『ウニはすごい バッタもすごい』3

<『ウニはすごい バッタもすごい』3>
図書館に予約していた『ウニはすごい バッタもすごい』という本を、待つこと5ヶ月でゲットしたのです。
本川さんの著書の素晴らしさは、前著『ゾウの時間 ネズミの時間』で、よく覚えていました♪



【ウニはすごい バッタもすごい】
ウニ

本川達雄著、中央公論新社 、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
ハチは、硬軟自在の「クチクラ」という素材をバネにして、一秒間に数百回も羽ばたくことができる。アサリは天敵から攻撃を受けると、通常の筋肉より25倍も強い力を何時間でも出し続けられる「キャッチ筋」を使って殻を閉ざすー。いきものの体のつくりは、かたちも大きさも千差万別。バッタの跳躍、クラゲの毒針、ウシの反芻など、進化の過程で姿を変え、武器を身につけたいきものたちの、巧みな生存戦略に迫る。

<読む前の大使寸評>
本川さんの著書の素晴らしさは、前著『ゾウの時間 ネズミの時間』で、よく覚えていました♪

<図書館予約:(8/20予約、1/14受取)>

rakutenウニはすごい バッタもすごい 

貝オオナルトボラ断面


「第3章 貝はなぜラセンなのか」から巻貝の構造を、見てみましょう。
p99~104
<殻を立体的に盛り上げる> 
 1枚の殻をもった一般的軟体動物から進化した仲間は、殻を二次元の平面ではなく三次元の立体的な形にした。浅い陣笠状の殻を、傘を横へと広げるのではなく、丈を高くしてとんがり帽子のようにしていった。こうすると体を大きくしても足が岩に付着する面積は増やさなくてよいから、住み場所不足の問題を回避できる。

 また、立体的にすると殻の内部に余裕をもてるため、大きく広げられる軟体部をもつことができる。ふだんは軟体部を岩の上に大きく広げて活動し、あやうい時にのみ殻の収納スペースに引っ込めるようにすれば、より活動範囲が広げられるだろう。

 このように丈が高くなることには利点があるのだが、では、どんどん殻の丈を高くしていけばいいのかというと、それには限度があるだろう。丈の高いものは安定性が悪い。丈が高いと、殻がほんの少し傾いただけで重心が底面から出てしまうのでひっくり返る。またとんがった先端に力が加わると、丈が高いほど根元に大きな力がかかって岩から引き剥がされやすい。
 さらに波や流れの力は岩の表面から離れるほど大きくなるから、丈が高くなればなるほど、ますます殻に大きな力が加わって殻は岩から引き剥がされやすくなっていく。これは危ない。

 そこで丈を高くするのではなく、殻の先端部を前方に曲げて巻くようにする。すると高くせずに体積を確保できる。殻はどんどん渦巻き状に巻かれていき、今の巻貝になっていった。

<貝の殻は対数ラセン> 
 貝の巻き方には特徴がある。螺旋に巻いているのである。そもそも「螺」とは巻貝のこと。螺殻のように旋回しているのが螺旋である。螺旋はネジとも読み、ネジみたいに回りながらせり上がっていく三次元的な巻き方がラセン。

 ラセンを広い意味にとると、せり上がらずに蚊取り線香のように平面内でぐるぐる回って二次元的に広がるラセンもある(これは渦巻とも呼ばれる)。巻貝の殻は立体的なラセンだが、同じ軟体動物でも頭足類(イカ・タコの仲間)であるアンモナイトやオウムガイの殻は平面的ラセンである。

 立体であれ平面であれ、軟体動物のラセンは巻きながら、巻いている間隔が広がっていく。その広がり方は、一巻きごとの間隔の増加分が、前の巻の増加分に定数をかけたものになっている。つまり巻の間隔が一定の比率で増加しており、こうしたラセンは対数ラセンと呼ばれる。同じ巻くといっても、なぜ貝は対数ラセンなのだろうか。

 これには成長の問題が関係している。貝の体は、外側をすっぽりと外骨格の殻で覆われており、この点は昆虫と同じ。昆虫のところで述べたが、中の本体が大きくなろうとしても、外側から硬い殻で押さえ込まれているため、成長できない。そこで昆虫の場合には、殻をいったん脱ぎ捨てて新たに一回り大きな殻をつくり、脱皮を繰り返しながら成長していく。昆虫はこんな手間のかかることをやっていた。

 ところが貝の方は脱皮しない。貝が昆虫と異なる点は、体が外骨格で覆われ尽くされているわけではなく、殻の下側が開いているところ。その開いた口の縁に石灰を付け足して殻を成長させることが可能だからである。
(中略)

 対数ラセンの殻は、巻貝の仲間(腹足類)で大いに発達した。巻貝の殻はじつにさまざまな形をとっているが、断面の円い筒がぐるぐるとラセンに巻いている点では皆同じ。ラセンの一巻きごとにラセンの径が何倍になるか、一巻きでどれだけ殻の高さと筒の直径が増えるか、という数字を変えるだけで、すべての殻が一つのラセンの式で書き表せる。

 これは他の貝殻類でも同じ。アサリやハマグリのような二枚貝類の殻は、巻き方が弱く、ラセンは急速に広がってしまって、ちょっと見にはラセンには見えないのだが対数ラセンである。


この本の表紙に「デザインの生物学」という副題が付いているが・・・
巻貝の構造の必然性などは、まさにその副題にフィットしています♪

『ウニはすごい バッタもすごい』1:昆虫の骨格
『ウニはすごい バッタもすごい』2:昆虫と水の関係
『ゾウの時間 ネズミの時間』1:生物界には車輪がない
『ゾウの時間 ネズミの時間』2:クチクラの外骨格

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック