『世界「最終」戦争論』2

<『世界「最終」戦争論』2>
図書館で『世界「最終」戦争論編』という本を予約して、待つこと5日でゲットしたのです。・・・本屋の店頭から消えた頃の新書が狙い目なのかも♪


【世界「最終」戦争論】
戦争

内田樹, 姜尚中著、集英社、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
アメリカの国力の低下と共に勃興する諸大国の新たな覇権主義。拡大する中東の戦乱、国境を越える大量の難民、欧州のテロ事件。行き過ぎたグローバル経済と格差社会。国内に目を転じれば大規模な災害が起こる中、平和主義の戦後レジームからの脱却を主張する動きが勢いを増している。いよいよ混迷を深める世界と社会の情勢。その背景にあるのは、世界史レベルのパラダイム(知的枠組)の地殻変動である。顕在化している近代の崩落過程についてリベラル派の言論人を代表するふたりが語り合い、難局を避けるために必要な世界の見取り図を提示する。

<読む前の大使寸評>
予約して待つこと5日でゲットしたが、本屋の店頭から消えた新書が狙い目なのかも♪

<図書館予約:(2/13予約、2/18受取)>

rakuten『世界「最終」戦争論』1


日米の棄民たちを、見てみましょう。
p140~143
<近代百五十年の成長の陰に「棄民」ありき>
姜:福島の浪江に、第一原発から14キロぐらいのところに牧場があるんですね。そこで牛を飼っている人を取材しました。希望の牧場・ふくしまの吉沢正巳さんという方です。吉沢さんは汚染された牛を殺処分しろという国の厳命に逆らって、330頭の牛をその牧場で飼い続けている。絶対殺さない。生かしておくんだと言って。彼が言うには、殺してしまったら放射能が生物にどういう影響を与えるのかわからなくなると。

 放射能牛を長期的に生かした場合にどういう変化が起きるのか、それを調査するための貴重なモルモットでもあるのだから、生かしておくんだと。そのために数ヶ月で六百万も餌代がかかるのに、飼い続けている。僕はそれはもっともな話だと思うのです。

内田:被爆の症状って、どういう風に出るんですか。

姜:びっくりしましたけど、牛に斑点が出ている。

内田:殺したって、放射性物質は消えないわけですからね。死体を焼いても消えないし。

姜:ええ、吉沢さんと話して、あっと思ったのは、彼の口から「棄民」という言葉が出てきたんです。国は自分たちを畜生のように扱って、棄民扱いにしていると、泣きながら話すのですね。なぜそういうのかと聞いてみると、彼の両親は満州の開拓民で、関東軍に捨てられ、国に捨てられて命からがら日本に帰って来た人たちなんです。

 そういう悲惨なことがあって、彼の両親はまさに棄民を体験した人で、その息子である彼も、被災して、生活の糧であったものを強制的に国に取り上げられようとしている。それで、彼は自分も棄民と同じだと言っている。考えてみれば、汚染された福島を追われて四散した人たちだって、故郷を奪われた棄民ですよね。帰るに帰れない。

 そう考えると、近代の成長の陰に棄民ありきです。難民も移民も含めて。炭鉱労働者も、閉山が始まってからいろんなところへ流れて行ったようですが、彼らも使い捨てられた棄民です。僕がドイツへ行っていたとき知ったのですが、三井三池炭鉱からドイツの炭鉱に渡った人たちもいて苦労したようです。やっぱりこの人たちも棄民でしょうね。

 日本はエネルギーを石油に転換して、苦しいところを乗り切って発展しましたというサクセスストーリーでは、とても語り得ない。昔の話だけではなく、今の格差社会で社会からはじき出されて、ブラック企業で死ぬほど働かされたり、ネットカフェを転々としている若者だって棄民同然です。


お二人の対談はこのあと、煙草とか綿花など、北米大陸の奴隷労働のようなモノカルチャーが続きます。

それはそうと、かつてニッポンの外務官僚が確固たるヴィジョンを持って、南米移民を推進したようだが・・・
戦後初の棄民政策だったようです。

『世界「最終」戦争論』1

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