『変調「日本の古典」講義』2

<『変調「日本の古典」講義』2>
図書館に借出し予約していた『変調「日本の古典」講義』という本を、約2週間待ってゲットしたのです。
タイトルが難しそうな本は、早期ゲットには狙い目でんな♪


【変調「日本の古典」講義】


内田樹, 安田登著、祥伝社、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
思想家・内田樹と能楽師・安田登。異才の二人が語り尽くす。日本文化の奥の底のさらに奥へ!能、論語、古事記…あまりに濃厚な対談講義。

<読む前の大使寸評>
古典と名がつけば図書館予約は少ないだろうという読みはバッチリ(予約4)でした。
果して、論語、古事記はどう語られるのか?・・・期待できそうでおます。
この本を約2週間待ってゲットしたのだが、タイトルが難しそうな本は、早期ゲットには狙い目でんな♪

<図書館予約:5/13予約、6/30受取>

rakuten変調「日本の古典」講義



世界のあちこちに孔子学院を建てる中華には困ったものであるが・・・
この本で孔子はどのように語られるのか、見てみましょう。
p80~83
■白川静と孔子 
内田:僕が『論語』を再読するきっかけになったのは、諸星大二郎の『孔子暗黒伝』(集英社文庫)ですけど(笑)。

安田:いいなあ。僕も好きです。

内田:それから酒見賢一の小説『陋巷に在り』(新潮文庫)。この二作で、孔子の思想が実に行動的でダイナミックなものだという新しい解釈を知ったわけです。でも、この二作にはインスパイアする「元ネタ」があって、それが白川静の『孔子伝』だった。
 諸星大二郎、酒見賢一、お二人とも『孔子伝』を読んで、その影響下にマンガと小説を書いたんじゃあないかなと思います。

 白川先生は、厳密に学問的な考証の上で、『史記』に書いてある孔子についての記述は信ずるに足りないと断定するところから始まるでしょう。
 「孔子の世系についての『史記』などにしるす物語は、すべて虚構である。孔子はおそらく、名もない巫女の子つぃて、早く孤児となり、卑賤のうちに成長したであろう。そしてそのことが、人間についてはじめて深い凝視を寄せたこの偉大な哲人を生み出したのであろう。思想は富貴の身分から生まれるものではない」(白川静『孔子伝』中公文庫)

 漢の時代から国家によってオーソライズされた孔子像を一度全否定するところから『孔子伝』は書き始められます。でも、そうやって描かれた孔子像が実に魅力的なんですよ。

安田:そうそう、その通りですね。孔子は完全無欠の偉人ではなく、苦悩した人だった。

内田:それまで僕は老子や荘子に比べて、孔子は世俗的な人だと思っていたんです。世渡りの教訓のようなことばかり言っているはずなんだけれど、そのわりには意味が分からず解釈できない文言が多い。実利的な処世訓を述べている人なら、もっと簡単に書けばいいのに、と。

 でも、そうじゃないというのが白川静説ですよね。ある意味で、孔子は老子や荘子よりむしろ難解だ、と。だから、白川先生の『孔子伝』を読んで、すとんと腑に落ちた。安易な人生訓だと思っている読み方が間違っていて、孔子の本当の思想はもっとずっと深いものではないかと思い始めた。

■なぜ六芸は「礼」から始まるのか 
内田:孔子の深さは「六芸」という思想にも示されていると思います。礼、楽、射、御、書、数の、この順番に僕は興味が湧いたんです。どうしてこの順番なんだろう、と。今、学校教育で教えているのは、もっぱら書と数(読み書き算盤)ばかりですよね。最初の四科は教育の主要教科にカウントされていない。

 「礼」が第一の芸ですが、これが白川先生の解釈だと「鬼神を祀る儀礼」のことです。「超越的なものとコミュニケーションする技術」と言い換えてもいい。要するに、「この世ならざるもの」とどのように関わるか、「それ」がもたらす災禍をどうやって抑制し、「それ」がもたらす祝福をどうやって受け入れるか、そのための技術知が第一に来る。

 これは実に深い見識だったと思います。礼というのをただの礼儀作法のことだと解釈している人がいますけれど、そんなものが君子の習得すべき技芸の第一位に置かれるはずがない。学知というのは、どこからどこまでが「人知の及ぶ領域」で、どこから「人知の及ばぬ領域」が始まるか、まずその境界線を確定するところから始まるに決まっています。それはあらゆる学問が何を扱い、何を扱わないかを確定するところから語りだされるのと同じです。

 「礼」というのは人知の及ぶ限界を確定するときの、一番遠い線のことだと僕は思います。「この世に存在しないもの」と関わるための技術知。礼を通じてはじめて人間は「この世に存在するもの」との適切な関わり方を学ぶ。これは僕の実践的確信です。


『変調「日本の古典」講義』1


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック