『華僑コネクション』3

<『華僑コネクション』3>
図書館で『華僑コネクション』という本を、手にしたのです。
このところ陳舜臣著『道半ば』、『在日中国人』と尻取りのように本を選んでいるのだが・・・その路線で、この本を選んだわけでおます。


【華僑コネクション】
華僑

樋泉克夫著、新潮社、1993年刊

<「BOOK」データベース>より
全世界に三千万人、〈華〉の血統を持つ人々の強力なネットワーク。最新の情報を駆使して分析したその歴史、思想、戦略のすべて。

<読む前の大使寸評>
このところ陳舜臣著『道半ば』、『在日中国人』と尻取りのように本を選んでいるのだが・・・その路線で、この本を選んだわけでおます。
在日中国人は在日朝鮮人よりは温厚な感じを受けるのだが、単に日本政府の管理に順応しているだけなのか、どうなのか?

amazon華僑コネクション


東南アジアの華僑・華人が祖国を見る想いを、見てみましょう。
p249~251
<中国の東南アジア進出を冷ややかに見る華僑・華人> 
 いま、北京は再び東南アジアに熱い視線を向けている。かつて敵対していたインドシナの国々もまた、北京との関係改善の途を踏みだした。
 
 つい70年代までのことを考えれば、まさに「隔世の感」は否めない。
 70年代を通じて、ASEANの国々にとっての共通した内政上の懸案の一つは、やはり中国系の共産党対策であった。タイやマレーシアなどの共産党は、「農村から都市へ」と毛沢東路線そのままのゲリラ活動を活発に展開していた。やがて中越対立が発生し、ハノイの強い指導を受けたインドシナは北京と鋭く対立する。

 国家と国家が友好関係にあるのだから、ゲリラ活動を停止するよう指導力を発揮してくれとのASEANの友好国の申し出を、「党と党の友好関係は、国家と国家のそれに優先する」と断固として拒否したのは、トウ小平だった。そして、北京によるハノイに対する懲罰戦争である…これが、北京が改革・開放政策に踏み切る以前の、70年代を通じての中国と東南アジアとの関係を示す象徴的出来事であった。

 だが、いまは違う。国際環境は一変したのだ。南紗問題を抱えるとはいえ、北京との敵対関係を国是とする国などASEAN、インドシナのどこにも見当たらない。しかし…。

 時は1991年6月中旬。所は、バンコクを流れるチャオピア河畔に立つ豪華ホテル。とはいえ、かの有名なオリエンタル・ホテルではない。その少し下流。「タイの砂糖王」と呼ばれ、タイの広東系華僑・華人の指導者である関元年の持つシャングリラ・ホテルである。
 その大宴会場。台湾会館などの同郷会館をもふくむ、タイ全国152華僑団体による楊尚昆・中国国家主席歓迎宴、である。

 タイのプミポン国王の招待でタイを訪問した楊主席を前に、タイ華僑・華人の代表ともいえる泰国中中華総商会主席の鄭明如は、こう切りだした。
「タイに住む我々華僑の中には、いまだに中国国籍を持つ者もおります。彼らが第三国に旅行する場合、最大の障害となるのが、パスポートであります。第三国に入出国する折り、他国の官憲から、とがめだてを受けることが多々あると聞きおよんでおります。
 我々の仲間が制約なく海外旅行できますよう、2年前にタイを来訪された李鵬首相に善処をお願い致したのでありますが、事態はいっこうに改善されてはおりません」

 じつはタイには、タイへの国籍転換を希望せず、中国籍を保持したままの華僑が18万人ほどいる。彼らは中華人民共和国成立以前にタイに渡り、そのまま生活を続けているのである。

 彼らはタイ人ではなく、中国人のままでいることを選択した。中国籍のままだから当然、タイでは外国人扱いを受けている。毎年外国人としての登録料を払う。もちろん、選挙権などはありはしない。外国人であるから、タイのパスポートは持てない。かつての中国のパスポートを持って海外にでかけることになる。

 ところが、このパスポートでは、中国に里帰りする以外、第三国への出入りがじつに不便だという。その原因は、パスポートそれ自体にではなく、中国の姿勢にこそある。
(中略)

「中華を振興させ、祖国を統一することは、海外僑胞をふくむ中国人全体の心からの願いである」との楊主席の話は分かる。だが、他国から侮れないような「祖国」であることも、「海外僑胞をふくむ中国人全体の心からの願い」なのだ…と、会場に参加した華僑の一人が語ってくれた。


『華僑コネクション』1:華僑・華人の「中国観」
『華僑コネクション』2:在日華僑の実力

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