『カラスの早起き、スズメの寝坊』2

<『カラスの早起き、スズメの寝坊』2>
図書館で『カラスの早起き、スズメの寝坊』という新書を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると…なるほど、「文化鳥類学」のおもしろさが散見されるのでおます♪


【カラスの早起き、スズメの寝坊】
スズメ

柴田敏隆著、新潮社、2002年刊

<「BOOK」データベース>より
モズ、カラス、スズメ、フクロウ、ウ、オオタカ、ヤマシギ、オオミズナギドリ…さまざまな環境に適応して高度に進化した鳥たちは、苛酷な状況を生き抜くためにみごとな知恵を発揮する。感情表現豊かなその生態は、知れば知るほど、人の姿を連想させる。文化人類学ならぬ、「文化鳥類学」の視点から、鳥たちの社会を、いきいきと描くネイチャー・エッセイ。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると…なるほど、「文化鳥類学」のおもしろさが散見されるのでおます♪

rakutenカラスの早起き、スズメの寝坊

カラ
四十雀:スズメ目シジュウカラ科

生態学の学理が語られているので、見てみましょう。
p131~134
<鬼子母神のシステム> 
 ドイツの鳥学者レーリッヒは、1羽のシジュウカラが1年間に食べる動物質は、マツシャクトリに換算して12万5000匹、エナガでは9万6000匹に及ぶという。
 旧農林省の調査によると、育雛中のヒナが、親鳥から貰う虫の数は、1日平均ヒナ1羽当たり50匹内外という。

 一つがいのシジュウカラが年に2回繁殖して12羽のヒナを育てたとすると、この一家は、1年間に290万匹の虫を食べる計算になる。しかも、うまいことに、ヒナが育つ初夏の頃は、多くの昆虫もちょうど幼虫が成育する時期に当たるので、親鳥は大量の「餌」を入手することが可能である。

 しかし、反面に、そうした小鳥類のヒナも、昆虫の幼虫と同じ要件を備えているので、アオダイショウ、イタチ、テン、ハイタカなど、より大型の、より凶猛な天敵の餌としてさらわれる立場にもある。日本鳥類保護連盟の計算によると、1羽のハイタカは、1年間に779羽のシジュウカラを食べるというが、その中には当然、「人生」に未熟で、か弱い幼鳥や若鳥が多く含まれるのであろう。

 考えてみれば、初夏の自然界は、子どもが子どもを育てているようなもので、親はその間に運搬係りとして介在するに過ぎないともいえよう。だから、人様の子をさらった親が、自分の子をさらわれて鬼子母神とおなじ悲哀をかこつことも十分起こり得るのである。鳥獣類は、親が子を養うが、爬虫類や両生類などは、子ども自身が自活をはかるよりほかはない。

 しかし、自然はよくしたもので、例えば、シロマダラはトカゲを襲うヘビであるが、幼蛇がかえる頃、トカゲの子もかえるし、その子トカゲは食うに手頃な大きさのコオロギやバッタの幼虫を捕食して育っていく。
 こうしてみると、自然界の絶妙な仕組みに驚くばかりであるし、昼行性の動物では、そうした餌を存分に子どもに与えられるように、1日の昼の長さも1年中で1番長くなっている時期であるのが何とも心憎い。

 日本鳥類保護連盟は、「あなたの愛鳥度テスト」と称して次のような設問をしている。すなわち、小鳥のヒナをヘビが襲っているのを目撃したとき、あなたは、1.キャッと言って逃げる、2.ヘビを叩き殺す、3.ヘビを捕らえて遠くへ持って行って放す、4.何もしない、の四つの態度のどれをとるかというのである。

 たいていの人は、3をとるであろう。しかし、鳥類保護連盟の正答は、4となっている。 その理由は、ヘビにはヘビの余儀無さがあって鳥のヒナを襲うので、それを排除したら、ヘビの生活は成り立たなくなってしまうからだ。

 鳥だからかわいそう、ヘビだから憎らしいというのは、人間の側の勝手な考え方であって、そのために自然界の仕組みやバランスを崩すようであってはいけない、というのである。
 大変大乗的な見地、東洋的な自然観を髣髴させられる解釈であるが、これはしかし、生態学の学理に照らしても誤りではない。一見、恐ろしいばかりの自然界の「鬼子母神システム」もそれはそれ、自然界はおびただしい数の子どもを用意して、その激しい消耗に耐えられるように配慮しているのである。


ウーム 我が家の裏のケヤキ並木には、朝夕に決まってシジュウカラが群をなして飛んでくるのです。
彼らはケヤキの枝で昆虫を探しているのかな?…ご苦労さんでおます。

『カラスの早起き、スズメの寝坊』1

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