『小村雪岱随筆集』2

<『小村雪岱随筆集』2>
図書館で『小村雪岱随筆集』という本を、手にしたのです。
おお 表紙の線描画が小粋ではないけ・・・背景が白一色というのがいいのかも♪


【小村雪岱随筆集】


小村雪岱, 真田幸治著、幻戯書房、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
大正から昭和初期にかけて活躍した装幀家、挿絵画家、舞台装置家の著者が書き留めていた、消えゆく江戸情緒の世界。没後、昭和18年(1943)に刊行された随筆集『日本橋桧物町』(30篇収録)に、新たに発掘された44篇を加え刊行。
【目次】
1 装幀と挿絵/2 女/3 舞台と映画/4 町と旅/5 雑/6 泉鏡花と九九九会
<読む前の大使寸評>
おお 表紙の線描画が小粋ではないけ・・・背景が白一色というのがいいのかも♪

rakuten小村雪岱随筆集

日本橋

装丁への執着が語られているので、見てみましょう。
p33~34
<表紙は鹿革>
 私が始めて書籍の装丁を致しましたのは、たしか今より25、6年前に、久保田万太郎氏の路といふ小説であつたと思ひます。其の次が泉鏡花先生の日本橋でありました。それから今日までに恐らく数百種の装丁をしたと思ひますがさて気に入つたものは出来ないものであります。

 近来は或る特殊のものは別として多くは大量生産で定価をやすく致しますため木版色刷を用ゐ度いものも或はオフセットや機械木版となり、用紙も手ざはりの軟い日本紙のほしい時に西洋紙となったり致しまして、如何致しても品位が悪くなりがちであります。それからも一つ困りますのは時日の無くなった事で、大抵の場合初めて聞きます時には本文の校了間近なのであります。

 それを私の方では1日延ばしに延ばし、出版所では催促を重ねて漸く出来上がる様な始末で、如何にも念の入れ方が不足なのであります。しかしながらこれもかういふ時代なのでありますから致し方はありますまい。

 つまり非常に早くて非常によいものが出来なければ駄目な時節と思はれます。
 私はあまり経費をかけない上での好みと致しましては、なるべく加工費を使わず、絹或いは紙等の材料によくよく工夫をこらし且つ製本の堅固なものを喜びます。
(中略)

 たとへば泉鏡花先生の小説と致しましたら、書籍の型は菊版、用紙は純白な薄い上質、本文は全部4号活字に致したい。表紙は鹿革を紫根で染め上げて模様は一も用ゐず標題と著者の名を金に致します。そして天地の角ぎれを浅葱色の羽二重にし、見返しは白緑青の引染、箱は極く調子に心を用ゐた紺紙に文字は銀泥。この様な本を作って見たいと思ひます。


『小村雪岱随筆集』1
『小村雪岱 物語る意匠』1

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