『天下大乱を生きる』4

<『天下大乱を生きる』4>
図書館で司馬遼太郎×小田実著『天下大乱を生きる』という本を手にしたのです。
おお 偉大な思想家とも言えるお二人の対談とは・・・すごい対談が企画されたもんやでぇ♪
初版が1977年とかなり古いのだが、当時の歴史認識には興味を惹かれるのです。


【天下大乱を生きる】
天下

司馬遼太郎×小田実著、風媒社、1996年刊

<「MARC」データベース>より
渾沌とする時代状況をまっすぐにつき進んだ二人の「自由人」。国家とは何か。日本人とは何か。アジアを駆け、世界を股にかける唯一無二の対談集。1977年潮出版社刊行の再刊。

<読む前の大使寸評>
なんか見覚えのある表紙の装丁であるが・・・
まっ 再読になってもいいか、と思って借りたのです。

帰って調べると、およそ1年前に借りていて、再読となることが判明しました。で、(その3、4)とします。

amazon天下大乱を生きる


一強の自民党あたりを、見てみましょう。
p141~147
<超近代的なものと古いものの結合>
司馬:その「法人」に対する忠誠心というのは、なかなか外国人にはわかりにくいね。

小田:わからないですね。しかし、考えてみたら、それがニクソン政権を支えていたものであるし…。ところが、いまの第三世界は、除々なる発展段階を遂げてないからね。いちばん初めに「政府産業」つくるけど、日本みたいにうまくいかないから、あとは全部収奪される。企業ができないから…。

 日本はうまくいったわけよ。中央アフリカあたりの国では、「政府産業」が金を食う。国家予算の半分以上が政府の給料ですね。それで国家が大崩壊するわけよ。そんな変なことになるでしょう。

司馬:そうですね。

小田:それは政治集団についても同じことが言えると思うんだ。自民党というのは、ものすごく古臭いとみんな言うでしょう。ぼくは超近代的やと思うな。社会党と自民党の二つ。ぼくは田口富久治さん(政治学者)の説を正しいと思うんやけど、要するに近代政党と呼べるのは共産党と公明党だけやと言うんですね。つまり、一つのイデオロギーを持ち、党員を持ち、そして機関紙を持って、それで賄って、日常活動をして支えているというのは。それがいわゆるヨーロッパ型の近代政党でしょう。そうしたら、それに当てはまるのは二つしかないわね。

 あとは何かというと、非常に封建的な変なものだ、というふうに田口さんは書いていましたけど、ぼくはそう思わないんだな。ものすごく進歩したやつだと思うんだ。
「自民党グループ」という名前で呼んだらいいと思うんですよ。政治集団やと思うんだ、政党じゃなくて。「自民党グループ」と「社会党グループ」がおって、これがいちばん現代社会に適応していると思うんです。

 近代社会というのはまず要求が多元化されているでしょう。価値が多元化されてるでよう。すぐ動かないかんでしょう。そのとき企業グループの方が、財閥より動きやすいんですよ。ぼくはそれで成功したと思うんですよ。

 このごろ世界の資本主義の大きな問題になっているのは多国籍企業ですが、この多国籍企業を国内的に持ってきたのが日本の企業集団やと思うわ。多国籍企業は損なとこと得なとことあるでしょう。それをうまいことあっちこっちでカバーして、全世界を覆っていく。損なとこと得なとことカバーし合って、損であったら切り捨てたらいいんだもんね。財閥やったら、損なとこも抱えて歩かなあかんから、結局全体が損しますね。企業集団というのは、そんな義務ないもん。

 多国籍企業だってそうでしょう。グァテマラでもうからなければ、グァテマラを切り捨てたらいい。それで暮らしてきたでしょう。それを日本国内へ持ってきたんだな。持ってきたんじゃなくてこっちの方が先だ。全世界的な多国籍企業というのは全世界を覆っていて、日本では企業集団が覆っていると思う。

 それと同じことで、自民党も、古臭い面と、超近代的な面がくっついたと思うな。

 ウーム いい線行ってるんだけど、選挙制度改革の以前なのか、小選挙区制の怖さを語っていないなあ。

『天下大乱を生きる』1:精神構造において官僚的な日本人p170~174
『天下大乱を生きる』2:ファシズム論p116~120
『天下大乱を生きる』3:資本主義の問題p26~32


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