『とっぴんぱらりのぷう』2

<『とっぴんぱらりのぷう』2>
図書館で『とっぴんぱらりのぷう』という本を、手にしたのです。
キャッチーな本のタイトルに目がいくが、「とっぴんぱらりのぷう」とは(秋田の方言で)昔話の終わりにつけられる決まり文句だそうです。
ぱらぱらとめくってみると・・・
取り上げた作品は古典的な冒険小説であるが、その薀蓄と新解釈がすごいわけです♪



【とっぴんぱらりのぷう】
sとっぴん

田中芳樹著、光文社、2009年刊

<「BOOK」データベース>より
稀代のストーリーテラーによる読書案内。著者ならではのユニークな読み解き方が満載で、「古典」でぐんと身近に感じられる。物語への情熱を共有できる作家仲間との対談も必読。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると・・・
取り上げた作品は古典的な冒険小説であるが、その薀蓄と新解釈がすごいわけです♪

amazonとっぴんぱらりのぷう


柳広司氏との対談『ぼくらはこんな物語を読んできた』を、見てみましょう。
p169~175
<■胸躍るパロディ> 
Q:おふたりとも本当にたくさん本を読まれていらっしゃいますが。

柳:15歳のころから、月十冊は読むと決めて読んで、今は十五冊くらいです。大学のころは暇にあかせて年五百冊くらいは読んでいたと思いますけど。今は年二百冊くらいはなんとかしがみつくように読んでいます。

Q:田中さんもたしか学生時代には年に五百とか六百とのことでしたね。

田中:予備校時代にも(笑)。

柳:でも私自身は、読者としてずっと読んできただけで、日記はおろか絵日記すら書いたことがなかったんです。大学も専攻は文字とは全然関係なくて、それがある日突然書きはじめてしまった。

田中:へえ、そうだったんですか。

柳:ある事情があって、本がまったく読めない状況に三週間くらい置かれちゃいまして。持ってた本も全部読んじゃって、しかたがないから自分で…。

Q:読むものがなくなったから…。

柳:書くしかないんだけど、もともと自分の文章というのがないので、その頃いちばん好きでリズムが入っていた、清水俊二訳のチャンドラーのパスティーシュを書いたんです。で、書いたからにはしかたないんである新人賞に出したら、最終候補まで残ってしまって、選考委員から、「これ、チャンドラーのパクリだよ」って指摘していただいて、「ああよかった」と思ったんです。あれがそのまま通っていたら、ちょっとまずかったですね(笑)。

田中:そのまま通ってしまった実例ってほんとにありますから(笑)。ぼくもガラになく新人賞の選考委員なんかやらせていただきましたし、あぶないな、他人事じゃない。

Q:パスティーシュやオマージュだとわかって楽しむには、読むほうにも素養がいりますよね。

柳:私は基本的にオリジナルなんてないんんだと思っています。読んだものを積み重ねていったものがあるだけで。

田中:蓄積ですね。むしろインスパイアされたところからできあがっていくんですよね。それは元の作品に対するリスペクトがあるかどうかでやっぱり違ってくると思いますし。

柳:本を読んできて思い知らされるのは、自分で考えてることなんて、すでに誰かが考えてることなんだということですね。書きはじめる以前にそれは徹底的にたたき込まれましたから、これが自分のオリジナルなどいうおこがましい考えはそもそも持ち得ませんでした。

田中:ある意味でこれ(『漱石先生の事件簿』)は理想なんだと思うんだけど。これを読んだ中学生なりが、「じゃあ『吾輩は猫である』を読んでみよう」というようなのがね。ぼくも以前『ラインの虜囚』という作品を書いたとき、元ネタになったものをとにかく読んでほしいと思いましたから。

柳:一応、正編からは離れないように、つじつまが合わないものは合わないなりに敬意を払って書きます。基本的に読書というのは、誤読も含めて読者の自由ですから。私は『坊ちゃん』を読んで、「これは日本初のハードボイルだ!」って勝手に思って、パロディを書きましたし。

田中:柳さんの作品を拝読していて、古今東西、人選が凄いなと思うのですが。

柳:そこらへんはやっぱり、中学高校で自分が読んで夢中になった小説なり、衝撃を受けた本がベースになっています。オリジナルに対するリスペクトなり、愛なりがないと、パロディは成立しませんから。オリジナルは自分自身がその前にひれ伏すくらいの作品ですね。

 『ソクラテスの弁明』は、その行間からプラトンの「何でなんだ!?」という悲痛な声が響いてくる名作なんですけど、そのプラトンの問いに答えるような形で書いたのが『饗宴 ソクラテス最後の事件』です。出版社からは「何だって? ソクラテスを探偵にして、それで読者がつくか?」って言われましたけど(笑)。

『とっぴんぱらりのぷう』1

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