『謎のアジア納豆』3
<『謎のアジア納豆』3>
図書館に予約していた『謎のアジア納豆』という本を、待つこと4ヶ月でゲットしたのです。
写真も多く、わりと厚みのある本であり・・・本気度1000パーセントというコピーにも頷けるのである。
これまで高野さんの本を5冊ほど読んでいるが、どれも面白かった。この新刊も面白いはずである。
第9章で、日本納豆の起源を見てみましょう。
高野さんは、納豆は山岳民族の食、あるいは辺境食であると言っているが、なるほど大曲あたりは・・・・昔から蝦夷と言われ、辺境ではあるなあ。
このあとも錬太郎さんによる「県南納豆文化講座」が続くのであるが、長くなるので割愛させてもらいます。納豆を食べるための専用の器「口ひどっこ」とやらもあるそうです。
それから、納豆文化については秋田県南部とタイ・ミャンマー国境のシャン州と似ているのが驚きですね。
『謎のアジア納豆』1byドングリ
『謎のアジア納豆』2byドングリ
料理の起源byドングリ
図書館に予約していた『謎のアジア納豆』という本を、待つこと4ヶ月でゲットしたのです。
写真も多く、わりと厚みのある本であり・・・本気度1000パーセントというコピーにも頷けるのである。
これまで高野さんの本を5冊ほど読んでいるが、どれも面白かった。この新刊も面白いはずである。
【謎のアジア納豆】 ![]() 高野秀行著、新潮社、2016年刊 <「BOOK」データベース>より 山奥のジャングルで出会った衝撃的納豆ご飯。ぱりぱりと割れるせんべい納豆。元・首狩り族の優雅な納豆会席。中国湖南省の納豆入り回鍋肉。そして日本で見つけてしまった「究極の納豆」。本気度1000パーセントのノンフィクション大作。壮大すぎる「納豆をめぐる冒険」 <読む前の大使寸評> 写真も多く、わりと厚みのある本であり・・・本気度1000パーセントというコピーにも頷けるのである。 これまで高野さんの本を5冊ほど読んでいるが、どれも面白かった。この新刊も面白いはずである。 <図書館予約:(6/11予約、10/08受取)> rakuten謎のアジア納豆 |
第9章で、日本納豆の起源を見てみましょう。
p192~193 <秋田県南部は「日本のシャン州」?> 30分くらいしてようやく話題が「納豆」に移った。しかもそれが想像をはるかに超えて面白かった。錬太郎さんは記憶力がよく、頭脳明晰で判断が速い。何か聞くと、たいてい明確な言葉で即答してくれる。 錬太郎さんは昭和22年生まれの67歳。生まれ育ったのは実は海沿いの秋田市だが、お母さんの実家が大曲にあり、子供の頃からよく遊びに来ていた。東京から帰ったあとは大仙市出身の奥さんと結婚し、大仙市清水字に40年以上暮らしている。事実上、地元の人である。 昔はたいていの家で大豆を栽培し、それから味噌や納豆を作っていたという。 納豆作りは子供のころ、母の実家でよく見た。冬はこたつで作る。夏はよほど好きな人が作る。初夏か秋めいた頃に作り始める。お父さんが警察官で特に公安だったため、米軍と仕事をしており、缶詰や毛布をもらった。その毛布はカーキ色でうすくてふわふわしており、藁菰を包むのにちょうどよかった。発酵時間は二晩か三晩。 ここまでも十分興味深かったが、次の一言に瞠目した。 「納豆はね、ほとんど失敗。糸を引かないんだ。1回に菰を50本くらい作るけど、5,6本しかうまくできない」 なんと昔ながらの方法で作る自家製納豆は、ほとんど糸を引かないのか。それではまるでシャンの納豆みたいじゃないか。びっくりする私にはかまわず錬太郎さんは続ける。 「いくつか成功したものはご飯にかけて食べ、残りは納豆汁にしたんだ」 それは面白い。納豆作りと食べ方の過程がシャン州に似ている。どちらも一部はそのまま粒納豆としてご飯のおかずにするが、大部分は加工して別の料理に使う。シャン州はせんべい納豆、秋田県南部では納豆汁というわけだ。 ・・・今、俺はすごい話を聞いている・・・。 興奮で肌が泡立つ思いだった。なにしろ日本納豆の起源地と言われる場所の納豆がシャン州の納豆に大きな共通点をもつという、予想もしない展開を見せているのだ。 納豆汁はどういうふうに作るのか。「擂り鉢と擂りこぎで納豆の豆をつぶす。これは小中学生の役目。豆の形がきれいになくなるのが理想だが、時間や労力がかかるためにそこまではやらない。たいてい豆の形が残っている」 これはまたシャン州タウンジーで体験したせんべい納豆の作り方に似ている。豆は完全に潰した方がいいが、なかなかそこまではできない。そして、きれいに潰すためには粘り気は少ないほうがいいはずである。 納豆汁には何を入れるのだろう。大曲ではメインの具は塩漬けにした山菜とキノコだという。山菜は蕨、ミョウサク、ネマガリタケ、フキ、ウド、アユッコ、ミズなど、キノコはサワモタシ、アミコダケ、ムキダケなど。それに芥子菜の塩漬けとゴボウは欠かせない。他には大根や人参といった根菜類。味噌とダシ(煮干しや焼き干し)。その他、角コンニャク、豆腐、油揚げ、長ネギなどを入れてもよい。「豆腐や油揚げが入るとちょっと高級な感じ」だという。外で買ってこなければいけない加工品だからだろう。 もっとも場所や家、個人によっても入れるものはちがうという。例えば、大曲と美郷町と横手市はみな納豆汁を食べるが、「文化がちがうから、納豆汁の食べ方もちがう」そうである。 |
高野さんは、納豆は山岳民族の食、あるいは辺境食であると言っているが、なるほど大曲あたりは・・・・昔から蝦夷と言われ、辺境ではあるなあ。
このあとも錬太郎さんによる「県南納豆文化講座」が続くのであるが、長くなるので割愛させてもらいます。納豆を食べるための専用の器「口ひどっこ」とやらもあるそうです。
それから、納豆文化については秋田県南部とタイ・ミャンマー国境のシャン州と似ているのが驚きですね。
『謎のアジア納豆』1byドングリ
『謎のアジア納豆』2byドングリ
料理の起源byドングリ
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