『砂の海』2

<『砂の海』2>
図書館で『砂の海』という本を、手にしたのです。
ちょっと古い本ではあるが、砂漠、西域は大使のツボでもあるし、シーナの紀行とあれば期待できそうやでぇ♪


【砂の海】
砂

椎名誠著、新潮社、2000年刊

<「BOOK」データベース>より
目的地は、探検家ヘディンが「さまよえる湖」と名づけたロプノールと2000年前の幻の王国・楼蘭。太陽のコノヤロ光線、岩山も刻む砂嵐の中、“あやしい探検隊”隊長は、“正しい探検隊”である日中共同探検隊と、ずんがずんがと砂漠を突き進む。金属味の缶詰料理に辟易し、激しく車に揺られながら、著者が最終地点で目撃したものは?ハードな旅をユーモアで描く、シルクロード紀行。

<読む前の大使寸評>
ちょっと古い本ではあるが、砂漠、西域は大使のツボでもあるし、シーナの紀行とあれば期待できそうやでぇ♪
借りたのは、1998年刊のハードカバーです。

amazon砂の海

砂漠

シーナが砂漠に対する思いを述べているので、見てみましょう。
p14~18
<さまよえる湖>
 砂漠というとすぐ頭に浮かぶのは「月の砂漠」だ。
 月の砂漠を
 はるばると
 旅のラクダがゆきました。
 金と銀との鞍置いて
 二つならんでゆきました。

 この「月の砂漠」は大正12年に児童雑誌『少女倶楽部』に発表された。作詞は加藤まさをという叙情画家で、千葉県御宿海岸の砂丘を見てつくったという。

 海岸砂丘で日本で最大のものは鳥取砂丘だが、ここに行ったら観光サービス施設がこしらえたものらしいのだが、入口のところにスピーカーがある。これがでっかいボリュームでこの「月の砂漠」の音楽をこれでもかこれでもかと流していて旅情も叙情もロマンもヘチマもない。ロマンとヘチマを並べてみて思い出したが、そのむかしヘチマコロンというのがあった。うーむ、せっかくロマンの砂漠なのでムードよろしく、と思ったのだがちっとも格調が高まらない。

 砂漠のイメージをもっと強烈につたえてくれたのは映画『アラビアのロレンス』だった。
 はじめて見たのはまだ高校生のときだった。今はもうない日比谷劇場の70ミリの大スクリーンで見たとき、まさしく息をのんだ。モーリス・ジャールの音楽も素晴らしかった。
 まだ70ミリの大画面や、サウンドトラックがいくつにも分かれて、背後からも音が出る、という映画に慣れていなかったので、この砂漠のイメージは強烈だった。

 『アラビアのロレンス』は数年後、シネラマ劇場のテアトル東京でも上映された。テアトル東京のスクリーンはヨコ22メートル、タテ9メートル、奥ゆきは6メートルあった。スクリーンが湾曲しているので、奥ゆき、という表示が必要なのだ。

 このプールをタテにしたようなでっかい画面いっぱいに、砂の世界が映しだされた。
 ロレンスが、従者の少年といくつも砂丘をこえていくシーンなどはモロに「月の砂漠」そのものであった。扇情的に見るものの琴線を刺激しまくった。

 そしてそのあとすぐにはじまったNHKの「シルクロード」が日本人の砂漠のイメージをもっとはっきり具体的にきわだたせた。第一期のタイトルバック。ベドウィンもしくはトアレグ族を思わせる美しい女性の無言の凝視にダブッて、砂丘をいくラクダの隊商その揺れる鈴のシルエットなんぞを喜多郎の曲の高まる中にオーバーラップなんぞして、もう徹底的圧倒的コノヤロ的に砂漠を謳いあげた。

 これでは多くの日本人が砂漠に胸をフルワセルのも当然である。
 かくゆう自分も、その一人であった。

 モノカキになってすぐの頃まずは日本からもっとも近い砂漠へ向かった。
 上海から一泊二日の長距離列車に乗り、さらに自動車で四百キロ走って敦煌へ。この敦煌あたりからゴビ砂漠がはじまる。

 河西回廊の入口に鳴沙山というところがあって、そこから先は砂丘がうねっている。
 公園でいえば管理人事務所といったものがあるあたりに貸ラクダのおっさんがいて、そこにはラクダが30頭ぐらいおさまりのつかない顔で「ぐへえーいぐへえーい」などと啼いている。
ラクダ

 そのうちの一頭を借りて砂丘を登っていった。馬とちがってラクダというのは非常にわがままで反抗的でずるくて怠け者である。どうもここまで悪口の並ぶ動物も珍しいが、しかし乗ってみるとそれがわかる。登るのを嫌がるので仕方なく降りて鼻綱を引くと、スキを見て噛みついてくる。
(中略)

 ロプノール、楼蘭への旅は、東洋史、自然地理学、植物生態学、昆虫学等の学者研究者、新聞記者、医師、通訳など30人近くが参加し、中国側からは同じく中国の学者チームとサポートする車輌隊、天幕炊事班など百人以上が参加するという。
 こうなるとまったくもって「正しい探検隊」なのである。

 実質的な準備期間が約半年間あった。準備室が築地の朝日新聞社内に設けられ、そこから定期的に各方面の連絡書類などが送られてきた。それらの情報を見ると、砂漠にはトラック隊とジープ隊で入っていく。何十年も入っていないところなのでルートというのはまだ大ざっぱなものしか決まっておらず、最終的にはトラックやジープを捨てて徒歩になるようだ。

 「よおし!」
 そこでおれは秘かな個人的な作戦をたてた。
 体を徹底的に鍛え直しておこう、というのがまずそのひとつ。学生の頃からずっと体育会系格闘技派だったので、いまだに朝食前に体を動かしている。

ウン カラオケスナックで興がのれば「月の砂漠」を歌ったりする大使であるが・・・
この歌と映画『アラビアのロレンス』から砂漠をイメージする人が多いようですね♪

『新シルクロード#2』では、砂漠の中の仏教王国にふれているので、見てみましょう。

『砂の海』1

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