『「地球のからくり」に挑む』2

<『「地球のからくり」に挑む』2>
図書館で『「地球のからくり」に挑む』という新書を、手にしたのです。
地球科学者が語る科学と文明史ってか、ちょっと地味めであるが・・・興味深いのでおます♪



【「地球のからくり」に挑む】
地球

大河内直彦著、新潮社、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
地球は謎の塊である。その塊からエネルギーを次々に獲得し、万物の長となった人間は、今やエネルギー中毒に罹っている。なぜこんなことになったのか?そもそも地球の定員は何人か?宇宙から飛来した石油の源、毒ガス開発学者が生み出した新肥料、未来の新エネルギー…第一線の地球科学者が工学、文化人類学、文学などの広範な最新知見を縦横に駆使し、壮大な物語を綴る。科学と文明史が見事に融合した快作。

<読む前の大使寸評>
地球科学者が語る科学と文明史ってか、ちょっと地味めであるが・・・興味深いのでおます♪

rakuten「地球のからくり」に挑む

防毒面

ハーバー・ボッシュ法には光と影があるわけで、その影を、見てみましょう。
p46~49
<第一次世界大戦とアンモニア合成>
 アンモニア合成の研究が一段落した頃、第一次世界大戦が勃発した。多くのドイツの科学者と同様、ハーバーも祖国を守るために立ち上がった。

 ハーバーが開発した塩素系の毒ガスは、結果的にはフランス軍とイギリス軍の兵士のおよそ5000人もの命を奪った。毒ガスを吸った兵士たちは、咳き込み、血を吐いて苦しみながら息絶えるのである。ハーバー自身軍服に身を包み、フランス国境付近の西部前線に赴いて、毒ガスを散布する陣頭指揮まで執っていた。
(中略)

<「毒ガス」科学者の功績>
 ハーバーはユダヤ人だったため、ナチスが政権を握った後、その立場は危ういものとなる。そして1933年には、当時所長を務めていたベルリンのカイザー・ウィルヘルム化学研究所(戦後改名されマックス・プランク研究所となる)の所長職を自ら辞し、祖国ドイツから立ち去った。実質上の国外追放処分であった。その後各地を転々とするが、持病の心臓発作を繰り返し、翌年の1月にスイスのバーゼルにおいて65年の生涯に幕を下ろす。

 ハーバーほで強烈に、科学の光と影の二面性を併せもつ科学者は、後にも先にも見当たらない。おかげでハーバーの科学的な成果は、長らく毒ガスの開発者および撒布者という影の側面とともに、かなり控え目に評価されてきた。しかし、地球の人口が増加することの善し悪しは別にして、地球の人口が70億人を超えた現在の人類の繁栄は、ハーバー・ボッシュ法を抜きにしてはありえない。

 21世紀の今、この方法を通して作られ世界の田畑に撒かれる窒素肥料は、窒素量にして1億トンに達している。おかげで、私たちの身体に含まれる窒素の三分の二が、ハーバー・ボッシュ法に由来するものである。
 この窒素肥料がもしなかったとしたら、現在の世界の人口は30億人ほど少なかったはずだと専門家は推定している。

 ただし忘れてはいけないことがある。ハーバー・ボッシュ法がいかに優れた発明だったとはいえ、それを活用して肥料を作り出すためにはエネルギーが必要である。巨大な反応炉の中で高温・高圧状態を作り出すためには、大量のエネルギーが必要だし、そもそも原料となる水素を生み出すために、高温下で石炭と水を反応させねばならない。ハーバー・ボッシュ法が実用化された当時、1グラムのアンモニアを合成するために、100キロジュールものエネルギーを必要とした。

 アンモニアを合成する際のエネルギー効率は時代とともに上がり、現在は当時の半分以下のエネルギーで合成することができる。その一方で、アンモニアの合成量は桁違いの伸びを示した。現在80の国で550ものプラントが日々アンモニアを生み出し続けている。当然の結果として、人類は大量のエネルギーをアンモニア合成につぎ込んでいる。その量は1年間になんと5000兆キロジュールにも達する。これは大型の原発150基分にも相当する莫大な量だ。

 エネルギーなしに、便利な暮らしにありつけないどころか、そもそも地球上に暮らす人々の食料を供給することさえままならない。つまりエネルギーとは、私たち人類の命そのものにも深く関わっているのである。

ウーム 大型の原発150基相当のエネルギーをつぎ込んで人類に資するハーバー・ボッシュ法なのか・・・
偉大な発明だったようですね。

『「地球のからくり」に挑む』1

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