『亜米利加ニモ負ケズ』2

<『亜米利加ニモ負ケズ』2>
図書館に予約していた『亜米利加ニモ負ケズ』という本を、待つこと3日の超速でゲットしたのです。
著者のアーサー・ビナードと言えば・・・・
宮沢賢治やベン・シャーンの紹介、自身の詩作で知られる、日本語ぺらぺらの詩人ではないか♪ 


【亜米利加ニモ負ケズ】
sアメリカ

アーサー・ビナード著、日本経済新聞出版社、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
「日本人」のあなたのルーツは、日本語のどこにある?「アメリカン」の意味は、これからどこへ広がる?生活の根っこをさぐり、ユーモアの種を大胆にまくこの一冊から、本物の「対等な日米関係」が始まる!最新エッセイ集。

<読む前の大使寸評>
著者のアーサー・ビナードと言えば・・・・
宮沢賢治やベン・シャーンの紹介、自身の詩作で知られる、日本語ぺらぺらの詩人ではないか♪ 

<図書館予約:(3/02予約、3/05受取)>

amazon亜米利加ニモ負ケズ


須磨寺須磨寺

ドングリ国にある須磨寺をビナードさんが訪ねているので、見てみましょう。
p129~131
<当たり外れ>
 週末に神戸へ出かけ、源平合戦の舞台となった須磨をあるいた。
 須磨寺駅から何歩も進まないうちに、「敦盛団子」の幟が目につき、大使餅本舗の店内にぼくは吸い込まれた。
 
 赤褐色のニッキ味と、純白の砂糖味と、緑の抹茶入りと三色の団子だ。「平家物語」で熊谷直実が平敦盛の首を討つ場面が思い起こされ、「赤い団子がいちばん上になっているのは、つまり・・・首ですか」と店主にたずねた。そんな深読みを、彼は否定も肯定もせず、「先代が決めた順番ですからね」と笑い、つり銭を渡してくれた。

 ニッキが香ばしくて、でも色はやはり微妙に不気味だった。
 須磨寺の境内の一角には「首洗池」があり、小ぶりの鯉が水草を縫って悠々と泳いでいた。言い伝えによれば、血まみれの敦盛の首がそこで濯がれ、源義経は松の木に腰掛けて、首実験を行ったという。その「腰掛松」もそばに横たわっていた。
 また、奥のほうの小さな堂には、こんもりした五輪塔が立ち、敦盛の「首塚」と記されていた。

 「ここに眠るは首だけ?」と思い、それ以外の部分はどうなったか、ガイドブックで探せば、ちゃんと胴体を埋設したという「敦盛塚」が、一ノ谷町の須磨浦公園にあるようだ。そこも五輪塔らしい。

 ぐるりと境内を一回りして、「青葉の笛」の曲の流れるモニュメントのボタンも押してみる。そろそろ山門へ戻ろうとしたとき、薄暗い木陰にでっかい亀が見えた。グレーの石でできていて、その甲羅の真ん中には、なにか丸い塊がのっかっている。

 「こんなところにも敦盛の首か!」
 驚いて近寄ってみたら、そうではなく、七福神だった。
 名づけて「七福神マニコロ」。亀の背に据えられたその塊は、側面に大黒天と恵比寿と毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋が浮き彫りにされていて、くるくる回るようになっている。

 記憶をたどれば、「マニコロ」とはチベットの言葉だ。経文をつづった紙をぎゅっと詰めた筒に、心棒が通され、それを回すと回した分だけの教を唱えたことになるという、やや虫のいい器具。

 モンゴルへ行ったとき、街角の売店で携帯用のマニコロにも出会い、大いに回転させた。現地ガイドからは「ピュアな心で、必ず時計回りに回すよう」といわれたが、須磨寺のマニコロの看板には回転方向に関する指示はなく、こんな注意書きだった。
 「七福神をまわしながら拝んでください。亀の背中に乗ってもかまいません。七福神の上には乗らないで下さい。バチが当たります」

 だれかが七福神のてっぺんに腰掛けたから、そう書いたのだろうか。亀の背中はかまわないとあったので、さっそく跨いでみて、ちょうど股間にきた七福神を回しながら「バチ」について考えた。

 カタカナで書いてあるのは、初めてかもしれない。漢字の「罰」と違って、「バチ」はプチな感じがして、当たっても死んだり大怪我したりすることはなく、せいぜい深爪とかニキビ程度だろう。

 ぼくが「罰が当たる」という日本語を覚えたのは90年代の初め、あのころと比べて、意味がずいぶん軽くなっていないか。ならば当然、その対極にある「御利益」も格下げされているはず・・・。マニコロを回して得られるのは、ただの「ゴリヤク」かしら。


ウン 中国由来の道教は、八百万の日本では中途半端に定着したようで・・・
ビナードさんは日本人が意識している「バチ」と「ゴリヤク」を正しく理解しているようですね♪

それにしても、ビナードさんの須磨寺めぐりは感慨深いものががあり、地元の大使も勉強になりました。

『亜米利加ニモ負ケズ』1

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