『アメリカ 暴力の世紀』1

<『アメリカ 暴力の世紀』1>
図書館に借出し予約していた『アメリカ 暴力の世紀』という本を、およそ半年待ってゲットしたのです。
ジョン・ダワーといえば、日本通の学者として著名であるが・・・
トランプ時代を危惧する日本語版オリジナルの序文とやらが、興味深いのです。


【アメリカ 暴力の世紀】
暴力
ジョン・W.ダワー著、岩波書店、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
第二次大戦および冷戦の覇者、アメリカ。そのアメリカは、どのような経緯で現在の世界の、そして自国の混沌を生み出してしまったのか。大ベストセラー『敗北を抱きしめて』の著者があらたに取り組む、アメリカの暴力の歴史。軍事をめぐる歴史と、テロなどの不安定の連鎖拡大の現状について、簡潔に、かつ深く洞察した。特別の書下ろしとして、トランプ時代を危惧する日本語版オリジナルの序文を付す。

<読む前の大使寸評>
ジョン・ダワーといえば、日本通の学者として著名であるが・・・
トランプ時代を危惧する日本語版オリジナルの序文とやらが、興味深いのです。

<図書館予約:(1/15予約、7/04受取予定)>

rakutenアメリカ 暴力の世紀


日本語版への序文を、見てみましょう。
p8~10
日本語版への序文 
 「アメリカ・ファースト」や「アメリカを再び偉大な国にする」という彼の好戦的な宣言が意味しているのは、根本的にはそういう不安のことなのである。アメリカ合衆国がこれまで防衛してきたと主張する価値観には全く関心がない。そうした価値観とは、民主主義、規則に則った世界秩序、国際条約の重要性、人権ならびに市民権の擁護、最適な多国間協力という理想などである。

 「社会正義」というのは、彼の政治用語においては軽蔑すべき言葉なのである。「国際主義」も同じように扱われている。

 そのような反動的かつ自己愛的で、悪名高いほど激情的な人間が、現在、そしてこれからの数年間、圧倒的に破壊的な暴力を使う権限を持っているということは恐ろしいことである。トランプが、国内の政治的困難に応じるために、海外に攻撃先を求めていくということを想定するのは不当なことではない。こうした方策の中には、北朝鮮あるいはイランに対する軍事攻撃、シリアやアフガニスタン、あるいは中東・北アフリカのその他の国に対する軍事攻撃の可能性が含まれている。

 現在高まりつつあるロシアや中国との緊張関係が、トランプの病的とも言える自己中心的な行動によって急激に悪化することも十分ありうる。実に驚くべきことだが、すでに彼は、アメリカとEUやNATOの関係でさえ不安定にしてしまった。

 トランプに対する最も厳しいアメリカの批判者の中には、彼の正気のほどを疑問視し、彼を「一種の病気」と呼ぶ者たちさえいる。これほど頻繁には使われてはいないが、しかし最終的にはもっと不安を呼び起こす表現は、トランプはアメリカと世界の両方に見られる醜悪な流れの兆候でありまたその象徴でもある、と見なすものである。

 現在の我々にとって極めて危険なことは、トランプ個人ではなく、むしろ彼を世界の全般的状況のバロメーターとしてみることができいるという事実である。トランプの不寛容性と「アメリカ・ファースト」の愛国主義は、国際主義の拒否と、世界的に見られる民族間、宗教間の憎悪、愛国主義的な憎悪と完全にマッチしているのである。

 もっと具体的に言うならば、トランプの極端な言語表現と行動を好む性癖は、もともとアメリカの気質なのである。彼は、アメリカの国家と社会には力があり、その力が第二次世界大戦以来、繰り返し自国の高貴な理想を唱導し、推進してきたと考えている。しかし同時にそれが、アメリカの軍事化と世界的規模での非寛容性と暴力行使に積極的に加担してきたのである。

 この後者のアメリカは、常に、偏狭な行為、人種偏見、被害妄想とヒステリーを生み出してきた。ドナルド・トランプのような扇動政治家で残酷な軍事力を重要視する人物は、こうした状況でこそ活躍するのである。いわゆる「アメリカの世紀」のこの暗鬱な戦後史の側面の分析が、この小著のテーマである。


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