『老後破産』1

<『老後破産』1>
図書館で『老後破産』という本を、手にしたのです。
大使の漠然とした不安は、この本に要約されているのかも?
もう手遅れかも知れないが、対策を立てなあかんなあ。


【老後破産】
老後

日本放送協会、新潮社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
年金だけでは暮らしていけない!平均的な年金支給、自宅を所有、ある程度の預貯金…それでも「老後破産」は防げない!なぜ起きるのか、その実態はどうなっているのか、予防策は?「予備軍」も含め、驚くべき現状を追った衝撃のルポ!

<読む前の大使寸評>
大使の漠然とした不安は、この本に要約されているのかも?
もう手遅れかも知れないが、対策を立てなあかんなあ。

rakuten老後破産


「老後破産」の一例を「はじめに」の中に、見てみましょう。
p2~4
<はじめに> 
 板垣プロデューサーは、このような境遇におかれた高齢者を「老後破産」と呼ぶことにしたという。

 説明を聞きながら頭に浮かんだのが、『ワーキングプア』の時に私たちが取材した、秋田県仙北市の鈴木勇治さん(当時74歳)のことだった。鈴木さんは洋服の仕立て屋を営んでいたが、地方が衰退する中、売上は伸びず、年収は24万あまり、それに毎月6万円の年金で暮らしていた。

 一回の食事にかけられる費用は100円から200円。取材した日のおかずはイカの缶詰と3パック99円の納豆だけだった。鈴木さんには寝たきりで入院している奥さんがいた。1ヵ月の入院費は6万円。鈴木さんの年金はこの入院費に充てられていた。

 それなら生活保護を受ければ、と思うだろうが、鈴木さんには100万円の預金があった。生活保護を受けるには財産とみなされる預金を取り崩す必用がある。鈴木さんは決してこの預金に手を付けようとはしなかった。妻の葬儀代にあてるための大切なお金っだからだ。典型的な「老後破産」の境遇だといえる。

「結局、貧乏人は早く死ねということか」
 とつぶやく鈴木さんの言葉は、私の胸に深く突き刺さった。

 番組終了後もスタッフは鈴木さんと連絡を取り合っていた。入院していた奥さんはその後亡くなり、鈴木さんは奥さんのために盛大な葬儀をあげたという。その後、病気がちになった鈴木さんは店をたたんだ。蓄えを葬儀に使い果たしたことで生活保護の受給が可能になり、今は施設で暮らしている。残酷な言い方かもしれないが、妻の死と引き換えに最低限の生活が保障されたということになる。そういう仕組みであり、それが現実なのだろうが、不条理さ、割り切れなさを感じてしまう。

 今、お年寄りを取り巻く環境は極めて厳しい。少子高齢化が急速に進む中、年金、医療、介護といった社会保障給付費は、国民所得額の30%以上を占めている。現役世代が65歳以上の高齢者を何人で支えるかを見てみると1990年は5.1人でひとりの高齢者を支えていたものが、2010年には2.6人、2030年には1.7人と、ほぼ現役世代ひとりで高齢者ひとりを支える構造に近づいている。

「自分たちだけ恵まれやがって」
 という声も若い世代から聞こえてくる。世代間の厳しい対立だ。憲法が保障する最低限度の水準である生活保護についても「もらい過ぎではないか」という批判や不正受給問題をことさら取り上げる一部マスメディアなどの言説も目立つ。

 そして必ず出てくる、
「そうなったのはあなたの責任でしょ」
 という自己責任論。

 こうした高齢者を取り巻くがんじがらめの状況を、そのまま放置していいのだろうか。私たちはそうした立場をとらない。厳しい状況の中だからこそ、「最適解」を見出そうとする社会であって欲しいと願う。

 本書は2014年9月28日放送のNHKスペシャル『老人漂流社会~“老後破産”の現実』をベースに、番組で紹介しきれなかった高齢者の現実も含めて描き直したルポである。


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