『世界は終わりそうにない』

<『世界は終わりそうにない』>
図書館で『世界は終わりそうにない』という本を手にしたのです。
高野秀行つながりということで、『ポケットに物語を入れて』と合わせて借りたのです。


【世界は終わりそうにない】
世界

角田光代著、中央公論新社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
愛すべき、私たちのしょっぱい日常。恋愛の苦み、読書の深み、暮らしの滋味…膝を打ちたい気分で人生の凸凹をあじわうエッセイ集。
【目次】
1 膝を打ちたい気分((笑)の救い/「くん」コンプレックス ほか)/2 あれ食べよう、これ食べよう(記憶味覚/私のごちそう ほか)/3 物語というもの(対談ー旅とボクシングとハードボイルド(船戸与一×角田光代)/対談ー映画『八日目の蝉』が見た世界(成島出×角田光代) ほか)/4 恋愛じゃなきゃできっこない(お金と恋愛/自分を磨きたいと思ったことはありますか? ほか)

<読む前の大使寸評>
高野秀行つながりということで、『ポケットに物語を入れて』と合わせて借りたのです。
rakuten世界は終わりそうにない


村上春樹は走る作家として知られているが、角田さんもかなり走っているようです♪
角田さんはフルマラソンを6度も走ったそうだが、そのあたりを見てみましょう。

<つらいのに>p42~44
 ちっとも好きではないのに、なぜかつらいことを進んでやっていることがある。私の場合はランニングである。走るのはちっとも好きになれないが、なんとなくはじめてしまったのでやめることができず、今も毎週末に走っている。そればかりか、フルマラソンまでやるようになった。12月は6度目のフルマラソンに参加する。

 40キロ以上走るのはつらい。本当につらい。身体的、精神的つらさを今もありありと思い出すことができる。でも、やる。好きだからではない、やらなければ練習しなくなるからだ。趣味なんかではない、義務だ。でも、なぜ仕事でもないのに、自分に義務を課す必用があるのか?そこのところは考えてもわからない。

 つらいとは思わずにやってみて、つらかったと気づくこともある。それはたとえば富士山だ。友人たちと飲みながら、富士山に登ろうともりあがった。まだ世界遺産に登録されていないころだ。それで、登ったのだが、驚くほどつらかった。たのしいことなどひとつもなかった。景色は見えず、友人とははぐれ、岩場は歩きづらく、日の出は雲に隠れて見えず、頂上までは渋滞の行列で、くだりはすべって転びやすい。

 頂上でみやげものやラーメンなどを売っているのだが、その売店の賑わいを見たときは愕然とした。こんなにつらい思いをして必死に登ってきた先に、何があるかといえば富士山のペナントや絵葉書やラーメンを売る店なのである。

 つらかったという思いは、薄まらず美化もされず、消えない恨みのように未だに私のなかにある。フルマラソンのほうがまだ楽だ、と思いながら登っていた。フルマラソンはまだ続けていて、富士山は二度と登ろうと思わないのだから、やはり数倍つらかったのだ。今もフルマラソンを走っていてつらいとき、富士山に比べればまだましだ、と自分を励ます。

 しかしその比較にどんな意味があるのだろうと考えて、これもまたよくわからない。どちらも、べつにやらなくていいことなのだ。そして私はそのどちらにも、よろこびも達成感を見出していない。

 そしてまた、気がつけばつらいことをはじめてしまった。山のなかを走る。トレイルランである。3年ほど前、友人に誘われた。トレイルランなんて、私にできるだろうかと思いながら友人と走った。もちろん友人が選んでくれたのは初心者コースで、ペースもゆっくりだった。それから幾度か友人と近隣を走った。
(中略)

 トレランは、ロードと違ってずっと走っているわけではない。もちろんプロの人およびそれに類する人はどんな急な上り坂でもターッと走る。けれどふつうの人は上りや急な下り坂、足場の悪い場所は歩く。とはいえ、休憩なしでずーっと走ったり歩いたりする。
 上りが本当につらく、脚が上がらず、10キロを過ぎたところで、なんとか脚を前に進めながら「これが限界だ」と思っていた。15キロが限界。これ以上は無理だ。そのくらいつらかった。

 そのつらさを忘れたわけではない。富士山同様、今もありありと残っている。なのにそれから1年たって、たまたま23.54キロの大会を見つけてしまった。しかも家からわりと近い場所で開催される。私にもできるだろうか、まあ、無理だったらリタイヤすればいいやと思い、エントリーしてしまった。


角田さん今度はトレランですか・・・・わりと体育会系なのが、ええでぇ♪

『ポケットに物語を入れて』1

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