに英語で書かれたルール冊子を手に入れた。ここのルールもクルーガー・パークと同じで、《日没前に帰ってこなければいけない》と定められている。
 バンガローも同じたぐいの軍隊式のもの。管理人の態度も同じでとっつきにくい。
 しかし、いったんゲートを越えればこちらおもの。私は砂の道路を、以前は川だった大地の筋に沿って走った…。私は、いよいよミーアキャットの生息地帯に入った。そして、双眼鏡を首からつるし、ミーアキャットを探しはじめた。

 三日間、私はバンガローに帰らなかった。みんなすっかり仰天して、私を探しまわったらしい。私のほうは二日を費やして、やっと遠くにミーアキャットの一群を見つけた。私はすぐに、そこからいちばん近い町アピントンに行き、シルヴィに電話をかけた。

 「きみも絶対ここに来なきゃだめだ。とにかく素晴らしいよ」
 「でも私、病気なのよ。仕事が思うようにいかなくて…気分が悪いのよ」
 「だから来なきゃいけないんだよ。ここに来れば絶対治るって。とにかく、朝一番の飛行機に乗って飛んでこいよ。迎えにいくよ」
(中略)

 二人のスチュワードに両脇を抱かれた、ほっそりした人影が見えた。シルヴィはふらふらで、まるでゾンビだった。彼女は文字どおり私の腕のなかに倒れこんだ。
 「だから言ったでしょ。熱があって、気分が悪いのよ。飛行機に乗っているあいだじゅう、うつらうつらしていたの。着陸したとき、外を見たらあっちこっちに《ルンガウェ》と書いてあるのが見えたので、アピントンではないと思って、またうとうとしはじめたの。飛行機がまた飛び立とうとしてエンジンを回しはじめたとき、アピントンには何時に着くのか訊いてみたの。そしたら、スチュワードがもう一度聞き直してから、『奥さま、ここがアピントンですよ。この飛行機はまもなく出発してしまいます!』と言ったのよ。ちょっと考えてみてよ、アラン。《ルンガウェ》って、アフリカーンス語で空港っていう意味なのよ! まったく、ここの人たちは、そこらじゅうに空港と書いているのに、空港の名前は書いていないのよ」
 
 のちに彼女がこの話をしても、南アフリカの白人は誰も笑わなかった。みんな決まってこう言うのだ。
 「だからアフリカーンス語を習わなければいけないんだよ」
 確かにアフリカーンス語は南アフリカの第二の公用語で、通じる範囲は英語より広い。しかし、この言語は喉を使って音を出すのでなんとなく耳障りだし、何よりアパルトヘイトの言語なのだ。だから、私たあちはこの言語を習おうとは思わなかった。

<Sylvie>
(中略)
 空港では、タラップを降りたところでアランが私を抱きかかえ、そのままワゴン車のところへ運んでくれた。彼が後ろの座席を倒してくれたので、私はそこに横になり、そのまま眠りこんだ。

 だから、私は国立公園までの舗装されていない道路の様子をまったく見ていない。アランが赤い砂ぼこりのなかを突き抜けて車を走らせているとき、私はひたすら眠っていったのだ。目を明けたのは、車が<カラハリ・ゲムズボック・パーク>のゲートの前に止まったときだった。

 入口を通過したのち、アランは休みも取らず、さらに二百キロも車を走らせて、私をノソブ・キャンプに連れていった。この世界の果てには数軒の小屋が建っているだけ。レンジャーが一人と動植物を研究しにきている科学者夫妻しか住んでいなかった。

 この科学者夫妻は、発信器を仕込んだ首輪を動物たちにつけたり、植物の標本を採取して、それを小さな実験室で分析したりしていた。奥さんがアネット、旦那さんがマイクというナイト夫妻は、のちに私たちの最良の友人となるのだが、このときにはほんの少ししか会う機会がなかった。


『野生のティッピ』2:アランとシルヴィ(つまりティッピの両親)
『野生のティッピ』1:ティッピとリーダー象アブーとの交流

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